Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

航空業界に、資源大手、CO2排出が多い産業でカーボンニュートラル宣言が相次ぐ 

 

 世界の脱炭素は確実に前進しているのだろうか。COP26を前に、その動きが慌ただしいようだ。

 世界の大手資源企業28社が ICMM 国際金属・鉱業評議会で、2050年までに温室効果ガスの直接(スコープ1)・間接(スコープ2)の排出量を実質ゼロにする目標を掲げたという。

世界の資源大手、2050年までの温室効果ガス実質ゼロを表明 | ロイター

 ロイターによれば、ICMMは、「加盟企業の共同誓約は、われわれの歴史にとって重要な瞬間だ」と表明したそうだ。また、スコープ3(鉄鋼メーカーなど顧客の排出量)の目標は「2023年末でなくても、できる限り早急に設定する」としたという。

 脱炭素に後ろ向きと思われがちな業界が方向転換することは心強い。どれだけ前倒しできるか、そんなことにも期待が膨らむ。そのためには技術開発の継続とその実用化が求められる。

 

 

 IATA国際航空運送協会が、2050年までにカーボンニュートラル、温暖化ガスの排出量を実質ゼロとする目標を年次総会で採択したそうだ。

 石油由来の従来のジェット燃料から、バイオ原料などを使った持続可能な航空燃料(SAF)への切り替えを加速し、エネルギー業界や各国政府との連携も模索するという。

50年に温暖化ガス排出ゼロ、IATAが表明 環境燃料拡大: 日本経済新聞

IATAは50年に燃料全体に占めるSAFの割合を65%まで高める必要があるとのロードマップを示した。現状では2%にも満たない。SAFの生産量を現状の約4500倍に増やす必要がある。SAFの価格は現状でジェット燃料の4倍ほど高いが、「どこかの時点で従来燃料より安くならないといけない」。(出所:日本経済新聞

 国内でも、ユーグレナ社など数多くの企業がSAF事業に乗り出している。大規模設備が完成し、量産効果でコスト低減を図ることが可能と言われている。航空業界全体で、SAFへの切り替えに舵を切れば、設備投資への懸念はなくなり、事業化が加速するのだろうか。

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 ナショナル ジオグラフィックが、ランザテック社のSAFの技術を紹介する。

 中国の製鉄所から排出される、炭素をたっぷり含んだガスを燃料に変える技術を開発した。回収したガスにウサギの体内で発見された分解力の強い微生物を混ぜ、さらに水と栄養物を加えて発酵させるとエタノールが発生するという。 (出所:日経スタイル)

 

 

 航空機による気候変動への影響は大きいといわれる。

 ナショナル ジオグラフィックによれば、「1時間当たりの環境負荷で見ると、1人の人間による行為のなかで、飛行機に乗っていること以上に地球の健康を損ねるものは、ほとんどない」と、米航空宇宙局(NASA)の気候科学者ピーター・カルマス氏が述べているそうだ。

空の旅は変わるのか 脱炭素目指す航空技術の最前線|NIKKEI STYLE

 水素の活用や航空機の電動化に期待がかかる。しかし、SAFへの期待は大きい。

その理由は明快だ。航空機の寿命は20年から30年なので、現役の数千機はまだまだ空を飛び続ける。その動力源となるのは、こうした液体の航空燃料だからだ。 (出所:日経スタイル)

 しかし、SAFにも弱点はある。可食物をその原料にすれば、反感を買うことになりそうだ。SAFのために、食料が流用されるようではあまり意味がない。さらに食糧生産が必要になり、別の環境破壊の問題を引き起こしかねない。

 ミドリムシ、これまでは可食物とはみなされていない。このミドリムシで空を飛ぶといったのはユーグレナ社だった。

 ミドリムシを大量培養し、それをバイオ燃料の原料とする。その事業化のために、食品や化粧品にもミドリムシが利用され、その他にも肥料やプラスチックスの原料なども検討、研究されている。しかし、新しいことは一気に花開くことはない。

 ユーグレナ社1社で空の脱炭素の問題を解決することはできない。多くの企業が関心をもち、協力していかねばならない。そういう環境が整い始めていないだろうか。