大航海時代、世界の海を帆船が埋め尽くしていたという。そんな時代へ回帰することになるのだろうか。
K-Line 川崎汽船が、凧の力を推進力の補助に使った船で、2021年末をめどに欧州近海でトライアル航海を実施するという。
凧で船舶をけん引!川崎汽船が今年末にトライアル航海へ!川崎汽船が仏エアシーズと共同開発|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
ニュースイッチによれば、川崎汽船は仏エアシーズと共同で開発を進める自動カイトシステム「Seawing(シーウィング)」を、小型貨物専用フェリーに搭載するという。航路にもよるが、現状比20%以上の二酸化炭素削減効果が期待されるそうだ。
商船三井は大島造船所と「硬翼帆式風力推進装置」の開発を進め、2022年中に硬翼帆を1本実装した新造船の運航開始を目指しているそうだ。
ウインドチャレンジャーが設計基本承認を取得 ~温室効果ガス削減を狙い「帆」をもつ日本初の大型商船実現へ~ | 商船三井
商船三井によれば、硬翼帆式風力推進装置とは、風力エネルギーを伸縮可能な硬翼帆によって推進力に変換して利用する装置だという。
1本帆によるGHG削減効果は日本-豪州航路で約5%、日本-北米西岸航路で約8%を見込むが、将来的には複数の帆を実装し、他のGHG削減対策と組み合わせていくことも検討するという。
1882年、ドイツで世界初のトロリーバスが540メートルの区間で走ったという。
「トロリーバス」とは、道路上空に張られた架線から取った電気を動力として走るバスのことをいう。「トロリー」とは集電装置を指す。
そのドイツで、トロリーバスを模してのことか、高速道路に架線を敷き、電気駆動のトラックへパンタグラフを通して給電し走らせるという。
JETROによれば、この「Eハイウエー技術」を開発したのは独シーメンス・モビリティー。これに自動車部品大手の独コンチネンタルが加わり、集電装置であるパンタグラフを共同で開発、製造するという。
走行中のトラックへ給電可能な道路の普及目指す(ドイツ) | ビジネス短信 - ジェトロ
ドイツ連邦政府主導の専門家会議が、2030年までに高速道路の4,000キロに給電可能な架線の設置を推奨しているそうだ。
ドイツ国内の高速道路全長1万3,000キロのうち、交通量の多い4,000キロ区間で長距離トラック輸送に必要な燃料の約3分の2が消費されているためだという。交通・デジタルインフラ省の調査によると、ドイツの高速道路の基幹区間4,000キロを再生可能エネルギー由来の電気により電化した場合、CO2排出量を年間1,000万~1,200万トン削減できるという。 (出所:JETRO)
ドイツではトロリーバスがまだ都市交通として活躍しているという。架線を敷く手間と送電ロスもあっても、電動車に個別にバッテリーを搭載するより、効果が大きいのかもしれない。
まして、バッテリー製造には多量のエネルギーを必要とし、またレアアースなどの資源が必要となる。
様々な最新テクノロジーが開発され、SFのような世界のような未来がやって来るのではないかと想像していた。逆に、古き良き時代に回帰するような流れがあっても良さそうな気がする。案外その方が、燃料供給が不要になったり、回数が減るなどして、トータル的には効率的なのかもしれない。風の力など自然エネルギーの活用がもっとあってもいいのだろう。