Up Cycle Circular’s diary

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厳しくなりそうな今冬の電力需給、COP26参加をようやく決めた首相の思いは何か

 

 エネルギーの高騰は様々な分野に波及していく。ごく自然なことなのだろう。「天然ガス急騰の衝撃、食事やガソリンにも連鎖か」とウォールストリートジャーナルがいう。

目下の天然ガス価格の高騰は、この冬の電気代や暖房代が高くなることを意味する。

来年には、食費や車のガソリン代が高くなるかもしれない。(出所:ウォールストリートジャーナル

 天然ガス高騰を理由に、欧州の肥料メーカが減産を発表しているという。さまざまな肥料の主成分であるアンモニアの製造コストのうち、天然ガスが占める割合は最大で85%にも上るそうだ。肥料も値上がるというなのだろうか。

 

 

 AFPによれば、スリランカが、国内農業をすべて有機生産にするという野心的な計画を一時中断し、化学肥料の輸入禁止を解除したという。

スリランカ、100%有機農業計画を中断 紅茶生産への打撃受け 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News

 それによれば、スリランカ政府がこの方針転換について、年間輸出額が13億ドル(約1480億円)に上るセイロン紅茶の生産者を救うためだと説明したそうだ。

「工場で生産された紅茶の品質が落ちたという事実を考慮し、政府は(化学肥料の)硫酸アンモニウムの輸入を決めた」。(出所:AFP BB NEWS)

 充分な有機肥料を確保できなかったことで、農民から反感を買ったようだ。ただ、必要なアンモニア系の肥料を十分に手に入れることはできるのだろうか。

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 国内では、この冬の電力需給がやはり厳しいとの認識に変ったようだ。特に、東京電力管区がギリギリの状態だという。

過去10年で最も厳しく 厳寒時、東電は「ぎりぎり」―冬の電力需給・経産省:時事ドットコム

全国7エリアで3%台となり、「過去10年間で最も厳しい」と指摘した。

電力の安定供給に必要な予備率は3%。試算では、10年に1度の寒さとなった場合でも「全エリアで3%を確保できる」とした。 (出所:JIJI.COM)

 状況が一番厳しい東京電力は、電力確保に動いているようだ。

 日本経済新聞によれば、送配電事業者の東京電力パワーグリッド(PG)が複数社の電源を落札しているという。

 これを受け、発電業者のJERAは、2021年4月から計画停止中の姉崎火力発電所5号機(千葉県市原市、最大出力60万キロワット)の運転準備を進めると発表したそうだ。この5号機の燃料はLNG液化天然ガスだという。

 足元、LNGの在庫は確保されているということだが、その在庫もいつか使い終わる。そうなれば、高いLNGを買うことになるのだろうか。さらなら電力料金アップは避け得ないのだろうか。

 

 

 岸田首相が、今月末に英国のグラスゴーで開幕するCOP26 第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議に出席すると明らかにしたという。

岸田首相、COP26出席へ 衆院選直後に初外遊:時事ドットコム

 衆院選投開票直後の外遊は異例だそうだ。JIJI.COMによれば、首相周辺は強行日程での出席について「先進7カ国(G7)で唯一欠席となった場合、『肝心な時にいない』と批判を受ける」と説明したそうだ。

首相は26日、首相官邸有識者から気候変動対策推進のための報告書を受け取った際、「温暖化対策を経済発展や豊かな暮らしにつなげていく考え方は大変重要だ。COP26に出席し、議論に貢献していきたい」と意欲を示した。(出所:JIJI.COM)

 重要視しているのであれば、COPとバッティングするような選挙日程を組まないだろう。コメントを読むと、エネルギー問題を含め、その対応に不安を感じてしまう。