Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

COP26に半日の強行日程で参加する首相と「人間と地球にとっての転換点」と警告する国連事務総長

 

 衆院選期間中に、もう少し気候変動対策で熱い議論があるのかとも思いきや、そうなることもなかく、選挙は終わった。残念なことと感じる。過去9年間の与野党間の恨みつらみはこの選挙で終わりにして(見過ごすことが出来ない個片の問題は問題ではあるが)、もう少し地球のことを考えてもらってもいいのではなかろうか。

「COP26」国連気候変動枠組条約第26回締約国会議が開幕した。

「気候変動の会議といわれても、そこまで惹かれないかもしれない」と、NEWSPICKSは指摘し、「昨今の脱炭素やSDGsの動きは、単に「地球を守ろう」という美しい環境運動が自然発生的に高まって生まれたようなきれいなものではない」という。

 脱炭素やESGに、SDGs、人それぞれで感じるものは異なるのだろう。

 

 

理想と現実 解消できない対立

 産業革命以降、二酸化炭素の濃度が指数関数的に増加し、世界の平均気温が1.1℃上昇した言われる。たかが1.1℃、されど1.1℃である。極地での温度上昇は顕著と言われ、氷河が解け出し、後退、縮小していている。

 科学者たちは、この温度上昇は人為的なものである推測、警告し、2015年のパリ協定では温度上昇を2℃以内に、できれば1.5℃以内に収めるべきとされた。

 そうあるべきと、世界の多くの国が認めているのかもしれないが、そこに到達するためのアプローチでは利害が対立し、世界が協調して行動することができていない。

 バイデン米大統領がローマの記者会見で、「中国とロシアの気候変動対策が不十分で、失望した」と述べたという。

 一方で、足下では原油やガス価格の上昇に対処するためサウジアラビアとロシアに増産を促したそうだ。

 理想と現実には、常にギャップが存在する。理想に依り過ぎれば、現実の問題は解決されなない。矛盾はするが、現実の問題にも対処しなければならない。

 

 

海面上昇、水没危機のモルディブ

「猛暑や大洪水などの異常気象は、もはや新しい平常になっている」と、WMO 世界気象機関が警告しているそうだ。

異常気象が「新しい平常」に=世界気象機関 - BBCニュース

 BBCによれば、WMOが世界各地で今年見られた異常気象の一部を指摘し、地球規模の海面上昇への懸念も高まっていると報告しているという。

このままのペースで行けば、2100年には上昇幅が2メートルを超え、世界中で約6億3000万人が移住せざるを得ない可能性がある。その影響は想像が及ばないものだ

海面上昇は1990年代に初めて、人工衛星を利用した正確なシステムによって観測された。1993~2002年には年2.1ミリのレベルで上昇した。

ところが2013~2021年には上昇レベルが年4.4ミリに倍増した。氷河や氷床がどんどん解けているのが主な原因となった。 (出所:BBC

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モルディブは滅び、人が住めなくなるかもしれない」。

 インド洋の島国 モルディブは1200の島からなり、その島の8割が海抜1メートル以下でだという。WMOの報告書に従えば、モルディブは間違いなく水没するのだろう。

島の97%では、すでに海面が上昇した影響で海岸の浸食が始まっていて、観光客にも人気の島では砂浜が浸食されてヤシの木などの根がむき出しになり、あちこちで木が倒れていました。 (出所:NHK

 あの美しい砂浜が、癒しを与えてくれた水上コテージも水没してしまうのだろうか。

「COP26で世界の平均気温の上昇を1.5度に抑えることで合意できれば、モルディブを救うことができる」と、モルディブのシャウナ環境・気候変動・技術相がそう述べたそうだ。

 

 

人間と地球にとっての転換点

 BBCによれば、国連のグテーレス事務総長が、「海底から山頂に至るまで、氷河の溶解から過酷な異常気象まで、地球上の各地のエコシステムやコミュニティーが大打撃を受けている」と、地球が私たちの目の前で変化していると述べているという。

COP26は人間と地球にとって、転換点にならなくてはならない

 岸田首相が今日2日、COP26の首脳級会合に出席するため、英国グラスゴーに向け出発するそうだ。

 JIJI.COMによれば、COP26を前に首相は、EV 電気自動車の充電ステーション整備などクリーンエネルギー投資を今月中旬までに決定する新たな経済対策の柱の一つにする方針を示したそうだ。石炭火力に依存する日本への批判をかわす狙いがあるとみられるとJIJI.COMは指摘する。どこまで切迫感をおもちなのだろうか。

衆院選投開票直後で現地滞在も半日程度の強行日程となるが、欠席すれば「日本の存在感が薄れる」との懸念から出席を決めた。 (出所:JIJI.COM)

 危機感を感じているのだろうか。現地で国際社会の現実を見てきてもらいたい。

 

「参考文書」

気候変動対策「中ロに失望」 バイデン氏: 日本経済新聞