Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

脱炭素に向けて「決定的な10年」、2030年どこまで排出量を減らせるのだろうか

 

 COP26がどんな意味を持ち、この先、どんな影響を及ぼしていくのかが気にかかる。中ロの首脳が会合に参加せず、世界の分断などの声をもあるのだろうか。また、石炭火力発電についても、世界各国の取り組み姿勢があらわになった。

 一方、「1.5度目標への自主的な賛同を増やし、その実現に向けた対策上の裏打に関する国際合意を数多く紡ぎ出したこと」が評価できると、オルタナはいう。 

COP26の成功とついに始まる脱炭素経済の政策競争 – オルタナ

 パリ協定では、肝心な目標が各国の自主性に委ねられることになった故、その対策に関する国際合意を強めようとの流れが自然に強くなっていると指摘、対策の自主的コミットメントを束ねる試みは良い方向ではないという。

日本もデファクトを狙ってどしどしと国際ルールの底上げをして競争力を確保すべきだろう。(出所:オルタナ

 

 

脱炭素、決定的な10年に何ができるか

 1.5度目標を目指すなら、2030年での温室効果ガス排出の半減が次のマイルストーンになる。これから始まる10年余りの時間は「決定的な10年」と言われ、温暖化対策をスピード感をあげて実施していかなければならない。そのためには産業界における脱炭素も同様に加速度的に進めることが求められる。

 ただ、理想と現実は異なるのだろう。自動車の電動化シフトに苦悩するマツダ日経ビジネスが伝える。

マツダは電動化時代にどうやって生き残るのか?:日経ビジネス電子版

 それによれば、マツダトヨタ同様「マルチソリューション」を標榜する。

 脱炭素という重要な問題を解決するのに、たった一つの方法、「内燃機関を禁止してBEVだけにする」というような単一アプローチだけでは困難さがあり、地球環境が守れないという。

f:id:dsupplying:20211125110303j:plain

 EVシフト、バッテリーなど必要な部材を揃えなければ、絵に描いた餅で、その移行が進むことはない。

 今あるバッテリーの供給能力は、既存のEVを含めた製品の生産に紐づけられている。余剰の供給能力がどの程度あるのだろうか。EV化を進める自動車メーカはバッテリーの自社生産が不可避になりつつあるのかもしれない。

 

 

 バッテリーといっても、リン酸鉄リチウムイオンに、ニッケル水素や全固体電池など多様だ。EVの弱点の航続距離や充電時間の問題を解決するには、バッテリーが重要な要素だ。まだ開発途上のものもあって、この先、どれが主役、デファクトになるかわからない。

 この重要な10年で、EVシフトに必要な十分な量のバッテリーとその供給網を構築することはできるのだろうか。

仮に決め打ちで、生産設備が何とかなったとしても、原材料の調達先は波乱含みです。色々な地政学上の綱引きがありますし、正直言ってどうなるかが分かるとは言えないです。

研究をして開発をする。生産設備をつくる。原材料を押さえる。そういうロングスパンのビジネスに、小回りの利く投機の人たちが入ってきたら、どうにもならないのです。(出所:日経ビジネス

ポジショントーク

「世界全体で取り組まなければいけない問題に対して、世界の国々は、豊かさも、エネルギーの事情も、インフラの普及段階もそれぞれに異なっていて、そういう多種多様国々で暮らす多種多様な人たち誰もが「2050年カーボンニュートラル」を目指して、ベストを尽くしていかなければ解決できない」とマツダはいう。

「そのためには、脱炭素のための方法は、それぞれの国や地域の事情に即したものであるはずです」。

だから、“適材適所”的な、時代の変化によっても変わっていくでしょうけれど、その地域でベストなソリューションをたくさん用意しなくてはならない。(出所:日経ビジネス

 欧米が進めようとするEVシフトはデファクト狙いなのだろうか。COP26で語られたEVシフトもまだポジショントークの域を脱していないのかもしれない。

 2030年、はたしてどんな自動車が街中を走ることになっているのだろうか。そろそろ現実的に考えなければならないときではなかろうか。