Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

求められるパートナーシップ、共創、失敗事例とうまくいく事例

共創の時代、様々な企業が様々な形式で共創しているようだ。上手くいく事例、そうでない事例があって当然なことなのだろう。 自動運転車スタートアップの米クルーズのアマンCEOが解任となったという。

GMトップと自動運転車構想やIPO巡り対立-クルーズCEO解任劇 - Bloomberg

 ブルームバーグによれば、クルーズの過半数株式を保有するGMのバーラCEOとの意見対立があったという。バーラ氏とGM取締役会はクルーズの技術を高級車キャデラックやリテール販売の自動運転車、新たな電動トラック部門の配送車製造に生かすことなどを提唱していたという。一方、クルーズはその資産の利用を広げる前にタクシー事業開始に専念すべきだと考え、また、有能な人材勧誘に向け株式を確保できるよう、早めのクルーズ上場を望んでいたという。

双方にとってメリットがあるはずの協業が、結果的には十分うまくいっていたとは考えられないとブルームバーグは指摘する。  

 

SDGsはパートナーシップや共創を重視する。SDGsが理想とする社会を実現するためには、障壁が多く、その壁を乗り越えるには新たな技術開発や行動変容が求められ、その取り組みを進めるためには資金が必要だとも言われる。

NHKによれば、世界全体で年間5〜7兆ドル、開発途上国においては3.2〜4.5兆ドルが必要という。

「さまざまな協力体制を作ることが必要です。SDGsは幅広い課題を含んでおり、SDGsを合言葉に政府・企業・学術界・市民社会・若者といったステークホルダーが集まり、協力することで、今までにない新しい解決方法が生まれるでしょう」。(出所:NHK

日本国内でも数多くの共創が始まっているようだ。しかし、その一方で、トラブルも多く発生していると聞く。大企業によるスタートアップの特許搾取なでの例も後を絶たないようだ。パートナーシップの理想は理解できても、目先の利益確保に目がくらんでしまうのだろうか。一体、パートナーシップの目的は何にあったのだろうか。

 

 

スニーカーメーカ同士の共創、「オールバーズとアディダスの“共創”という真なるコラボレーションが、カーボンニュートラルを加速する」と、WIREDがいう。こうした成功事例はまだ少ないのだろうか。

「不可避となった気候変動は、もはや一企業の、一個人の取り組みでは解決策を導き出せない状況になっている。だが、“競争”関係を越え、地球のための解決策を生み出すことができるのだろうか。そうした課題にオールバーズは、競争関係にあるアディダスとの共創に取り組むことで、2021年5月に“低炭素なシューズ”のプロトタイプ「FUTURECRAFT.FOOTPRINT」を発表した。それは、地球が抱える課題解決のための一歩となるプロダクトといえよう」と指摘する。

限定100足のプロトタイプサンプルで始まったこの商品が、世界10,000足限定(アジアは日本のみ)で抽選販売されたという。

「この両社のコラボレーションは、単なる始まりにすぎない。単なるコンセプトモデルにとどまらないこうしたメジャーブランドの取り組みは、必ずやほかのブランドへと波及していくことだろう」と、WIREDは指摘する。今後、カラーバリエーションを増やし、2022年春夏まで継続的に展開する予定だそうだ。

自らの強み、弱みが正確に把握できていれば、共創は上手くいくのかもしれない。弱みが補い合い、お互いの強みを活かすことがいいのだろう。

なぜ、GMとクルーズは意見対立してしまったのだろうか。それぞれの利益主張が強過ぎたのだろうか。自動運転を普及させることで、何か社会課題を解決することが目的ではなかったのだろうか。それがあるから共創することになったのではなかろうか。

時間が経過し、実現が近づくと、心変わりしてしまうのだろうか。それでは価値観の転換はなく、SDGsが目指す世界に近づくことはないのではなかろうか。