Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【SDGsブランディングにSDGsマーケティング】冠辞になったSDGsは何か進化したのだろうか

 

 SDGsに少々戸惑う今日この頃。SDGs投資と最初聞いたとき、何でもSDGsを英語の冠詞のように、冠辞にしなくてもいいのではないかと感じました。思った通りなのかもしれませんが、最近ではさらにSDGsマーケティングSDGsブランディングなどの言葉も登場しているようです。俗っぽくいえば、うざったいです。

 とはいえ、こうしことを入口にして、SDGsを知り、理解する人や企業が増えることはいいことなのかもしれません。こうしたことで、大局的にみて、世の中が悪い方向ではなく、より良い方向に向かえば、それもよしというところでしょうか。

 

 

 SDGsに最初に出会ったのは、公表されて間もないころのことでした。社会課題をまとめ、自分の携わる事業に紐づけ、そのビジネスの有用性を証明しようと躍起になっていたときでした。 はじめてSDGsアジェンダと17のゴールを目にしたとき、自分がまとめたかった答えがここにあると思うくらいでした。強く共感し、その必要性を感じました。しかし、当時はまだここまで認知が進むとは想像すら出来ませんでした。

SDGsブランディング

 最近のSDGsブランディングでは、「SDGsに取り組むことは企業をブランド化させ、企業イメージを向上させる効果がある」というそうです。

多くの人々が抱える社会課題に取り組み、経済的発展も成し遂げる「SDGsブランディング」は企業にとってチャンスともいえるでしょう。(出所:LIMO)

SDGsで売上が伸びた!ポジティブな取り組みが生んだビジネスの好事例とは? | LIMO | くらしとお金の経済メディア

 記事は、社会課題に取り組んだ企業が実際に、ブランディングに成功し業績を向上させているといい、2つの企業を紹介しています。

 埼玉県寄居町の「きぬのいえ」と、おむすび専門店「おむすび権米衛」を展開するイワイ。どちらもSDGsが世に出る前の操業した会社です。

 

 

「きぬのいえ」は、着られなくなった服を、「捨てるなら、染めよう」、「職人の手で、もう一度、命を吹き込む」といって、「SOMA Re:(ソマリ)」、染め直しというサービスで、捨てられてしまう衣服の問題に貢献しています。

SOMA Re:(ソマリ)| あなたの服を染め直し、次の年まで預かってくれる、美しいクローゼットサービス。

 また、「おむすび権米衛」は、日本の食料自給率の低さに危機感を感じたことが会社の始まりだそうです。「お米の消費拡大を通じて日本の農業に貢献する」といいます。おむすびの販売を通じて、米食文化の普及、お米の消費拡大、田んぼの維持・再生、持続可能な農業経営を実現させることは、おむすび権米衛の使命といいます。

 両社とも、SDGsが登場して、そこから何かを始めたわけではなく、元々社会貢献していた会社だったのではないでしょうか。

 こうした会社がSDGsブランディングの好例というのも、少し変な感じもします。それだけSDGsブランディングの歴史が浅く成功事例が少ないのかもしれません。

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 ただ、こうしたことは別の気づきを与えてくれています。

 俗っぽくいえば、SDGsがマーケットを定義してくれているのかもしれません。そして、顧客ニーズもはっきりさせてくれています。また、SDGs課題に効率的に取り組み、そのビジネスプランを明確に伝えることができれば、資金調達も容易なのかもしれません。何せ、金融機関はもとより、ベンチャーキャピタルなどみながSDGsに注目しているのですから。

 

 

 そもそもどの企業も意識しているしていないは別にして、実は何らかの形でSDGsに貢献しているものです。SDGsという道義、尺度を通して、自社の仕事を分析、再定義すれば、強み、弱みが把握でき、業績改善につなげことができるのかもしれません。

 既に社会貢献をしているのなら、それによって生じる利益は遠からず、必ず自分たちの利益として還元されてくるものです。それに気づけば業績に反映されることになるでしょうし、気づかずにいても、お金に替えることのできない何か別の便益につながっているのかもしれません。たとえば、地域貢献だったり、農業支援で先駆的な取組をする農家を支えているのかもしれません。もっとも大切なことはそうしたことに気づき、やりがいをもって仕事することではないでしょうか。