Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【バイオ技術】気候変動に立ち向うミドリムシ、たんぱく質不足にはゲノム編集魚

 

 「大寒」、1年で一番寒い時期といいます。この日を過ぎるとようやく春に近づいていくのだなと感じ、少しばかり晴れやかになります。

 一方、真夏の南半球では熱波が到来したようで、オーストラリアのパースの北に位置するオンズローという町で最高気温50.7℃を記録しましたといいます。

オーストラリアで気温50.7度。南半球の最高気温に並ぶ | ギズモード・ジャパン

 GIZMODOによると、この記録は、1960年に南オーストラリア州の奥地で観測された南半球の史上最高気温とタイになったといいます。オーストラリアで気温が50度超えとなったのは、これまで観測史上3度だけだそうです。

 まだ大寒を過ぎたばかりですが、今年の日本の夏が気になります。

 

 

気候変動対策に、期待のミドリムシ

 頑張っても今すぐに効果を感じられないのが気候変動対策です。そうはいえども、地道に実行していかなければなりません。

 ユーグレナバイオディーゼル燃料の実証実験がJR東海で始まるといいます。

バイオ燃料ついにJR東海の特急へ 新型HC85系で試験 ユーグレナと脱炭素! | 乗りものニュース

 乗りものニュースによれば、1月下旬からまずエンジン単体の試験を行い、2月上旬からは名古屋車両区内での走行試験、その後、2月中旬から下旬にかけて紀勢本線にて、在来線の新型特急車両「HC85系」試験走行車を使い、走行試験が行われる予定だといいます。

 まだまだ課題も多そうなミドリムシですが、本格利用が拡大し、少しでもCO2排出削減に貢献できればいいのでしょう。

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バイオ技術が気候変動対策の大きな柱

 国が2050年のカーボンニュートラル達成を目標にしたことで、脱炭素に注目が集まり、様々な産業でその取り組みが始まっています。国の「クリーンエネルギー戦略」がまとまれば、その動きがさらに加速していくことが期待できるのでしょうか。

 そんな中、首相がバイオ関連団体合同新春セミナーにビデオメッセージで登壇し、「バイオ技術は、世界的な課題である地球温暖化対策においても、大きな切り札となるものです」と述べたといいます。

新たに、大気中のCO2を原料とする微生物の活用が、世界的に注目を集めています。革新的なバイオ技術によって、CO2を単に減らすだけの時代から、資源として活用する時代へと、コペルニクス的な転換が世界で生まれようとしています。カーボンニュートラルに向けた気候変動対策として、バイオ技術は大きな柱の一つとなると考えております。(出所:首相官邸公式ページ

 バイオ技術は、気候変動対策ばかりでなく、医薬品への応用にも期待され、難病対策に新しい道を切り拓くといわれます。現実、新型コロナのメッセンジャーRMAワクチンは、最先端のバイオ技術によって、これまで10年近くかかっていた開発が、わずか1年足らずで実現してしまいました。

 この他にも、微生物を使ってバイオ技術によるものづくり、素材、食品、繊維、エネルギーなど、あらゆる分野に広がっていくことが予想されています。

 

 

ゲノム編集魚と回転寿司

 ゲノム編集技術もバイオ技術の中の一つにあげられ、ゲノム編集されたマダイとトラフグが先頃話題になりました。この先、世界の人口増加し、100億人に達したときに起きるだろうといわれる「たんぱく質クライシス」への救世主になり得るだろうとも言われます。

 その話題のゲノム編集魚について、日本消費者連盟などが、寿司チェーン及び海鮮居酒屋チェーン計18社にゲノム編集魚の取扱い等についての質問をしたといいます。

【回答】寿司チェーン等へのゲノム編集魚類の使用に関する質問状の回答(2022年1月19日) | 日本消費者連盟 | すこやかないのちを未来へ

日本消費者連盟によれば、9社から回答があり、その内、すしざんまい、魚民、平禄寿司の3社は「使用しない」と明確に回答し。また、回転寿しトリトンも「現時点で使用する予定はないが、方針は決めていない」と回答したそうです。

にぎりの徳兵衛、はま寿司、さくら水産かっぱ寿司からは、「回答しない」という回答がありました。期限までに回答のなかった企業に対しては、電話で改めて回答をお願いしましたが、くら寿司、すし銚子丸、魚べい、がってん寿司磯丸水産、庄や、丼丸、笹互からは何の回答もありませんでした。(出所:日本消費者連盟

 

 

 従来の品種改良は数十年かけ、優れた形の魚を掛け合わせていたが、ゲノム編集を使えば狙ったDNAにはさみを入れて切るので数年で成果が得られると、ゲノム編集魚を開発した「リージョナルフィッシュ」は説明しているそうだ。こうした魚は遺伝子組み換えと異なり、自然界でも起こり得ることから国への届け出で販売できるといいます。

 ゲノム編集魚が回転寿司に登場することはあるのでしょうか。そのときに、表示があるのか否か気になったりもします。同じ体内に入るものでも、RMAワクチンは許容できても、お魚はまだ抵抗があったりするのでしょうか。

 

「参考文書」

ゲノム編集ふぐ、食卓に 成長1.9倍、試験販売好評―大学発ベンチャー「安全性の理解第一」:時事ドットコム