「NFT 非代替性トークン」、興味を示しつつも、これからなのだろうと思っていましたが、瞬く間に広がったのでしょうか。
高級ブランドの「エルメス(HERMES)」が、「バーキン(Birkin)」に類似したバッグをデジタル上で100個製作、NFTマーケットで販売したメイソン・ロスチャイルドを、商標権侵害でニューヨーク州連邦裁判所に提訴したといいます。
デジタルの“バーキン”は模倣かNFTアートか 「エルメス」がクリエイターを提訴 - WWDJAPAN
WWD Japanによれば、正規品のバーキンは9000~50万ドル(約100万~5700万円)で取り引きされているそうで、一方、ロスチャイルドが12月に販売した“メタバーキンズ”の価格は10イーサリアムで、4万ドル(約450万円)以上に相当するといいます。
NFTアート、仮想現実の世界でももう覇権争いが始まっているようです。
アマゾン初のアパレル実店舗
他方、リアルな世界では、米Amazon .comが、ロサンゼルスの近郊にアパレルの実店舗「アマゾン・スタイル」を開くと発表したといいます。
Amazon、米で初のアパレル実店舗 22年後半に: 日本経済新聞
日本経済新聞によると、試着室のスクリーンで色違いを選びアプリで電子決済するなど最新のデジタル技術を導入するといいます。
オンラインで販売する衣料品や靴、アクセサリーなど数百のブランドを取り扱う。
顧客が試着したい商品のQRコードをスマホで読み取ると、試着室に商品が自動的に用意される。試着室では画面上でサイズや色違いも選択できる。QRコードの読み取り後に決済ボタンを押せば試着をせずに購入できる。(出所:日本経済新聞)
リアルな世界でもデジタル化がさらに進み、アパレル販売にも変化があったりするのでしょうか。
そのアマゾンの米国でのアパレル販売額は、小売り最大手のウォルマートを20年に抜いて、首位になったといいます。ファーストリテイリングがこれからの競合は「ZARA」でなく、アマゾンといった意味がよくわかります。
一方、ファーストリテイリングは「有明プロジェクト」で、ユニクロ版デジタル改革を進め、「顧客の声を中心とするあらゆる「情報」を把握し、各業務プロセスの最適化を図り、顧客満足の最大化を実現する」そうです。
「顧客満足の最大化」という本質的なところでは、アマゾンもファーストリテイリングも差がないのかもしれませんが、そのアプローチには差はありそうです。
製造小売業のファーストリテイリングは情報を取り入れ、ものづくりを進化させ、EC販売も拡大させていく。逆にアマゾンはECサイトから製造小売業に近づいていったりするのでしょうか。
ECサイトにおける基盤のひとつ物流業界でも新たな動きがあるようです。
クロネコヤマトのヤマトホールディングスが、強靭な物流ネットワークの構築に向け、首都圏から北海道、九州、沖縄地域への長距離輸送に貨物専用機を導入し、その運航を2024年4月から開始すると発表しました。
持続的な物流ネットワークの構築に向けて フレイターの運航を2024年4月から開始 | ヤマトホールディングス株式会社
ヤマトはこれまでにモーダルシフト(環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用)など地球環境に配慮した取り組みを推進しきたそうです。その一方で、気候変動の影響で全国各地で大雨や大雪などの災害が増加するようになり、これらによる物流網寸断リスクへの対応を強化していく必要に迫られていることが導入の理由のひとつといいます。
このコロナ禍にあって、「Zoom」がブームになったり、「巣ごもり消費」が注目されたりしましたが、こうした変化を受け入れながら、コロナ後に向けての準備が進んでいるように感じます。
「参考文書」