Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

環境にやさしいからこそ増える選択肢、低コスト化

 

 SDGs、脱炭素が定着しはじめ、環境にやさしい選択肢が増えている。

 これまでは自社の取り組みをコンセプチュアルな商品で紹介することが多かったが、その段階を通り過ぎ、より身近な商品として利用できるようになってきたのだろうか。

 環境にやさしくないと言われたアパレル産業も今では競って「サスティナビリティ」を謳い、関連商品を世に出すようになっている。

持続可能なアパレル・繊維産業へ、メーカーたちのあの手・この手|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

 この業界における「サスティナビリティ」実現のキーワードは、原料調達、紡績に始まり、染色、裁断、縫製などからなる長い供給網、サプライチェーンにおける「連携」とニュースイッチはいう。

 

 

クラボウ アップサイクルシステム「L∞PLUS」

 ニュースイッチによれば、クラボウは、裁断くず(端材)を新しい繊維に戻す取り組みアップサイクルシステム「L∞PLUS(ループラス)」を通して、繊維産地やアパレル企業を巻き込んだリサイクルを推進しているという。

 2021年から愛媛県の「今治タオル」の端材をループラスで繊維にし、奈良県で「奈良靴下」を生産する産地間の連携をスタートさせたそうだ。

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(資料:クラボウ

染色時の水使用3割減に挑む旭化成

 旭化成は、キュプラ繊維「ベンベルグ」の染色時の水の使用量を2 ~ 3割減らせる技術を2 ~ 3年以内に実用化し、協力先の染色加工メーカーでの利用を目指すそうだ。

サステナビリティ|ベンベルグ|旭化成株式会社 繊維事業

 キュプラ繊維「ベンベルグ」は綿実油の副産物を原料とするほか、生分解性の特徴を持ち、製造時には水力発電で発電した電気を使い、環境に配慮した繊維。その染色工程の水資源の節約し、さらに環境価値に磨きをかけるそうだ。

染色時の水の大量消費は繊維製品の環境課題の一つ。「ベンベルグ」は同社が世界で唯一生産するニッチな繊維だが、開発する染色技術は同じセルロース系繊維のコットンなどへの横展開を想定しており、アパレル産業全体への波及効果が期待できる。(出所:ニュースイッチ)

 

 

 アパレル産業ばかりでなく、建築産業にも変化の波が押し寄せてきているようだ。

相次ぐ木造ビル建築、低コスト化する住宅

 脱炭素社会の実現に向け、木の価値が見直されているのだろうか。ここ最近では、木造ビルの建設が相次いでいるようだ。

都市の木質化へ!「アキュラホーム」が神奈川・川崎で木造5階建てモデルハウスを建築 | TABI LABO

 TABI LABOによれば、アキュラホームが、5階建ての木造軸組工法によるモデルハウスを神奈川県川崎市に建築するという。

 コストを抑えた技術と工法で、今夏までに竣工するそうだ。これまで、3階建て以上となる建物のほとんどが非木造の構造によって建築されてきた。環境に優しい木造ビルがこれから増えていくことになるのだろうか。

 鹿児島県霧島市では、総合木材会社の「MEC Industry(メックインダストリー)」が2022年4月から、鹿児島、熊本、宮崎の3県で木造戸建て住宅事業を始める。木材調達から、生産・販売までを一気通貫で行い、住宅をより安く、より早く提供することを目指すそうだ。

三菱地所系木材会社が1000万円の平屋住宅、サプライチェーン改革で価格破壊 | 日経クロステック(xTECH)

 日経XTECHによれば、規格型の平屋住宅の本体価格が1000万円程度になるという。

 こうした動きは、SDGsや脱炭素の恩恵といっていいのだろうか。選択肢が増え、その中には低コスト化まで含まれる。それまでの環境に対する誤解がこうしたことで解消されていけばいいのかもしれない。