Up Cycle Circular’s diary

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 初の電力需給逼迫警報発令、高まる大規模停電の可能性、感じる日本の劣化

 

 初の電力需給逼迫警報が東京電力東北電力管内に発令されている。現実に、電力需給は逼迫、東電管内では午前10時台に、供給力に対する電気使用量の割合である電力使用率が100%を超えたという。

東電管内の電力使用率100%突破、綱渡りの状況続く…東北電管内7県にも「警報」発令 : 経済 : ニュース : 読売新聞オンライン

 読売新聞によると、東電は、揚水発電による供給余力があるものの、「節電効果が十分でなく、このまま推移すると夕方以降、一部で停電が発生する恐れがある」と説明しているという。午後4時台に需給が最も逼迫する見通しという。

 

 

電力需給逼迫

 さらに状況の逼迫は続いているようで、萩生田経済産業相が緊急記者会見を開き、このままの状況が続けば停電が起きる可能性があるとして企業や家庭に対して午後3時から午後8時までもう一段の節電を強く要請したという。

萩生田経産相 午後3時から午後8時 もう一段の節電を強く要請 | NHK

 東京電力管内で目標としている節電量に達していないことが理由という。

 先の地震の影響があって火力発電所の故障などがあっての緊急事態。大震災から11年も経過するが、それを教訓とし対応準備ができていないのであれば、お粗末なことではなかろうか。東京電力、国は今まで一体何をしていたのだろうか。

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エネルギーの安全保障

 ロシアによる戦争で、エネルギーの安全保障が気が掛かりになる。エネルギー価格は高騰を続けるばかりである。電気、ガスもどれもこれも値上が続いては、個人でできる省エネにも限界があると感じてしまう。

 政府はガソリンなどに補助金を出して価格抑制に努めるが原資は税金ではなかろうか。根本対策はなかったのだろうか。

進む円安

 一方で円安は進み、輸入に頼るエネルギーの価格高騰に拍車をかけているようなものだ。日銀も円安を容認し、金融緩和を続けるという。他方、米国は金利の引き上げを早めるような発言も出て、金利差拡大を理由に、さらに円安が進み、ついに節目の120円を一時超えたという。

ドル・円が約6年ぶり120円台へ上昇、米利上げ加速観測で節目突破 - Bloomberg

 資源高の影響で、日本の経常収支は2カ月連続の赤字となり、その幅も1兆1887億円と過去2番目の大きさだったという。また、22年は通年でも1980年以来の赤字になる可能性があるそうだ。

「経常赤字が定着して、円安が円安を呼ぶ悪循環になりかねない」と日本経済新聞は指摘する。

日銀の黒田東彦総裁は18日の金融政策決定会合後の記者会見で、足元でエネルギーや食料品の輸入価格が上昇している一方で「金融を引き締める必要もないし、適切でもない」と述べ、金融緩和を継続する姿勢を強調していた。(出所:日本経済新聞

 

 

黒田日銀10年目のジレンマ 悪い円安、流出する国富: 日本経済新聞

「コストプッシュ型」のインフレには日銀に代わって、岸田文雄政権がガソリン高を抑える補助金で財政を出動した。異次元緩和は国の金利負担を下げて財政余地を広げたが、政府債務が積み上がれば日銀は緩和を解除できなくなる。(出所:日本経済新聞

 日銀黒田体制が10年目を迎えた。

 円安と資源高が進んでも追加緩和にも引き締めにも動けないジレンマに直面していると日本経済新聞は指摘する。

積みあがる課題、解決されない日々

 これを脱するには、学び直しによる生産性の向上など賃上げ余力を増すための改革が待ったなしといい、利払い負担に耐えられるように財政支出の効率化も要るという。

 課題山積。大震災以降、進めなければならなかった改革が何一つ実行されてこなかったつけなのだろうか。政治、行政の劣化が甚だしい。まるで日本までもが劣化してしまったようだ。そして、そのつけは常に国民が負うことになる。

 まずは今日、停電が起きないことを祈るばかりである。

 

「参考文書」

円、対ドルで一時120円台に下落 6年ぶり: 日本経済新聞