米テスラのEV電気自動車の価格が高騰を続けているという。日本経済新聞によれば、小型EV「モデル3」の最廉価グレードの価格が21年以降、小刻みに引き上げていることが分かったという。
テスラ襲う資源高 「モデル3」値上げ幅、1年で120万円: 日本経済新聞
21年3月上旬に3万6990ドルだったモデル3の最廉価グレードの価格は足元では4万6990ドルに上昇し、値上げ幅は1年で累計1万ドルに達した。(出所:日本経済新聞)
物価が高騰し始めた昨年21年から徐々に値上げを始め、ロシアによる戦争による資源高騰の影響もあるという。
EVにとって、必需品であるアルミやニッケルの値上がりは激しく、足元の価格上昇だけでEVの製造コストが1台当たり1000ドル(約12万円)増加するとの試算もあるそうだ。
米テスラは20年9月に、2万5000ドルの廉価小型EVを追加する方針を表明していたが、今ではこの開発も中止になってしまったという。約40年ぶりとなる米国でのインフレが、テスラの成長シナリオにも影を落としていると日本経済新聞は指摘する。
変わるモノの流れ、厳密なトレーサビリティ
経済産業省が、LNG液化天然ガスや半導体製造用の希ガスなど、7品目を供給対策が必要な物資に特定したという。これら物質がウクライナやロシアへの依存度が高いことが理由のようだ。
石油・LNG・希少ガス…経産省が安定供給へ緊急対策、国内製造やリサイクル推進 : 経済 : ニュース : 読売新聞オンライン
読売新聞によれば、他の産出国からの調達拡大を目指すほか、企業には国内生産や再利用・リサイクルを呼びかけているという。
希ガスやパラジウムは供給元の多様化を手助けし、民間企業に対して再利用を含めた国内での製造を要請する。補助金の投入も検討する。(出所:読売新聞)
「他国も今回の混乱の影響でサプライチェーン供給網の 強靱化に取り組んでいる。パイの奪い合いに陥らないよう、国内外の増産態勢を整備してほしい」と、萩生田経済産業相が述べたそうだ。
ウクライナ危機で明らかに「モノの流れ」に変化が起きているのだろう。
これからはロシア産の物品は西側諸国で排除されていくことになるのだろうか。トレーサビリティを厳密にしていくことも求められていきそうだ。
カーボンリサイクル
JFEエンジニアリングと三菱ガス化学が、東京都三鷹市と調布市が整備した清掃工場の排ガスから回収したCO₂をメタノール転換することに、国内で初めて成功したという。
日本初!ごみからメタノールの製造に成功~国内清掃工場から排出されるCO₂を化学製品原料に転換~ | ニュースリリース | JFEエンジニアリング 株式会社
メタノールはプラスチックスなど化学品の原料となり、また燃料としても活用することができる。
ウクライナ危機でエネルギー価格の高騰は続きそうだ。こうしたカーボンリサイクルの技術を可及的速やかに実用化していき、化石燃料依存を低減していくべきなのだろう。
戦争の影響を回避するために、様々なリサイクル技術の早期の実用化が求められる。