Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

ロシアの禍か、インフレ高進、迫る食糧危機、悪化しはじめる治安

 

 スリランカやペルーで、インフレの高進により抗議活動が激化、一部が暴徒化する事態になっている。スリランカでは長期停電も発生する事態になっていたという。

 ウクライナ危機の影響もあるのだろうか。

コラム:スリランカ危機が世界に警鐘、インフレの政治的リスク | ロイター

 日本においても、食料品やエネルギーの価格が高騰し、ウクライナ危機の影響と言われる。これに加え、日銀の施策の影響で円安が定着し、場合によってはさらなる円安も想定され、輸入品の価格がさらに高騰するといわれる。

 こんなご時世になってくると、他国で起きる抗議活動も、対岸の火事とは思えない。

 

 

 戦時下だから仕方はないのだろうが、ウクライナ政府が、ロシアによる黒海の港の封鎖で、3月の主な穀物の輸出量が前月の4分の1に急減したと発表したという。

ウクライナ穀物輸出4分の1に 黒海封鎖、足止め100隻: 日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、黒海で外国船籍100隻以上が足止めされているという。

 ウクライナ穀物を輸入している国々に影響を及ぼし、最大の輸入国のエジプトでは、主食のパンの値上がりで政府が価格統制に乗り出したという。

f:id:dsupplying:20220314144608j:plain

ウクライナの穀物輸出、一段と難しく-戦争が世界の取引に変化迫る - Bloomberg

 ブルームバーグによれば、食糧不足を懸念する各国は代替となる供給国の開拓を急ぎ、新たな取引も生まれつつあるという。

膨大な小麦収穫量を国内に維持してきたインドは方針を転換し、輸出市場に参入してアジア諸国に記録的な量を販売する。ブラジルの小麦輸出は1-3月で、すでに昨年全体を大きく上回った。米国は約4年ぶりにトウモロコシをスペインに輸出する。エジプトはルーマニアから穀物を輸入する代わり肥料を供給する取引を検討し、アルゼンチンとも小麦の輸入を交渉している。(出所:ブルームバーグ

 しかし、国連は過去最高値になった食料品価格が今後さらに22%上昇する恐れがあると予想しているという。

 日本でも2022年4月の小麦売り渡し価格が17%程度値上がりし、このままの状態で推移し、円安が続けば、今年10月の価格改定時にはさらに価格上昇となる可能性があるという。

 

 

 一方、プーチン大統領が、「貧困国で食料不足が悪化すれば、新たな移民の波が発生し、食料価格は一段と上昇する」と述べたという。エネルギー価格の上昇と肥料不足が重なれば、西側諸国が物資を買い占め、貧困国で食料不足が発生すると警告したそうだ。

ロシア、敵対国への食料輸出監視 制裁で世界危機=プーチン大統領 | ロイター

「世界的な肥料不足は回避できない」とし、「ロシアは食料輸出に細心の注意を払う必要がある。特に敵対国への輸出を注意深く監視しなければならない」と述べたという。

 自身で無謀な行為に及んで敵を作っているにも関わらず、何と身勝手な言い分ではなかろうか。戦争反対、プーチンの戦争を止めなければならない。

 しかし、そうはいってもこの禍により、この先の食糧不足と価格高騰の懸念は払拭できないかもしれない。

 

 

 岸田政権が誕生して半年が経過した。この間、株価は低迷するようになり、TOPIXの騰落率はマイナス1.03%で、MSCI世界株価指数のプラス2.14%を下回っているという。

岸田政権の日本株:世界下回る収益、目立つ市場と距離-就任半年 - Bloomberg

首相が訴える新しい資本主義やデジタル田園都市国家構想も「いまひとつマーケットへの訴求力は乏しい」。(出所:ブルームバーグ

 株価がすべてではないが、国の実力を示すひとつの指標なのだろう。

 いつになったら、日本の国力が回復することになるのだろうか。このままであれば、ロシアの悪行に飲む込まれてはしないだろうか。国、企業ともども、ロシアの禍を凌駕する善行を行わなければならない。

 歴史を振り返れば、世界が窮地に陥いると、必ず優れたリーダーが登場し、悪行と対決し善へと導いてきた。今この時、その役割を誰が担うのだろうか。