四国電力が、太陽光など再生可能エネルギーの受け入れを一時的に止める「出力制御」をしたという。出力制御は四国電力にとって初めてのことで、九州電力に続いて全国2例目となったそうだ。
好天で太陽光発電量が増える一方、企業の休みとなる週末のため電力需要は伸びないと予想されることによるという。需給バランスの崩れによる大規模停電を防ぐために実施したという。
四国電力、9日に太陽光発電「出力制御」 発電事業者に送電停止要求 | 毎日新聞
毎日新聞によれば、10日も続けて実施する可能性があるそうだ。再稼働している伊方原発3号機に加えて太陽光による発電も増えれば、需給バランスが崩れてしまうため、太陽光発電などによる出力264万キロワットのうち15万~41万キロワットを制御するそうだ。東北電力も10日に「出力制御」を実施する見通しという。
もったいない限りである。様々な蓄電機能の整備が急務なのだろう。
脱ロシアで脱化石燃料は加速するか
ロシアへの経済制裁が強化されるが、なかなか効果をみせずに、戦争の収束につながらない。西側諸国は制裁強化に乗り出し、ロシア産石炭を禁輸にする。
一方、一部東欧圏の国は制裁の甘さを指摘し、天然ガスや石油も対象にすべきと主張する。ただいずれにせよ、エネルギーのロシア依存から段階的に脱却していくことにはなるのだろう。
そんな中、ドイツのショルツ首相がロシア産石油の輸入を年内に停止することは可能と、ジョンソン首相と共に臨んだ記者会見で述べたという。
CNN.co.jp : 年内のロシア産石油の輸入打ち切りは可能、ドイツ首相
「年内の調達停止は実現出来ると考えている」とした上で、ロシア産の天然ガス輸入については「依存をなくすのにより長期の時間が必要になるだろう」との考えを示した。(出所:CNN)
イギリスも同様に脱ロシアを進めるため、再生可能エネルギーを推進するほか、水素、原子力などを拡充させ、30年までに電源構成の95%を低炭素エネルギーにするとしているという。
「プーチンの脅しに影響されないため」イギリスは原発8基新設へ エネルギー自給目指し欧州で原発新設や延長の動き :東京新聞 TOKYO Web
東京新聞によれば、この他にもロシア産の原油や天然ガス、石炭に頼ってきたポーランドは、「ロシアはエネルギーを戦争の道具に変えた」とし、年内に全てのロシア産エネルギーの輸入を停止すると宣言したという。
他国からの輸入に切り替えるほか、40年までのエネルギー戦略を更新し、原発と再生エネルギーの導入を加速する。(出所:東京新聞)
バルト三国のリトアニアは、ロシアの天然ガス輸入を今後、一切拒むEUの初の加盟国になったと宣言し、首相は今後は不快感を伴うガスの使用は一切ないと言い切ったという。CNNによれば、エストニアも、今年年内にロシア産ガスに頼ることを解消するとの意向を表明し、ウクライナのブチャで起きた残虐行為がエストニアの世論を変えたとし、ロシアに金銭的な利益をもたらすことをやめる決定を早急に下したとしたという。
制裁の効果をあげるためにも
一方、侵攻当初、急落したロシアの通貨ルーブルが値を戻し、侵攻前の水準を回復しているという。制裁当初、エネルギー関連が対象から外れたことで、貿易収支が悪化することなく、それがルーブルを支えている面があるとする指摘もある。
NRIは、ロシアに打撃を与え、再びルーブル安に追い込むためには、エネルギーの輸入禁止、制限を一段と強化していくことが必要と指摘する。エネルギー関連の例外措置を無くしていくことで、ロシア制裁はより有効性を高めることになるだろうという。
しかし、こうした追加措置は制裁を加える側にも短期的には大きな打撃となるが、それが実行しなければ、折角の制裁の効果を弱めかねない。決断の時なのだろうか。
岸田政権はどんな選択をすることになるのだろうか。脱ロシアに、脱炭素、脱原発の声、気候変動の適応と緩和策、環境保全、成長戦略など検討すべき項目は多々あるのだろうが、他の西側諸国に遅れることなく方針を示し、国民みなに理解を求めなければならないのだろう。値上げラッシュを止めること、そして、何より平和が求められ、安心安全の確立が求められているのだから。