Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

積みあがる難問、企業活動で社会課題は解決できないのだろうか

 

 大小様々の社会課題、難問が積みあがっていくばかりのようだ。眼前で起こる事象ばかりを見てしまえば、意気消沈しそうになる。欲深い社会になったがためのことであろうか。

 今ある諸課題も人々の生活に密着している企業活動なくして解決はないのだろう。

 「メタバース伊藤忠商事東京本社」が2月28日にオープンしたという。この4月入社の内定者による案を基に作られたと日経ビジネスが紹介している。

伊藤忠、知られざる「デジタル群戦略」 ライバルはアクセンチュア:日経ビジネス電子版

学生は自分の分身である「アバター」を動かし、現役社員や内定者を紹介する執務フロア、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを動画で流すスタジオなどを行き来できる。(出所:日経ビジネス

メタバース本社は、「社員と話せないので社風が分かりづらい」といった学生の悩みを解消する狙いがあったそうだ。

 課題がひとつ解決に向かい、就活生にとっては便利さが向上したのだろうか。

 

 

 商社は、口銭ビジネスとも言われる。口銭とは、口利き(くちきき)料ともいわれ、売買の仲介をして得る手数料のこと。

 商社は膨大な情報ネットワークを有して、インターネットがない時代には、その情報の多さが強みでもあった。そして、そのビジネスは、資源から食糧、衣料品など身近なものまで様々に領域にまたがる。そして、今ではデジタルの領域も侵蝕しているという。

 ソフトバンクグループが「群戦略」を掲げ、「情報革命」を起こそうと、世界中の有力企業に出資し、シナジーを生もうとしているが、それに対し、伊藤忠商事は、DXデジタルトランスフォーメーションを望む顧客のために、これまでに培ってきたネットワーク、商流サプライチェーンの強みを活用するという。

 DX デジタルトランスフォーメーション、業務をデジタルの力で変革し、生産性を向上し、新たな成長の糧としていくということであろうか。そういわれても、雲をつかむような話でピンとこないのかもしれない。

 食の商品企画や開発におけるDX支援サービス『FOODATA』を、伊藤忠商事は昨年7月に始めた。

食の商品企画・開発領域におけるDX支援サービス『FOODATA』の提供開始について|プレスリリース|伊藤忠商事株式会社

これまで「経験と勘」に頼っていた商品企画をデータで裏付けるという。それによって、意思決定の精度とスピードを高めることができるそうだ。

 

 

 伊藤園が「TULLY’S COFFEE 抹茶がおいしい抹茶ラテ」を3月28日から発売を始めた。この新商品開発に実際に伊藤忠商事のサービスが活用されたという。

 ここ最近、「抹茶ラテ」飲料が急速に拡大する一方で「抹茶の濃厚感が足りない」「抹茶の味をもっと感じたい」というお客様の声があったという。このため、この声に応えるため、『FOODATA』が活用され、商品プロセスが改善され、DX化が進んだという。 

『FOODATA』は、商品企画・開発プロセスの主要な取組課題であった、①「勘と経験」の裏付け、②データ分析作業の短縮、③データ取得コストの削減を実現し、効率的にアイディアを検証できる環境を提供することで、食品企業の商品企画・開発力の向上をサポートします。(出所:伊藤忠商事

 こうしたDX化の取り組みが、食ばかりでなく、エネルギー開発や様々な産業の原材料調達などにも応用されていけば、色々な業界でのDX化の一助になり、生産性が向上し、競争力が増していくのだろう。そうなればグローバル市場に参入してもいいのかもしれない。そこで外貨が獲得できれば、多少なりとも円安の歯止めには貢献できるのだろう。どこまでチャレンジするかで、解決できる社会課題も異なってくる。