Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

無印良品が進める「地域への土着化」で消費は変わるのか

 

 ソニーの営業利益が1兆円を超えたという。円安効果もあったという。主力の家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の販売台数は、半導体不足や物流網の混乱で、計画台数を達成できなかったという。それでも利益が大幅に伸びたという。映画や音楽事業は好調だったという。

 グローバル企業で輸出を主にしていれば、日銀が言う通り、円安はメリットがあるということなのだろう。ただ、それでいいのだろうか。ソニー個社をせめるものではないが、その利益が国内に還元されなければ、富の偏在が生じるのではなかろうか。

 

 

地域への土着化

 グローバルに店舗展開する無印良品は、「地域への土着化」を経営戦略に掲げ、地域密着型の事業モデルを作り上げ、全国津々浦々、収益性を担保しながら出店加速するという。。日本国内はもちろんのこと、中国などアジアを中心に同様にして土着化を進めていくそうだ。

(写真:無印良品

 千葉県鴨川市の「里のMUJI みんなみの里」では、地域物流をつくって地産地消を広める「やさいバス」の運行をはじめたという。

お店の活動を紹介します | 無印良品

 地域住民と生産者とのつながりや交流を生みだし、地域のくらしの「役に立つ」お店となることを目指しているという。

「地域への土着化」とは、地域で暮らす人々が、地に足のついた、生き生きとした、良質な生活を送ることができるよう、地域に巻き込まれ、地域課題の解決や町づくりに貢献していることをいう。

 足元の国際情勢、そして、その影響を鑑みれば、ひとつの選択肢なのかもしれない。

 

 

新しい企業理念

 新たな中期経営計画を進める良品計画は、「第二創業にあたり、100年後のより良い未来の実現に向け、企業理念を再定義した」という。

「人と自然とモノの望ましい関係と心豊かな人間社会」を考えた商品、サービス、店舗、活動を通じて「感じ良い暮らしと社会」の実現に貢献することを企業理念と定めている。

中期経営計画 | IR情報 | 株式会社良品計画

これらの企業理念の下、当社グループは事業展開を通じて資源循環型・自然共生型の社会、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

「社会や人の役に立つ」という根本方針のもと、社員および事業関係者一人一人が、社会全体や地球でいま起きている課題に敏感の呼応し、提供するすべての商品、サービス、活動の全ライフサイクルにわたり、地球環境負荷低減や個人の尊重に努めてまいります。(出所:良品計画

 そのために、経営方針に「公益人本主義経営」を掲げ、オーナーシップをもった社員を事業活動の主役に据えるという。

 「里のMUJI みんなみの里」は、その現れなのだろうか。

 そして、良品計画企業価値向上は、高い収益構造をつくり、正しく納税し、適正な株主還元を行うという。

 極めて当たり前のこと、シンプルに明文化したということなのだろうか。それによって、社員もまた使命を意識し、目的、目標を忘れずに活動できるのかもしれない。

 

 

サステナビリティ

 日本企業の「サステナビリティ」は形式的と、Forbes は疑問を投げかける。

日本企業のサステナビリティが「形式的」な理由 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 サステナビリティを自分事にできか否かも、まずは社会情勢を正しく認識して、疑問に感じることから課題を洗い出し、データを収集、分析して、目的を確認し、目標をつくり、計画に落とし込み、それを実行できるかどうかということではなかろうか。

 受動的で形式的に仕事を進めることもできるし、能動的に仕事することもできる。どうちらに、楽しみが生まれるのかと言えば、きっと後者ではなかろうか。しかし、現実にはなかなかそうした恵まれた環境にめぐり合うことはないのかもしれない。そんな恵まれた環境は極めて稀なのだろう。その厳しい環境の中から優良な企業は生まれてくるのだろう。

 

「参考文書」

中期経営計画 22年8月期~24年8月期(良品計画)

無印良品に新デザイン室長が就任 求められる2つの役割とは?:日経クロストレンド

良品計画が推進する「地域への土着化」──ローカルとグローバルでの経済成長が矛盾しない理由 | Biz/Zine(ビズジン)

ソニー営業益、初の1兆円超え 映画・音楽好調、売上高も最高:時事ドットコム