Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

デジタル時代を生き抜く知恵、自分の内面に向き合うジャーナリングを取り入れる

 

ジャーナリング」、あまり聞き慣れない言葉ですが、頭の中に浮かんだことなどを紙に書くことをいうそうです。「書く瞑想」とも呼ばれ、 ただ頭で思うだけではなく、実際に手を動かして紙に書いていくことにより自分の内面と向き合うことができるといいます。

 この「ジャーナリング」の手法を採り入れたアプリが10〜20代後半のZ世代を中心に人気を集めているといいます。

多感な思春期にも効果抜群 教育現場に広がる「自分の心と向き合う」アプリ | 未来コトハジメ

 未来コトハジメによると、「muute」(ミュート)というアプリがリリースされ、1年余りで約60万ダウンロードを記録したといいます。

ポジティブ、ネガティブにかかわらず、ユーザーはアプリ内でひたすら思い浮かんだ感情を表現し、書いた内容に対してAI(人工知能)がフィードバックを返す。その結果、自分自身と向き合い、客観的に自分を振り返ることができる。(出所:未来コトハジメ

 

 

 コロナ禍でメンタルヘルスの重要性が認識されるようになっているといいます。それは大人に限らず、学校生活を制限された学生たちもまた同じといいます。

「muute」を開発したミッドナイトブレックファストが今年1月、全国9校の中学校や高校と共同で、「muute for school β」という実証プロジェクトを実施したそうです。

プロジェクトに参加した三田国際学園中学校・高等学校では、「AIとのやり取りをちょうどいい」と生徒たちが感じたといいます。先生からの評価ではなく、AIが客観的にコメントしてくれることで物事をメタ的(俯瞰的)な視点で捉えるきっかけにつながったといいます。この結果を受けて、三田国際学園では中学2年生の全7クラスで「muute」を授業で活用するようになったそうです。

(写真:ミッドナイトブレックファスト株式会社)

「生まれたときからデジタルとの共存が当たり前だったZ世代、さらには2010年以降に生まれたα(アルファ)世代にとって、情報の渦に飲まれずに自分を客観視して一息つく習慣は不可欠になる」と未来コトハジメはいいます。

メタ的な視点や非認知能力は、ますます高度化するデジタル時代を生き抜く武器となる。(出所:未来コトハジメ

 

 

 インターネットが登場し、利便性があふれるようになり、それによって生活様式も変化しました。しかし、インターネットによる弊害も多々あるのかもしれません。こうしたメンタルヘルスの問題もそのひとつなのでしょう。

 産業革命以降の工業化で生活は見違えるほどに便利になりました。そして、人々は豊さを享受しました。その反面、急激な工業化は公害を生み、それを技術よって乗り越えはしましたが、今また気候変動の問題に直面しています。利便性の追求には弊害が付きものなのかもしれません。インターネットの時代においても同じことが言えるのでしょう。その弊害が手に負えないほど悪化する前に対処すべきではないのしょうか。

 心の状態を言語化する作業は、主体的な思考力や行動力の源となる非認知能力の活性化にも役立つと、未来コトハジメはいいます。

感情が動いたときに生徒の中に学びが生まれる。

でも子どもたちは、なかなか動きに気づく機会がなかった。(出所:未来コトハジメ

 デジタルによる変革が求められています。今の時代背景が、それが当たり前と思うようにさせているのかもしれません。しかし、その陰で弊害が成長し始めていそうです。早めに対処にしなければならないように思えてなりません。

 

「参考文書」

189名の中高生がAIジャーナリングアプリ「muute」を活用し効果を実感9割が自己理解力の向上に、8割がメンタルヘルスケアにつながると回答|ミッドナイトブレックファスト株式会社のプレスリリース

書く瞑想アプリ「muute」開発の裏側|誰ともつながらず、自分だけの「居場所」を持つ価値 | キャリアハック

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