Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

ままならない気候変動対策、続けられる地道な活動、リニューアブル燃料、海洋プラごみ活用

 

 SDGsに、ESGが広く認知されるようになったのだから、もう少し社会課題の改善が進んでもよさそうですが、なかなかそうはならないようです。逆に解決阻害する要因が増え、かえって課題が増えるばかりになっていないでしょうか。

 気候変動の影響は深刻化の一途のようです。すぐに改善することはないと理解はしているものの、なかなか思うように脱炭素を進めることができないようでため息が出ます。 今のエネルギー危機を思えば、如何ともし難く、足踏みもやむなしなのかもしれません。

気候変動、健康や財産脅かす段階に 農業や水運でリスク: 日本経済新聞

気候変動は人間の健康、財産、生命を脅かす新たなフェーズに突入しているかのように見える。政治や経済に振り回されている間に、これまでの日常が取り戻せなくなることを忘れるべきではない。(出所:日本経済新聞

 気候変動の緩和策に遅れがあっても、せめて適応策についてはもう少し進展があってもいいのではないでしょうか。問題、課題が多いということは元来、機会、チャンスでもあるはずです。もっと適応ビジネスが進んでもよさそうなものです。

 

 

リニューアブルディーゼルの活用始まる

 西武バスが、世界最大のリニューアブル燃料メーカーのフィンランドNeste社リニューアブルディーゼルを導入し、7月14日より営業運行を開始したそうです。

「リニューアブルディーゼル」バス出発…廃食油再生、CO2は90%減 | レスポンス(Response.jp)

ネステ社のリニューアブルディーゼルは、食品競合のない廃食油や動物油などを原料として製造される。CO2の削減については、ライフサイクルアセスメントベースでの排出量で、軽油と比べて約90%の削減となる。(出所:Response)

 Responseによれば、まずはバス1台をリニューアブルディーゼル専用にして運用するといいます。燃費は軽油と同程度で、また走行性能も変わりがないといいます。特に車体を改造する必要もなく、追加投資も必要ではないといいますが、値段が現状の軽油の3~4倍もするそうです。また、燃料の国内生産には課題も多く、現在は輸入になるといいます。こうした状況ではまず1台での運用に留めざるを得ないということでしょうか。

 こうした脱炭素燃料が普及するには、ユーグレナ社などのバイオディーゼル燃料の増産を待つしかないのでしょうか。

 

 

海洋プラごみの用途が拡大

 伊藤忠商事テラサイクルジャパンが長崎県対馬市で、漂着した海洋プラスチックごみのリサイクル活動を進めています。三菱鉛筆がこのリサイクル原材料を使って、ボールペンを開発したといいます。

海洋プラスチックごみの原材料用途の拡大について 文具業界初の海洋プラを再生利用したエコマーク認定取得商品に原材料供給|プレスリリース|伊藤忠商事株式会社

 伊藤忠商事によると、軸材を海洋プラスチックごみとHOYAコンタクトレンズの空ケースを使用した再生樹脂で構成されているそうです。7月11日からノベルティ専用商品として受注を始めたといいます。

(写真:伊藤忠商事

 

「ローマは一日にして成らず」、事業は長年の努力なしに成し遂げることはできないということなのでしょう。

 こうした社会課題の解決に取り組む人材を増やしていくことが求められているのではないでしょうか。

 

「参考文書」

脱炭素、いざリスキリング 欧州で進む「公正な移行」: 日本経済新聞

陸上輸送分野における再生可能資源由来の燃料ビジネスで提携 |プレスリリース|伊藤忠商事株式会社