Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

内閣改造に期待していいのか、行政のデジタル化、DXの社会実装

 

 内閣の改造が実施され、人心一新、再スタートとなるのでしょうか。所々課題もあるのでしょうが、気候変動対策に、SDGs、ESG、そうしたことが積極的に推進され、顕在する諸問題の解決に向かっていって欲しいものです。

 デジタル改革、消費者及び食品安全を担当する内閣府特命担当大臣、それに加え、デジタル大臣、国家公務員制度担当に河野太郎氏が任命されました。

河野太郎デジタル大臣「FAXを使っておきながら『人員を増やせ』は筋違い」--省庁の働き方改革へ所信 - CNET Japan

 就任記者会見で河野氏は、霞が関のテレワークをさらに推進する考えを示したといいます。

 CNET Japanによれば、河野氏は会見の冒頭「国民の生活を便利にすると同時に、ぬくもりのある社会を作るためのデジタル化を加速していきたい」と述べたといいます。

 

 

 辛辣な就任会見だったのでしょうか。「ブラック」とされる霞が関の働き方については、「崖っぷちというより、すでにずり落ち始めている」と危機感を表明したそうです。

職員の定員を増やしていくと述べつつ、「働き方が改革されていないことで人員を消費しているのであれば、定員増は違う。未だにFAXを使っているようなところには、そこを合理化すれば定員増はいらないんじゃないかと強く言っていきたい。(出所:CNET Japan

 また、担当する消費者庁については、テレワーク導入に言及し、現下の状況から「やれるなら全員どこでもテレワークをやってほしい」と要求すると、「なんと固定電話が古くて電話の転送ができない、電話が鳴ったら職場で取らなければならない」という古めかしい現実に驚きを隠せなかったそうです。その上で「ここは先に対応を考えなければならない」と述べたといいます。

 やはりそうだったのかと思ってしまいます。どんなに立派な理論で高尚な政策を実行しようにも、職場インフラが旧式のままで人手に頼っているようであれば、政策の実現が叶うはずもありません。最新機器と最新システムを導入して効率化、生産性を改善し、職場余裕を設ける必要があるのではないでしょうか。常に張り詰めた状態では長続きせずに、結局どこかに非効率を生んでしまうものです。

「余裕時間」とは、業務遂行において、自分自身では避けえない不規則に生じる遅れ時間のことをいいます。これを正しく設定し、管理が十分に行き届けば、職場環境の改善となり、働き方改革にもつながっていくのもかもしれません、また、効率化・生産性の改善にも役立っていくはずです。

 

 

 デジタル化を通じた「外部不経済の是正」に、河野大臣が辣腕を振るうことで、「経済成長」をもたらすことに期待すると「論座」がいいます。

岸田改造内閣の成否は、河野太郎デジタル大臣にかかっている - 田中信一郎|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

 記事によれば、「外部不経済の是正」を通じた「経済成長」をもたらす政策について、河野大臣には行政や業界の反対を押し切って実現した実績があるそうです。

 河野氏が規制改革担当大臣だった22年6月、「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」を推進、国土交通省に住宅などの断熱義務化を強く求めたことがあったといいます。これを受け、「建築物省エネ法の改正」が成立、住宅等の断熱を義務化することで、化石燃料の消費削減、また新築住宅の価値向上を同時に実現したそうです。

外部不経済とは、市場を通じて行われる経済活動の外側で発生する不利益が、個人や企業に悪い効果を与えることをいいます。短期的な経済合理性から、外部不経済の発生を無視し、収益のみに邁進した結果、公害などが発生しました。そして、企業は、厳しく社会から指弾されるようになりました。この公害が「外部不経済」の一例といいます。

 地球温暖化も「市場の失敗」の例であり、外部不経済といっていいのかもしれません。こうしたことからも、「ESGは外部不経済を抑制する」とのいい方をされることもあります。

 

 

 またデジタル庁が担う「ガバメントクラウド」の整備推進が肝になるかもしれません。政府と自治体の基盤システムとなり、行政のデジタル化につながるといい、この先、重要局面を迎えるといいます。

行政DXや経済安保に課題山積、懸案打開に河野・高市氏: 日本経済新聞

 こうした事業は、自治体や国内IT産業のあり方を変える可能性があるといいます。そうであるなら、国のデジタル化が正しく進めば、そこにかかわるIT企業を通して、それが社会に善き方向として波及していくこともあるのではないでしょうか。

 率先垂範ではないですが、国が先頭にたって、自らの職場の改革を実行すべきなのでしょう。

 

「参考文書」

「標準時間」とは何か?(前編):よくわかる「標準時間」のはなし(3)(4/5 ページ) - MONOist