Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

猛暑に大雨、気候変動、成長しない経済も悪くはないのかもしれない

 

 欧州を熱波が襲い、英国ではテムズ川の源流が干上がり、英政府は首都ロンドンなどイギリス南部が干ばつ状態にあると宣言したといいます。ドイツでもライン川の水位が低下し、物流に影響を出ているそうです。

テムズ川の源流枯れる 十数キロ下流に「始点」移動 英国 写真14枚 国際ニュース:AFPBB News

 イタリアでも極度の干ばつで、アルプスを源とするポー川が干上がり、深刻な事態になる恐れがあるといいます。AP通信によれば、北イタリアはここ数カ月間雨が降っておらず、降雪量も例年に比べ70%も減少しているそうです。

ポー川の水枯れは、イタリアの人口密集地や工業地帯の飲料水をも危険にさらし、「イタリアの食の谷」と呼ばれる、最も集約的な農業地帯の主要農産物を脅かしている。(出所:AP通信

 東京では猛暑日の日数が過去最多を更新し、東北地方では長雨状態になっています。こうした世界的な異常気象が常態化しつつあるのでしょうか。

 

 

 ロイターによれば、今年の国連の気候変動に関する政府間パネルIPCCの報告書では、気候変動の原因といわれる炭素排出量を減らすためには「消費抑制」する必要性があると結論づけられたといいます。

アングル:「脱成長」理論に脚光、気候変動加速でタブー見直し | ロイター

「消費抑制」とは、脱成長を意味することになるといいます。

脱成長―。地球は有限なので無限の消費拡大を支えられないというこの理論は、成長こそが繁栄に至る最善の道だという考え方が支配的な経済学の中で、異端中の異端とされる。(出所:ロイター)

しかし、 脱成長という理論が以前よりタブー視されなくなりつつあるといいます。

 今年の 「ダボス会議」(世界経済フォーラム)でも、脱成長に関する手引き書を発行されたそうです。それには、「先進国の人々が食事の内容を変え、より小さい家に住み、自動車の運転や旅行を減らすことを意味するかもしれない」と指摘されているといいます。

「脱成長」という言葉が生まれたのは1972年。同じ年に「成長の限界」という研究報告がまとめられ、「人口増加や環境汚染などの現在の傾向が続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」と警鐘を鳴らしていたそうです。

 幸か不幸か、日本は「ポスト成長」に近い状態にあるとロイターは指摘します。「失われた30年」を経験し、少子高齢化、貿易保護主義、改革の不在などが理由でもあるといいます。こうしたことは同じ経済構造をもつドイツにも言えると指摘し、輸出主導型でエネルギーショックに弱い経済を早急に改革しなければならないといいます。

 

 

 毎年毎年右肩上がりに成長していくことだけがすべてはないのかもしれません。

 値上げラッシュで物価が高騰し始めると、なにもデフレが悪であることもなかったのではないかと感じます。

 値上げに邁進する企業もあるのでしょうが、お客のために少しでも上昇幅を抑制し、なるべく値上げ時期を後ろに倒す企業もあるのでしょう。中には値上げをしないという猛者企業もあるようです。低価格を求める顧客がいるのであれば、それに応えるのが企業の使命としているのでしょうか。

 値上げを許容し、持続的な物価上昇を良しとする政府日銀の政策とは相容れず、成長に背を向ける行為なのかもしれません。ただこれを単純に間違いとすることもおかしなことではないでしょうか。

 

 

ウェルビーイング・エコノミー」という概念が拡がり始めているといいます。

人々の生活と地球環境を豊かにする「ウェルビーイング・エコノミー」とは【ウェルビーイング特集 #37 新しい経済】 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD

 経済を成長させ、その一部を使って不平等を減らすのではなく、「地球を再生可能にし、事前に富を分配する」、それが本来の「経済」ではないかとIDEAS FOR GOODはいいます。

 これまでの経済活動は、人が経済に奉仕していたといいますが、この新しい経済では「経済が私たちと環境のために存在する」という考え方を前提にしているといいます。

 考え方を改めるときなのかもしれません。

 

 

「参考文書」

英南部「干ばつ状態」と宣言 王立植物園で植物枯れる被害 | NHK | 気象

イタリア北部の河川は水枯れ 極度の干ばつで農産物に被害(AP通信) - Yahoo!ニュース