Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

「エシカル後進国」日本、エシカル消費は誰が喚起するのか

 

エシカル後進国」、そう言われても、そんなには不名誉なことではないのかもしれませんが、日本が「後進国」になったといわれれば不名誉どころでの話ではありません。

 ESGやSDGsが世界のメガトレンドになり、その延長線上にエシカル消費があるのなら、それに取り組むべきではないでしょうか。

 そうであるなら、「エシカル後進国」といわれることは、もしかしたら不名誉なことになるのかもしれません。

  それを避けて独自路線を探求するのもいいのかもしれませんが、それでは王道から外れないでしょうか。

 

 

 日本はなぜ「エシカル後進国」になったのかと、その理由をForbesが分析しています。

日本はなぜ「エシカル後進国」なのか | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

「これこれがエシカル消費の定義です」、消費者として「エシカル消費」しましょうといわれるだけでは厳しいことなのかもしれません。

 逆に言えば、それだけエシカルでない商品とサービスが、まだ魅力たっぷりに売られているということではないでしょうか。安売り、消費を促すための派手な宣伝や広告、こうしたことがそのひとつなのかもしれません。

 しかし一方で、エシカルな消費をしたいという消費者の潜在ニーズもあるのではないでしょうか。逆に言えば、消費者ニーズを刺激する商品が少なく、また、企業が顧客にきちんとアプローチしていないともいえそうです。もっとエシカル消費を喚起するために企業が独創性を発揮すべきなのでしょう。

 様々な社会課題が噴出し、それらの認知も進んできました。しかし、それが言い訳のネタになったりしてることもありそうです。

エシカルなライフスタイルを実践すると、お金のかかることが増えてしまう」。

エシカルアイテムは、素材や品質、労働環境、輸送ルートなど、さまざまな配慮がなされているため、どうしても値段が高くなる。

その値段こそが本来支払うべき対価であり、他の商品が安すぎるのだが、生活に余裕がない人は今に精一杯で、他人や未来のことを考えられないのだ。(出所:Forbes)

 全員参加型の課題解決になればいいのでしょうが、誰がそれを推進するのでしょうか。

 消費者なのでしょうか。そこに無理が生じているように思えてなりません。

 

 

SDGs関係で大きなお金が動いており「金儲けの道具」と非難されることも多いが、稼ぐのは悪いことなのだろうか。(出所:Forbes)

地球の未来のために行動した人が報われる社会こそが、サステナブルな社会ではないかとForbesは訴えています。

 これまでは消費者の物欲を満たすため、その商品を作り、売ることに付加価値があるとされていました。

 これからは、そうではなくて、バリューチェーン全体を適正化していくことを付加価値としていかなければならないのかもしれません。また、こうした商品をより付加価値のあるものとして魅力的に販売する努力も必要になるのでしょう。

 そのためにものづくりにおいては効率化を進め、コストを圧縮し、付加価値をより高める開発に重点を置かなればならないのでしょう。

 

 

 ○○経済圏と称し、大手企業がポイントやクーポンを乱発したり、送料無料と銘打って消費を喚起し、顧客の取り込みに躍起になっています。

 これと同じくらいの努力が「エシカル消費」のためにあっても良さそうです。潜在ニーズを掘り起こすことはたいへん手間がかかることなのかもしれません。しかし、その見返りは大きく、成長が期待できるのではないでしょうか。

 まして、多くの大手企業がSDGsに取り組み、ESGを気にしているのだから。

 

「参考文書」

西口一希氏が語る「顧客起点の経営改革で顧客を取り戻す方法」:日経ビジネス電子版