Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

異常気象、避けられない脱炭素、EVシフトに変化の兆しか

 

 今夏の記録的な猛暑と大雨を「異常気象」だったと気象庁が見解を示したといいます。また、その説明の随所には「気候変動」との関連を示しています。

6月下旬から7月初めの記録的な高温及びその後の天候の特徴と要因について~異常気象分析検討会の分析結果の概要~(気象庁)

6月下旬~7月初めの記録的な高温は、日本付近で上層の亜熱帯ジェット気流が北に蛇行し、上層の高気圧と地表の太平洋高気圧がともにこの時期としては記録的に強まったことが主要因で、これに持続的な温暖化傾向が加わったためとみられます。(出所:気象庁

(資料:気象庁

 異常気象が頻発するようになり、これが常態化すれば、もう異常ではなく「気候危機」になるのかもしれません。

カーボンニュートラル」、「脱炭素」が待ったなしになったということなのでしょう。

 

 

 エネルギー部門の脱炭素が急務であることはいうまでもありませんが、輸送部門においても同様なのでしょう。

 これまではEV 電気自動車がその救世主と目されていましたが、少し状況に変化があるのでしょうか。

エンジンを捨てないフォルクスワーゲン 脱炭素の解、複数要るか: 日本経済新聞

「EV  電気自動車」戦略を強力に進めてきた独VW フォルクスワーゲンのCEOが9月に交代するといいます。更迭という見方もあるそうです。

 現CEOのヘルベルト・ディース氏は、米テスラを信奉し、エンジンを一掃せんがばかりの急進的にEV戦略を推し進めようとしたそうですが、「雇用の1割が余剰」とのメールが外部に漏れ、労働組合の反発を招き、そのことの影響もあるといいます。

(画像:ポルシェ)

 一方、新らたにCEOとなるはオリバー・ブルーメ氏は、現在はポルシェのCEOを務め、「e-fuel(eフューエル)」と呼ばれる二酸化炭素と水素でつくる合成燃料の開発を推進してきたといいます。この新しい燃料は、現行エンジンがそのまま使え、「雇用も守る」ことができるとの見方があるといいます。

dsupplying.hatenablog.com

 世界はEVに舵を切っており「今さら合成燃料か」との議論もあると日本経済新聞は指摘します。

議論は二つに割れる可能性が高い。

早期の脱エンジン化は再生エネルギー大国の英国や北欧が支持し、自動車産業が大きいドイツ、フランス、イタリアは雇用問題を抱えていてeフューエルに関心が強い。

 世界の隅々までEVが普及することはあるのか、また必要とする再エネを確保できるかに疑問が残ります。ただ「eフューエル」も同様でEVより競争力と経済合理性を保てるかといえば、未だ疑問は多く、まして今のガソリンより安価に製造しようとすれば並々ならぬ努力を要するのでしょう。

 

 

「誰もが実現不可能と捉えてきたビジネスを型破りな発想で可能にしてきた」。

 電気自動車の米テスラを創業したイーロン・マスク氏を日本経済新聞がそう評しています。

イーロン・マスク氏、理想にばく進 支える「7人のサムライ」: 日本経済新聞

 今でこそ彼が創業したテスラやスペースXは成功していますが、ほんの先頃までは苦労と努力の最中にあって、多くの人が懐疑的に見ていました。

マスク氏はなぜ手掛ける事業が多岐にわたるのに、無謀な挑戦を現実化して事業を成功に導けるのか。

その大きな理由に、手掛ける事業のすべてが同じビジョンの上にあり、互いに関連していることがある。(出所:日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、マスク氏は、人類の未来に影響を及ぼす技術は『インターネット』『クリーンエネルギー』『宇宙開発』の3つ」と予見していたといいます。そして、彼が創業したテスラは地球環境保護を担い、スペースXは宇宙への人類の生活圏拡大という役割を負っているといいます。

 また、マスク氏は、目標を達成するためなら、狂気とも言える執着で現場の技術者を叱咤し、プロの投資家や優秀な経営陣、科学者たちを味方に付け、邁進していくといいます。

 

 

 ただ見逃していけない事実としては、既にある技術を活用し、それを最新化し、実用化しているということなのでしょう。マスク氏の一見突飛な行動も決して無謀なことではなく、いうなれば、ちょっと先の実現できそうな誰よりも先んじて実行したに過ぎないのかもしれません。それだからこそみながそこに夢ある未来を感じるのでしょう。

「人類の永続的な繁栄」のために、いずれの事業も起こっていると、マスク氏はいっているといいます。

「おカネ」は手段に過ぎず、「おカネ」ために事業を行っているわけではないということなのでしょうか。それが他の人には真似できないことなのかもしれません。