Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【求められる学び直し】問われる存在意義、今何を学ぶべきなのか

 

 価値観の転換期なのだろうかと感じます。利益重視の株主第一主義からステークホルダー資本主義が説かれるようになり、より公益を重視するようになってきたのでしょうか。企業ではパーパス経営が求められ、自分たちの存在意義を明らかにし、社会にどう貢献していくのかを共有するようになってきました。

 その背景には、気候変動や格差社会など顕在化した様々な問題を可及的速やかに解決しないと社会がもたないとの切迫感があるのでしょうか。

 こうした要求に従い、静かに、そして大胆に社会の構造的な変化させていこうと動き出しているに感じます。不確実で、複雑性の高い時代という言い方がされるのもこうしたことの証左なのでしょう。

 

 

 価値観が変れば、これまで通用したスキルが陳腐化していくのかもしれません。時代に合わせてアップデートするため、リスキリング「学び直し」が必要といわれるのもこうしたことの現れなのでしょうか。

 デジタルスキルの向上などはその一例なのかもしれません。さらに一歩踏み込んで、この先も錆びない知識の習得が必要との意見もあるようです。

 その代表格がリベラルアーツといいます。

リベラルアーツ」とは言語系3学(文法・論理・修辞)と数学系4学(算術・幾何・天文・音楽)で構成される自由7科で定義されるといいます。

「人間を良い意味で束縛から解放するための知識や、生きるための力を身につけるための手法を指す」といいます。

【山口周×KDDI】「選ぶ技術」が生死を分ける。リベラルアーツの正しい活かし方

「良い選択をする」、「良い答えを選ぶ技術」としてリベラルアーツに価値があると山口周氏は指摘しています。

 「ビジョンを定める」ことも同様です。

 一般社員は与えられた問題を正確に解くことが求められるのに対し、リーダー層は組織の「ありたい姿」を構想し、理想と現状のギャップを明らかにする、すなわち「問いを立て、問題を作ること」が求められます。正解への最短距離を走る力と、ビジョンを構想する力は全く性質が異なります。後者には、さまざまなものさしを駆使して混沌から核心を捉えるような、総合的な知識に基づく判断力が必要になりますリベラルアーツは、そうした知識の基礎となるものです。(出所:Newspicks)

「ありたい姿」、わかるようで、少し難解な問いなのかもしれません。

 

 

何かをなしとげたい、ある状態を作り出したいと思って、しかも現状からそこへ到達する道筋がわからない状況を問題という。(引用:IEの基礎 藤田彰久 P327)

 企業のありたい姿は結局、現状の問題から紐解くしか手はないのでしょうか。

事実を正しくとらえ、それらの事実をもとに状況を望ましいものに変えていく

という科学的な手順に則るのが普遍的なアプローチの仕方なのでしょう。まずは観察・分析・実験、その上で仮説を設定し、それを検証し、法則を樹立するという手順を踏まえる必要があるといいます。

 そして、最後にその法則を、人間のあらゆる活動系列に適用し、結果を予測することになるといいまう。結局それはムダを排除し、よりシンプルにしていくということなのかもしれません。その着眼のもとをリベラルアーツが支えるのかもしれません。

IEの基礎

IEの基礎

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こうした方法論は近世になってから確立したといいますが、これもギリシャ時代の論理学による推論の方法が元になっているそうです。

 

 

「企業は何のために存在するのか」、パーパスは一般的に「存在意義」と訳されるといいますが、こうありたい姿ということでもあるのでしょうか。

パーパス経営、志を問う 企業と市場の新たな羅針盤: 日本経済新聞

 日本経済新聞によると、「パーパス経営」の著者一橋大大学院客員教授の名和高司氏は、「企業がパーパスを通じて価値創造に至るストーリーが必要」といっているそうです。そのうえで「社員がパーパスを『自分ごと』と捉え、実際に行動に移すことが欠かせない」と指摘しているといいます。

 米アップルのティム・クックCEOが、創業者のスティーブ・ジョブズ氏の功績を振り返る座談会に参加し、「最多ではなく、最良を追求する」ということをジョブズ氏から学んだと話したそうです。

 こうした言葉が問いとなり、疑問的意識によって、その問題解明に取り組んではじめて、自身なりのありたい姿が目に浮かんくるのかもしれません。

 森羅万象に目を凝らせば、問いはゴロゴロところがっているのではないでしょうか。

 

「参考文書」

Appleの革新は永遠か ジョブズ氏を語る元部下や夫人: 日本経済新聞