Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【視座を変える】なぜ躓くのか、何から手を付けてわからない脱炭素

 

 国がカーボンニュートラルの目標を設定して、脱炭素が一気に動き出したではないかと思ったのですが、必ずしもそうではないのでしょうか。

サプライチェーンにおける脱炭素も図る」といって多くの企業がチャレンジしているかと思いきや、現実には、「報告書の形にさえできればよい」、「実際に脱炭素が実現できると信じていない」、そんな声もあるといいます。

2022年版・脱炭素へのまじめな取り組み方~建前論脱却を目指す~ | 日経クロステック(xTECH)

「2050年には私たちはもう働いていませんから――」

その時はその時で対策をするでしょう、という認識だった。筆者はこの企業を批判したいわけでもない。というのも、多くの企業の本音を示しているように思ったからだ。(出所:日経クロステック)

「上からの指示」「何となく」「本当はやりたくない」など、個別にはもろもろの事情があるといいます。

 

 

 日経クロステックによると、現在の二酸化炭素排出量の計算は、排出原単位計算が主流といいます。調達品の数や重さに一定の係数を掛け合わせて二酸化炭素排出量を算定するそうです。係数(排出原単位)は環境省をはじめ、いくつもの団体が公表しているといいます。

係数が、実態とどれくらい近いか明らかではない。ある時点の係数で計算すると4トンのCO2排出があったと算定したとする。しかし、数年後に実は6トンであると明らかになった場合、企業活動として変化がないのに排出量だけが増加して見える。これは誰の責任だろうか、誰が責任を取るべきか……と考えると、多くの日本人ビジネスパーソンはそもそも算定を躊躇してしまう。(出所:日経クロステック)

 ほんとうなのでしょうか。これが現実なのであれば、カーボンニュートラルの達成どころの話ではありません。

 記事は、現時点での排出原単位係数を使って計算し、それを公表する時はその旨を明示する。また、今後、排出量計算の精度が向上する場合、数値が変わる可能性があると、経営陣に報告するしかないといいます。

 現時点で実直に計算した数字を経営陣に否定されたら、現場はそれを隠蔽するしかなくなる、それでは不正の温床になりかねません。

2050年には責任を取りたくても取れない立場になるのだから、かえって正直に現状を語ろうと意識転換できないだろうか。本音で現場の人が語れば、問題点があぶり出される。すぐに解決できなくても、問題点が明らかになるのは解決への第一歩である。(出所:日経クロステック)

 脱炭素というこれまでとは違う価値観が求められているときに、従来のままの思考ではどこかで破綻が生じるのではないでしょうか。視座を変えるべきなのでしょう。

 

 

 イノベーションを生み出す機会なのかもしれません。しかし、何もそこまで大事として捉えなくとも、まずは無理難題の解決に真摯に取り組んでみてもいいのかもしれません。

日本はイノベーションを誤解、浅い考えを防ぐには古典を読め:日経ビジネス電子版

 イノベーションは「発明」と違って、ゼロからの創造ではないといいます。これまでに組み合わせたことのない要素を組み合わせる「新結合」によって、新たな価値を創造することといいます。脱炭素における問題解決もまたイノベーションと同じ志向が求められているのかもしれません。

既存のもの同士の新結合によって、新しい世界を見いだしたほうがインパクトは大きい。(出所:日経ビジネス

 新しいアイデアを出すことばかりに囚われる必要はないようです。解決に役立ちそうなことを結合して考えてみることから始めるべきのようです。