Up Cycle Circular’s diary

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【賃上げ】持続不可能な「為替」と「金融」のねじれ政策で、企業の賃上げは持続するのか

 

 為替介入、やはり効果は限定的のようで、また円安基調に舞い戻っているようです。それに加えて株安状態です。市場は素直に反応しているようです。

 一方で、政策の「ねじれ」が指摘されています。為替介入により通貨高を志向する為替政策と緩和継続により通貨安を肯定する金融政策の矛盾し、この組み合わせは、理論上、持続不可能なポリシーミックスとして専門的に知られるそうです。

 政策的な矛盾があれば投機マネーを呼び込むことにならないでしょうか。少々不安を感じずに入られません。

 

 

 日銀が7月の金融政策決定会合の議事要旨を公表しました。

 その中には、「賃金上昇の動向をしっかり分析する必要があるという指摘があるといいます。

日銀 “賃金上昇動向の分析必要“ 政策決定会合で指摘相次ぐ | NHK | 物価高騰

議事要旨によりますと会合では複数の委員が「物価上昇の原因は主に輸入原材料の上昇で、来年度以降は上昇率は低下していく」という見通しを示し、今の物価上昇は一時的なものだという認識を示しました。(出所:NHK

 一方、日銀が掲げる「2%の物価安定の目標の実現」に向けて、委員から「賃金動向の分布や変化を統計などを用いて的確に把握する必要がある」と、賃金上昇の動向についての意見が相次いだそうです。

 現状分析を的確に為さずに政策決定されているのでしょうか。不安を感じる議事要旨です。

 その上、物価上昇率が目標を超える中でなぜ金融緩和を続けるかについても、これまで以上に丁寧に説明すべきだという指摘もあったといいます。

 黒田総裁の説明不足を指摘したということでしょうか。どこもかしこも、聞く耳をもたず、説明も適切にできない、それでは危うい状態と言わざるを得ないのでしょう。

 

 

 長引くウクライナ危機、中国経済の失速、世界的なインフレなど、世界経済を下振れさせるリスクが多く、景気後退への懸念は高まるばかりです。

 米アップルが新機種「iPhone14」の増産計画を断念する可能性があるそうです。

米アップル、新型iPhoneの増産計画を断念-販売出だし振るわず - Bloomberg

 ブルームバーグによると、調査会社IDCは、今年の世界のスマホ市場は前年比で6.5%縮小し、12億7000万台になると予想しているといいます。また、「昨年問題になっていた供給制約が緩和された半面、需要制約が浮上している」とコメントしているといいます。

  景気後退の懸念を足元の株安が如実に現しているということなのでしょうか。アップルの判断が注目されます。

 一方、国内では技術者の獲得競争が激しさを増しているとも言われます。好調な半導体製造装置メーカーなどでは、約7年ぶりとなる大幅なベースアップ(ベア)に踏み切った企業もあるといいます。

技術者獲得競争の号砲、ディスコ年20万円ベアの勝算 | 日経クロステック(xTECH)

すでにトヨタ自動車ソニーグループといった各業界を代表する企業よりも高い給与水準を誇るディスコだが、成長の原動力となる技術者の確保に向けて給与アップで採用力を強化する。(出所:日経クロステック)

 賃上げにつながるのであれば、歓迎するべきことなのかもしれませんが、今後の経済情勢の影響が心配にもなります。

 持続的な賃上げとなるのか、また、特定の産業だけではなく、他の産業にも拡がりをみせることになっていくのか。

 なかなか政策に期待が持てない以上、企業の対応次第ということなのでしょうか。政府は経済成長の掛け声を一時やめるときなのかもしれません。

 

「参考文書」

英トラス新政権の経済対策が世界の“不安材料”でしかない理由。債務は「持続不可能」政策は「無理筋」 | Business Insider Japan

人手不足状態の企業は49.3%、正規・非正規ともにコロナ禍で最高|TDBのプレスリリース