Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

円安、物価高騰、賃上げ、そのための生産性の向上、DXといわれるけれども

 

 じりじりと円安が続き、物価高騰も止まりません。日銀総裁は現在の物価上昇は長続きせず、来年には2%を下回る水準に低下するとの見通しを繰り返し述べていますが、ほんとうにそうなるのでしょうか。

 こんなご時世になってしまったのだから賃上げに期待したいところですが、政府・日銀が頑張っても円安が止まらなくなると、コストアップ要素ばかりになって、賃上げの原資がなくなってしまうのではないかと不安がよぎります。

 だからこそ、生産性向上といわれれば、説得力はありますが、はたしてうまくいくって、ほんとうに賃上げになるのでしょうか。

 それに加えて、学び直しでデジタルスキルを身につけて、成長分野へ労働シフトなんて言われると、実際に何をやっていいのだろうかと考え込んでしまいます。

 DXデジタルトランスフォーメーションの成功事例は大企業など一部の企業に限られ、取り組めば、どの企業も同じような成果などでるはずがないと考えるのが自然なような気もしてしまいます。

 しかし、それでは元の木阿弥で賃上げが遠退いていきそうです。

 

 

 それでも「DX」、DXを進めなければ、取り残されるばかりになりそうです。メディアもこぞってその必要性を説き、解決策を提示しています。

DX化成功への課題 経営層より中間管理職の意識改革 | 日経BOOKプラス

(コミュニケーションツールの)「Slack」や「Unipos」を導入したら、「課長の意味がなくなった」という声が上がったのだそうです。

Slackには、「現場でこんなことがありました」という状況報告がどんどん入ってきます。コミュニケーションがフラットになるんですね。それまで中間管理職は情報が自分に集まっていたから権威があったけれど、役職関係なく情報がフラットになると、その力を発揮しづらくなってしまった。DXを進めると何が起きるかというと、このように昭和的な価値観がトランスフォームされてしまうのです。(出所:日経BOOKプラス)

 記事は、中間管理職が現場にちゃんと目配り、気配りをして、現場のプラクティスをどれだけ会社全体の方針に接続できるかが重要と説きます。

 この本でも、あまり仕事をしていない感じのするが主人公の上司が、陰で結構サポートし、「実はそういう人の役割が大事」と伝えているそうです。

 

 

 デジタルがまだそんな発達していないときでしたが、かつての職場で、あるとき、部下たちから、そんな頻繁にミーティングに顔を出さないでくださいといわれました。「信用してください」みたいなことも言われました。

 折角の提案なので、それを受け入れ、マネジメントスタイルを変えることにしました。というか、変えざるを得なくなったということかもしれません。

 手空きの時間が増える訳ですから、その時間を何に使うかとなるのでしょう。部下たちが苦労しそうなところに集中したり、入手困難な情報を提供したり、よりチームの活動が円滑になるように努め、さらにチームの成果をより積極的にアピールできるようにしました。それって結局、効率化であり、生産性の向上のアピールでした。

 その職場は会社のなかで必要な機能でしたがコストセンターでした。自分たちの人件費を削るわけにはいかないので、自分たちの活動でどれだけ経費抑制にも貢献しているかを見える化しました。

 それに用いたのは当時最新のデジタル技術だったり、その他もろもろの最新技術だったりします。それによって改善を行い、システム化していく。仕事が簡素化できれば、取り組むことができる仕事も増え、さらに課題解決が進みます。それを成果として、PL(損益計算書)に反映していきました。

 

 

 自分たちで直接、付加価値を生み出せなくても、投入するインプットを小さくすることで、生産性の向上に役立てることはできます。

 その成果を部下たちの昇給に結び付けていました。ただ、うまくいった職場とそうでなかった職場もありましたが。