Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

侵蝕される日本市場、次々とやってくる「メイド・イン・フランス」の家電

 

「フレンチテック」、フランス企業の食洗器や電動歯ブラシが次々と日本にやってくるそうです。

食洗機に電動歯ブラシ、日本深耕を狙うフランスのユニーク家電メーカー | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

  食洗器を手掛けるのは、フランス西部のヴァンテ県に工場を構える食洗機メーカー「DaanTech(ダーンテック)」社、2016年に設立され、「Bob(ボブ)」という食洗器を2020年10月から生産しているそうです。

 これまでの販売累計は約6万5000台。ドイツやオランダなどに輸出しているといいます。来春2023年4月には日本に上陸、子会社を設立するといいます。

 フランス企業らしくデザインを売りに、カラフルさを前面に押し出し、日本市場で大きなシェアをもつパナソニックに「メイド・イン・フランス」を武器にして挑戦するそうです。

 

 

上陸する「メイド・イン・フランス」の家電

ボブに使われる部品はすべてフランスの企業が供給する。消費者マインドを大きく変えようと「メイド・イン・フランス」を武器に、他社との戦いに挑む。(出所:Forbes)

 記事によれば、この「DaanTech(ダーンテック)」社は、「フランスの孫正義」とも称されるエンジェル投資家のグザビエ・ニエル氏が2017年にパリで立ち上げた支援施設「Station F(スタシオンエフ)」から巣立ったスタートアップ会社だそうです。

 この他にもフランス リヨンに本社を置く「Y-Brush(ワイ・ブラッシュ)」社は、音波振動歯ブラシの販売を始めるようです。こちらの製品も「メイド・イン・フランス」といいます。

 この歯ブラシは、10秒で歯をディープクリーニングできるといいます。ブラシ部分に取り付けられた3万5000本のナイロンフィラメントが振動し、上下の歯全体をそれぞれ5秒間で磨き上げるそうです。

 食洗機、フードプロセッサー、ロボット掃除機、こうした製品は、人が自らの手で行っていた作業を代替するもので、電動歯ブラシもまた同じといいます。爆発的なヒットではないようですが、中国で類似品が登場するなど、注目が集まる商品のようです。

「メイド・イン・ジャパン」再興の機会に

 ついつい最先端の技術を駆使したことに目が奪われがちですが、こうした生活に根差したユニークな「メイド・イン・ジャパン」の商品が登場し、「フレンチテック」同様、輸出で稼げるようになればいいのではないでしょうか。

 まして歴史的な円安水準に到達し、日本の製造コストが競争力を有するようになったといわれているのですから。

 かつて中国も通貨安に乗じて、製造立国の位置を日本から奪っていきました.....

 

 

米中覇権争い、激化する先端技術の開発競争

 米中の覇権争いが激しさを増し、両国が最先端技術の開発で凌ぎを削っています。国が積極的に支援し、公的資金を含め潤沢なお金と、豊富で優秀な人材を投じているといいます。それは日本とは比較できないほどのものと言われます。

米中には造れない高品質ものづくりの提案、日本が優位に立てる領域 | 日経クロステック(xTECH)

 最新の半導体やAI 人工知能、量子コンピューティングに次世代通信技術、米中同様に技術開発を進めて、そこから製品開発するのもいいのかもしれませんが、何も同じ土俵で戦うことばかりを考えることはないのでしょう。

日本はどこで勝負するのか

 最先端の技術を実用化するためには、これらを利用する製品があってこそのことです。製品開発とものづくりがあって、なおかつ、出来上がった製品を広く普及させなければ、社会に貢献することはできません。

 今、こうしたことができる企業が日本では少なくなっているのではないでしょうか。

 

 

 日本の弱みを強みに変えていく工夫が求められています。国もスタートアップの育成に力を入れていくそうです。

 しかし、支援を高度な技術分野に絞ることなく、この先高度な技術な受け皿となるポテンシャルのある製品開発やものづくりを対象にしてもいいのかもしれません。

 より効率的でより効果的に日本の遅れを挽回できる方法でアプローチしていくことが求められています。