Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【安いニッポン】海外出稼ぎ、若者の流出、強烈なスピードで進む少子化

 

「安定した職をも捨てて、若者たちが続々と海外に出稼ぎに向かう」、出稼ぎを受け入れる国でなく、排出する国になってしまったかと思うと、少々ショッキングなことです。

日本の倍は稼げる」、オーストラリアの農場で働く男性は1日6時間の作業で月収50万円の収入を得、同じくオーストラリアの介護施設で働く女性は月収は多いときの80万円になるともいいます。

“安いニッポンから海外出稼ぎへ” ~稼げる国を目指す若者たち~ - NHK クローズアップ現代 全記録

 経済成長と同時に賃金を上昇させる国がある一方で、日本だけが取り残されていると番組は指摘しています。

 

 

若者たちの静かなストライキ

 記事によれば、ワーキングホリデービザなどを利用して海外でアルバイトとして働き始め、それをきっかけに就労ビザを取得して定職に就いたり、永住権を取得するケースもあるといいます。

日本でも『ありがとう』とは言ってくれるんですけど、こっちは『ラブリー!』とか、なんかすごい。『ラブリー』ってこういうときに使うんだとか、こっちも働いていて楽しいなって(出所:NHK

 収入ばかりでなく、自分の仕事が認められるのなら、この上なくうれしいことなのかもしれません。

 若い人たちが日本の労働市場に見切りをつけ、より魅力的な職場を求めて外に出ていく、欧米で頻発する賃上げストライキとは異なる、「静かなストライキ」ではないかとの指摘もあります。

 こうした若者たちの流出が続けば、日本での労働力が細くなり、労働市場が引き締まると、賃金が上がっていくということもあり得るといいます。それが経済循環といいます。

強烈なスピードで進む少子化

 少子化にまったく歯止めがかかっていない.....

 推計値で2030年と見込まれていた80万人割れが、2022年に到達する事態となり、さらに、2015年まで100万人あった出生数が、わずか7年で20%以上減少してしまうという強烈なスピード感だといいます。

止まらぬ少子化 出生数7年で20%超減少、80万人割れの衝撃 | 日経BOOKプラス

 記事は、「子どもを持つことを金銭的損得の問題で考えるべきではない」としますが、若い人たちの経済環境や雇用の状況からすれば、そういう感覚が生じるのもやむを得ない部分はあるといいます。

 

 

 正社員として比較的安定した職を得て、所得も世代平均よりもらっていても、例えば、大学に行くために借りた奨学金の返済があれば、生活を圧迫します。子どもを授かれば、自分の子どもには奨学金を借りなくても大学に行かせてやりたいと思えば、自然と子どもの数は抑えようとする傾向もあるのではないかと指摘します。

外国人労働者、移民

 こうした人口はどんどん減っていく少子化社会にあって、外国人労働者は一時的なものではなく、日本に定着し活躍してもらう必要が出てきているといいます。

 コロナ渦が通り過ぎ、それぞれの国が経済活動を再開させ人手不足に直面するようになり、各国政府が必死に自分の国の魅力をアピール、移民を引きつけようとしているといいます。

 世界の人材獲得競争が激しくなっている......

安いニッポン」、外国人労働者にとって、日本の魅力は低下しているといいます。

 必ずしも現時点で外国人労働者が減っている訳ではないそうですが、既に日本離れが顕在化している現場もあるといいます。農業の現場では希望する人が集まらず、離日を考える介護職員もいるそうです。

 国の制度は整わず、また外国人労働者を受け入れる空気感も醸成されていないといいます。

 サスティナビリティからもほど遠く、このままで、持続可能な社会どころではないのでしょう。

 

 

安いニッポン」、そんな日本を見限って出ていく人たち、頼りすべき外国人たちにそっぽを向かれると、たいへん事態になりそうです。

 この異変を誰が止めることができるのでしょうか。