Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【GXとは】原発再稼働で値上げを抑制する九州電力、政府のGX基本方針には次世代原子炉

 

 大手電力各社が値上げに動く中、九州電力は値上げの申請を見送る方針といいます。原発の稼働で収支改善が見込めることが理由と言います。

玄海原発4号機が起動、九州電力の全4基が同時運転へ…値上げ申請見送り方針 : 読売新聞オンライン

 佐賀県玄海町玄海原子力発電所4号機のテロ対策施設が完成し、7日の起動、9日から発電を再開したそうです。記事によれば、最終的な検査を経て3月上旬にも通常運転に復帰するといいます。

 これによって、約1年ぶりに玄海原子力発電所の全4基が同時に運転することになるそうです。

 

 

 福島の事故を思えば、原発については反対したいですが、このエネルギー危機を乗り越えるためには、既存原発の再稼働はやむなしのかもしれません。

 事故を顧みれば、人によるコントロールには限界があり、時に原子炉を制御できなくなることを忘れてはならないはずです。あくまで安全が第一であり、科学的根拠なくして、また無秩序に規制を緩めるべきではないのでしょう。

GXと次世代原子炉

 そんな中、政府が、GX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向けた基本方針を閣議決定したそうです。

 原発政策を転換し、原子力発電所の建設について敷地内での建て替えを具体化すると明記したといいます。また、最長60年と定めた運転期間も延長するそうです。

原発建て替え、敷地内で GX基本方針を閣議決定: 日本経済新聞

 記事によると、基本方針には「新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設に取り組む」と記し、地域の理解を前提に、廃炉が決まった原発の敷地内での建て替えに向けて具体化を進めるといいます。

 建て替えは関西電力美浜原発などが候補とみられているそうです。

 とある専門家は、そう言っても、新増設は、早くても30年以降になり、一方、再稼働についての諸課題は多くの電力大手では解決されず、急加速することはなさそうと指摘します。そればかりでなく、使用済み核燃料の最終処分なども未解決のままといいます。

 

 

原発が目標未達でも、再エネで脱炭素電源を補完できるよう準備する必要がある」ともいいます。

 そうであるなら、GX基本方針に原発を組み入れず、特別扱いの電源として個別に議論した方がよいのではないでしょうか。

ナラティブなき政策

 首相が、唐突に「原発新増設」「増税」と言い出し、自身の「決断力」を強調しますが、それではかえって強引さが目立ちます。そうなればなるほどに、胡散臭さを感じ、また利権を優先しているのかと邪推してしまいます。

ナラティブ」、大きな物語性がないから、国民やマスコミは驚き、困惑し、否定することになると、日本大危機管理学部の先崎教授がいいます。

岸田首相にリーダーシップはあるか 先崎教授に聞く政治の展望【政界Web】:時事ドットコム

 まずは「大きな物語は掲げ続けるべき」といいます。

「子どもが亡くなる前に信号機を」と求めても実現せず、事故後に信号機ができる。日本はペリー上陸や敗戦など「外患」がないと変われないことを繰り返してきた。この「日本病」を変えないといけない。(出所:JIJI.com)

 そうなのでしょう。日本が何を目指し、どの方向に向かっていくのがわからなければ、共感が生まれることはないはずです。それでは、個別政策が効果的に実現することもないのでしょう。

 

「参考文書」

原発老朽化対応の新制度 規制委が決定先送り 委員から反対意見 | NHK | 各地の原発