Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【危機感を募らせる経営者たち】現実化しつつある日本の衰退

 

 対話式AI「ChatGPT」など、新しいサービスが誕生しています。また、「リスキリング」に「学び直し」などが求められるようになって、にわか専門家が増殖しています。

 どれも健全な経済活動といえるのでしょうし、社会をより良くしていこうとの現れなのかもしれません。ただ現実は少し乖離するようです。

対話式のAI サイバー犯罪に悪用のおそれ ウイルスも作成可能 | NHK | IT・ネット

 便利で、効率化に寄与しそうなAIも使い方を間違えれば、「悪」になってしまいます。どうしてこのようなゆがみが生じるのだろうかと考えてしまいます。

 

 

 元来、経済システムはそこに参加するすべてのプレイヤーの相互作用を通して、牽制と均衡が図られなければならないといいます。

 しかし、状況は常に変化し、期待されるものも変わっていきます。経済システムは未来永劫変わらないものではなく、常に調整が必要であるといいます。

 急激に進化する社会に、この調整がうまく機能せずに、様々な矛盾が生じるようになっているのでしょう。

経済システムを継続的に調整し、改善してきたし、今後もそうし続けなくてはならないということである。現状維持に未来があったことなど一度もない。ビジネスにおいては現状維持は必然的に失敗を意味するが、国ついても同じことが言える。

(引用:「IBMを世界的な企業にしたワトソンJr.の言葉」

「差別」や「格差」など社会的な諸課題を、もしかしたら政府が助長しているのではないかと思うこともあります。

 何か良い解決策を見つけなればなりませんが、政府任せにしていてはいつまでも解決することはなさそうです。企業が動かなくてはなりませんが、それが覚束なくなっているから日本は停滞したままになっているのでしょう。

 

 

日本らしいカーボンニュートラル

 経団連で2月8日に、第2回モビリティ委員会が開催され、トヨタのギル・プラット博士がカーボンニュートラルに関して講演し、G7広島サミットに向けて「日本らしいカーボンニュートラル」を世界に発信していくことを訴えたそうです。

「多様性は力」科学者が説く日本らしい脱炭素

 また3月にトヨタ自動車社長を退任する豊田社長があいさつし、CO2削減の協力を呼びかけたといいます。

今すぐCO2排出を下げる活動をすれば、地球の寿命は長くなる」。

 しかし、「エネルギーをつくる・はこぶ・つかう」の「つかう」側に規制をかけて、今の産業を壊すべきではないともいいます。

(写真:トヨタ自動車

 EVシフトがあたかも世界の潮流のようになり、ガソリン車の新車販売を禁止すべきと叫ばれるようになっています。日本では現在、年間約500万台弱の新車が販売され、仮に、それだけのEVが毎年走ることになれば、新たに原発1基の発電能力が必要になるそうです。

それまでに再生可能エネルギーで電気がまかなえる能力を付けるなど、産業を越えた協力のペースをつくっていくのが現実的だと思います。(出所:トヨタイムズ)

民間企業が同じ方向に向けた活動をやっていかないと、この国は滅びてしまうかもしれません

と、豊田社長は訴えたそうです。

 

 

GXとは相克なるものか

これから、地政学も、革新的な技術の中身も変わってくる。さらに、生物多様性が叫ばれているように、いろんな制約条件も出てくる。ひょっとしたらGX(グリーン・トランスフォーメーション)とは相克するものになるかもしれない。(出所:トヨタイムズ)

 モビリティ委員会の委員長を務める経団連の十倉会長がそう述べ、いろんな道を追求するのが正攻法と指摘したといいます。

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経営者が国民の利益に対して、このような広範な関心を持たずに事業の経営だけに専念するならば、まさに同じくらい大きな間違いをしかねないと私は思っている」(引用:「IBMを世界的な企業にしたワトソンJr.の言葉」

 第二次世界大戦後、IBMが急成長させた名経営者トーマスJ.  ワトソン, Jrの言葉です。さらに、「自分が米国にとって最善だと思うことをすればよいとも思う」と述べていたそうです。

 これが米国の競争力の源泉のような気がしますし、また、こうした考えが米国には長く息づいているのかもしれません。 

 

 

 政府が動くと、とかく一つの道に収斂させようとしてはいないでしょうか。その方が管理は容易になり、一見効率的に思えるのかもしません。しかし、それが健全な経済活動を阻害し、悪影響を生み出しているように思えてなりません。

 政府が成長戦略のようなものを作るべきではなく、それに従って経済を統制すべきではないのでしょう。

 この国の経済活動が健全さ取り戻すことはあるのでしょうか。

 

「参考文書」

ガソリン車禁止の前に再エネ整備、EV転換には電力足らずと豊田氏 - Bloomberg