成田空港、長く日本の空の玄関口と機能してきました。開港から40年が経過し、エネルギー供給施設なども老朽化し、その更新が課題になっているといいます。
また「脱炭素」、環境負荷の軽減も避けることのできない課題になっています。
そうした中、空港を運営するNAA 成田国際空港株式会社と東京ガスが共同出資し、新会社「Green Energy Frontier」を設立し、空港では世界最大規模となる180MWの太陽光発電設備を導入するそうです。
設立される新会社では、既存のプラントのマネジメントを高度化し、太陽光発電に加え大型の蓄電池を導入するほか、火力発電所などで排出されるCO2を再利用して作る「メタンガス」を燃料にした発電設備を設置する計画といいます。
東京ガス : 「株式会社Green Energy Frontier」の設立・事業開始について
2050年までに1000億円規模の投資を行い、環境性とレジリエンスを両立した「空港の脱炭素モデル」を世界に先駆けて構築するといいます。
昨今、様々な企業が取り組む脱炭素の象徴的なプロジェクトのようにも感じます。
このまま、このような活動が、国が目標とする2050年まで続くのなら、そのとき、どんな社会になっているのだろうか想像してしまいます。
2050年の姿
「バックキャスティング」、それとも「SF思考」なのか、「2050年、未来の社会」を日経ビジネスが描いています。もちろんフィクションではあるのですが....
「私のような2030年代生まれは、地球環境改善フェーズを生きる「β世代」と呼ばれ、自然エネルギーに携わる職種が人気になっている」ということからストーリが展開していきます。
CO2の有効活用で“地球環境再生時代”に入った2050年:日経ビジネス電子版
.....ビル群も30年前のコンクリートジャングルから一変して緑化が進み、コンクリートもCO2を吸収する。「まさにジャングルのように地球の空気バランスを守る街になった。そして僕たちはそんなジャングルをつくり支えている」
(略)......数世紀ぶりの人と地球の共生時代の復活だ、ともいわれている。私はスカイタクシーから眺めるこの街がますます好きになった。
街の一つひとつが今の、そしてこれからの自然環境を守るために今日も働いている。(出所:日経ビジネス)
今の脱炭素活動が継続し拡大、さらに新技術が開発されていくのなら、こんな未来があるのかもしれません。
現実に成田空港で、カーボンリサイクル技術が導入しようとする動きがあるのだから。
健全な社会、持続可能な社会へ
こうした未来を創っていくためにも、例えば「ESG」の「S:社会」と「G:統治」がもっと強化していかねばならないのでしょうか。「E:環境」が定着してきているのなら、なおさらそうあるべきではないでしょうか。
「E」と「S」が両輪となって、「G」でコントロールされていけば、健全な社会となり、持続可能な社会もまた実現していくのかもしれません。
パーパス経営がさかんに語れ、その必要性が説かれています。パーパスやミッションを明確化することで人材も育成され、組織のパフォーマンスも向上していくといいます。
「人が育つ組織とは」―人事院総裁が語る | Human Capital Online(ヒューマンキャピタル・オンライン)
さらに、組織のトップが「ウェルビーイング(精神的・社会的、あるいは肉体的に満足がいく状態)」と「エンゲージメント」にコミットし、「働く人々、一人ひとりのウェルビーイングが確保されれば、一生懸命に頑張りたいという気持ちにもつながっていく」といいます。
「パーパス」、共有する価値観の下、権限は現場チームや部下に委譲されるようになり、自律性や内発性が重視される組織となれば、その組織は自然に成長できるようになるそうです。
こうした取り組みで健全な組織の増殖が続けば、2050年の未来を確かなものにするイノベーションが創発していくようになるのかもしれません。