Up Cycle Circular’s diary

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【エネルギーの三重苦】改善進まぬ原子力の安全性、高止まりの電力料金、積極推進できない再エネ

 

 東京電力柏崎刈羽原発で、また不適切事案が発覚したようです。「防護区域」に入る際の点検で、持ち込みに必要な許可がされていないスマートフォンを社員が所持し、発見される事案があったといいます。

東京電力社員、柏崎刈羽原発に無許可スマホ持ち込み - 日本経済新聞

 柏崎刈羽原発ではテロ対策の不備が相次ぎ、原子力規制委員会が事実上の運転禁止命令を出しています。その追加検査を続ける中での不適切事案といいます。

 一向に改善が進まないようです。原子力に求められる「安全性」を確保できるのでしょうか。

トリレンマ 自ら選択した三重苦

 エネルギー危機といわれる状況下で、脱炭素と安定供給をどう両立させるかが課題になっているといいます。「S+3E」、エネルギー供給の大原則で、「安全」を前提に、「安定供給」「環境性」「経済性」を実現するとされています。

 しかし、現在はこの原則に縛られて「トリレンマ(三重苦)」になっているといいます。

脱炭素の「移行期」、揺れるエネルギー供給 - 日本経済新聞

 単純に基本は再生エネを拡大をさせればと思うのですが、政府は「日本は国土も小さく適地も少ない」といいます。記事も、再エネの不安定性を指摘し、調整弁の役割として、米国では原子力発電の稼働を延長する動きも出てきていると主張します。 また、水素やアンモニアの有用性を説き、火力発電で混焼することで、二酸化炭素の排出量を減らせるといいます。

 自らの選択でトリレンマに陥り、なおかつ原子力に執着することで「安全性」をも棄損させているのではないでしょうか。

矛盾

 こうした対応の矛盾を指摘するかのように、「再生可能エネルギーの導入加速に向けた実効性のある施策の導入」、「規制改革の実施」を、JCI 気候変動イニシアティブの他、303におよぶ団体が日本政府に対し求めたといいます。

35年電力脱炭素に「再エネを」 G7前に300の企業や自治体が声:朝日新聞デジタル

再生可能エネルギーについて、日本は30年度に36~38%とする目標を立てているが、すでにG7のカナダ、ドイツ、英国、イタリアはこの数値以上に導入していると指摘。洋上風力発電の開発加速や建築物への太陽光発電の設置義務化などを提案した。(出所:朝日新聞

 コストポテンシャルが高く、脱炭素に貢献し、また多くの企業が求める再エネに政府がなぜ否定的な態度を示す必要があるのでしょうか。

信念

 再生可能エネルギーの総合カンパニー「Abalance(エーバランス)」の業績が好調といいます。欧米にも販路を確立、売り上げが急速に拡大しているそうです。また、ここ最近2度にわたって業績予想を上方修正しているといいます。

Abalance取締役CEO 龍潤生 「ソーラーシェアリングでエネルギー問題と食糧問題の解決を」 | 財界オンライン

われわれは原子力を敵だとは思っていません。ですが、これだけ安全面での不安が払しょくできないわけで、また、化石燃料にいつまでも頼っていては地球温暖化が止まることもありません。そうなったら、再エネを増やすしかないんです。(出所:財界オンライン)

 国に従うばかりでなく、信念を突き通す企業が成長するということのようです。

 

「参考文書」

【303団体が賛同】JCIメッセージ:再生可能エネルギーとカーボンプライシングで二つの危機を打開する | 気候変動イニシアティブ – Japan Climate Initiative – JCI