Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

日本発の世界スタンダードにならないか、環境認証を取得したユニクロの新店舗

 

ユニクロ」の新しいロードサイド店舗「前橋南インター店」が2023年4月21日、前橋市前橋南インターチェンジ近くにオープンするといいます。

 環境面に配慮した店舗で、天窓やガラス面を生かして自然光を取り入れ、照明を節約し、入り口付近にエアカーテンを設け、外気の流入を抑制し空調の効率を向上させるといいます。また、外壁の断熱材の一部には店舗で回収したユニクロの衣類を細断して再利用しているそうです。これによって、消費電力は従来店に比べ約40%削減できる見込みといいます。

(資料:ファーストリテイリング

人が集まる場所に

店舗デザインを監修した佐藤可士和さんは「物を買うだけならネットで十分な時代に、お店に来る楽しみを用意して迎えることが必要。社会に開かれた店として、地域活性化につなげたい」とコンセプトを説明した。(出所:東京新聞

ユニクロの企業姿勢を知っていただく店舗」として、外観にはオブジェのような巨大なロゴを設置したといいます。

(画像:ファーストリテイリング

ロゴのオブジェ部分の一方にコーヒー販売スペース、もう一方にキッズエリアを設けた。キッズエリアにはベンチクッションや絵本などを用意。店舗前の芝生スペースはイベントやキッチンカーでの販売を行い、家族連れらが楽しく過ごせる空間を目指した。(出所:東京新聞

 読売新聞によれば、ユニクロ担当者は「いまユニクロが環境のためにできることを詰め込んだ店舗。国内外で取り組みを進めたい」と話していたそうです。

環境配慮

 店舗で消費される電気エネルギーのほとんどは照明や空調のためにに使用されているため、その消費を抑えるためのさまざまな省エネ技術を採用したといいます。

ユニクロの新しいロードサイド店舗「UNIQLO LOGO STORE」2023年4月21日(金)オープン 「ユニクロ 前橋南インター店」の環境に関する取り組みについて | FAST RETAILING CO., LTD.

 こうした削減もあり、屋上に設置された太陽光パネルによる発電で、消費電力の約15%をまかなうことができるようになるともいいます。

環境認証の取得

 この新しい店舗は、国土交通省ガイドラインに基づく第三者認証であるBELS「建築物省エネルギー性能表示制度」の最高ランク5つ星を獲得し、「ZEB Ready」の認定も受けているそうです。

 その基準となる「BEI値(Building Energy Index)」は「0.33」になっているといいます。

(資料:環境省

「ZEB」とは、経済産業省資源エネルギー庁が推奨する「先進的な建築設計によるエネルギー負荷の抑制や自然エネルギーの積極的な活用、高効率な設備システムの導入等により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物」のことをいいます。

世界における認証制度

 環境省によると、こうした個別の建築物の環境性能を評価・認証する制度は世界各国に存在するといいます。

「世界の主な建物の環境認証制度」(資料:環境省

 グローバル企業であるファーストリテイリングが、こうした店舗を全世界に拡大させていくのなら、これを先行事例、ベストプラクティスにして、日本発の建物の環境基準が世界スタンダードになるように、国際社会に働きかけてもいいのではないでしょうか。

 

「参考文書」

ユニクロ新方式路面店第1号 「前橋南インター店」あすオープン 「来店の楽しみを用意」:東京新聞 TOKYO Web

ユニクロ、環境型の新店舗を前橋でオープンへ…太陽光パネルやエアカーテンで電力4割削減 : 読売新聞

評価・認証・表示制度 | 環境省「ZEB PORTAL - ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ゼブ)ポータル」