楽天モバイルの苦戦が続き、楽天グループの業績も一向に改善の兆しが見えないようです。有利子負債がかなりの額となっており、財務体質への懸念も高まっているといいます。
楽天、赤字825億円 携帯事業で苦戦、投資抑制へ―1~3月期:時事ドットコム
報道によれば、楽天モバイルは、KDDIとの間で新たなローミング契約を結び、東京と大阪、名古屋の大都市の回線を借りるといいます。また、三木谷社長は会見で、「可及的速やかに自社のネットワークを構築する必要がなくなった。それほど急がなくてもいい」と述べ、自前での建設計画を先延ばしする考えを明らかにし、設備投資を抑え、財務基盤の改善を目指すようだといいます。
また、この基地局整備においては、元部長らの不正請求による詐欺事件が起き、これまでの立件総額は約100億円にも及んでいるといいます。
楽天モバイル元部長ら再逮捕 詐欺容疑、立件総額100億円に―警視庁:時事ドットコム
楽天モバイルの強みとすべき重点課題であった基地局整備における不祥事ということがとても気がかりです。ガバナンスに疑問が生じてもおかしくない事態のように思います。
引き際
また、記者会見では、来月に始める新たな料金プランを発表し、KDDIの回線によるローミングでのデータ通信量について、毎月5ギガバイトの制限を撤廃するとしたそうです。
崖っぷち楽天モバイル「最強プラン」の破壊力 | インターネット | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
「起業家に成長期待するという日本という国の未来の重要事」といい、楽天モバイルに風が吹くのか? 楽天グループの業績は底を打つのか? そして三木谷浩史氏は第一線にとどまれるのか? (出所:東洋経済オンライン)
東洋経済オンライン記事は三木谷氏を擁護するかのようですが、どうなのでしょうか。悪く言えば、迷走しているようにも見えます。
会社の発展を思えば、引き際を考えてみるのもいいのではないかと思います。人心を一新し、新たな企業文化の上に成長を目指すのもよいですし、よき人材にバトンタッチできれば起業家としての良き成功事例として称えられそうな気がします。
好調なユニクロ
一方、柳井正氏のユニクロは大きく成長し、グローバル企業として飛躍を続け、好調を持続させているようです。
UNIQLOがアメリカを「征服」する日 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
ユニクロの収益にとっては、値引きをなくすこと以上に、物流管理をきっちりやることのほうが重要だったのではないでしょうか。ユニクロはRFID(無線自動識別)テクノロジーのリーダーであり、このモデルを全面的に採用しています。在庫を最後の一品まで把握しています。レジの精算はすばやく終わり、セキュリティも確保され、在庫精度も高い。店頭で商品を見つけることができ、値引き(マークダウン)も容易で、(注文した商品の)受け取りも迅速で正確。そして低価格。顧客や取引先にとって、これ以上望むものがあるでしょうか? ユニクロが拡大に成功するには、商品、ブランド、テクノロジーという強みにこだわっていくだけでよいでしょう(出所:Forbes)
米国現地の記者も絶賛のようです。何が異なる点なのでしょうか。
新しいテクノロジーによって、日々の困りごとを改善し、その積み重ねが世でいうDX:デジタルの変革となり、改革が絶え間なく続き、それがまた企業文化になり、強みになっているのかもしれません。
「参考文書」
楽天G三木谷社長“携帯基地局整備 自前の建設計画先延ばしへ” | NHK
楽天グループ、西友HD株を全て売却 米KKRに - 日本経済新聞