Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【広がるカーボンニュートラル】木のように働く自販機、藻場再生のワークショップ

 

「CO2を食べる自販機」、自動販売機周辺の大気を吸いこみ、その中のCO2を吸収する特殊材を搭載した自販機内の実証実験をアサヒ飲料が2023年6月から始めるそうです。 木と同じように大気中のCO2を吸収する役割を果たすといいます。

(写真:アサヒ飲料

 アサヒ飲料によれば、CO2濃度が高いとされる屋内に加え、屋外などさまざまな場所に約30台設置し、CO2吸収量や吸収スピードなどを比較・検証し、2024年から本格展開を予定しているといいます。また、同時にCO2吸収能力の高い素材開発も進めることで、将来的にはCO2排出量と吸収量が同等となるカーボンニュートラルを実現する自動販売機の展開を目指していくといいます。

国内初、CO2の資源循環モデルの実証実験を6月から開始|ニュースリリース 2023年|会社情報|アサヒ飲料

 自動販売機から吸収したCO2は、さまざまな工業原料として活用することを計画、吸収材を肥料に配合し土壌に散布することでCO2の土壌貯留を図るほか、海中での藻場造成などに活用することでブルーカーボン生態系の再生を図ることなどを検討しているそうです。この他、コンクリートの原料に配合しCO2の固定化なども候補に上がっているといいます。

ちょっとユニークな取り組みのように思います。コンクリート原料でのCO2固定化もいいのでしょうが、自然の中に戻して再利用していくのも良さそうな気がします。

 

 

海の砂漠化対策 

日本全国の海では今、海の砂漠化といわれる「磯焼け」が問題になっているといいます。海藻が著しく減少・消失し、海藻が繁茂しなくなっているそうです。

 これも地球温暖化の影響といわれ、海水の温度が上昇し、海藻が成長できずに枯死したり、冬でも海藻を餌とするウニや藻食性の魚類などの摂餌活動が活発化するため、食害によって藻場が衰退しているそうです。藻場が回復できれば、生態系や社会も守られ、また海藻が生い茂ることでCO2の排出量も抑えられるといいます。

葉山のひじきワークショップに見る環境活動の理想形 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 葉山町では、 漁師や研究者、ダイバーなどを中心に、磯焼けした海に、海藻・藻場を甦らせる活動を行なっているそうです。また、「ひじきのワークショップ」を開催して、子供たちがひじきの生えている磯で遊び、魚やカニやエビ、ウミウシなどを観察しながら、遊びを通して生態系についての理解を深めていくといいます。また、ひじき漁を見学したり、ひじきを洗ったり煮たりするなどの手伝いもするそうです。

「子供も大人も思いっきり遊んで、自然の素晴らしさを体感し、楽しく&美味しく学びを得たり、小さくとも地に足のついたアクションへ繋げていくような活動に、もっと注目していく必要があるのではないだろうか」と記事は主張します。

 自分たちの生きる環境を自分たちの手で少しづつ整えていくようなこの葉山の取り組みに魅力を感じます。

 今後、逗子や鎌倉、横須賀など隣町との連携も視野に入れているそうです。連携がをさらに広げるために、企業のサポートが加わるといいのかもしれません。

 

 

カーボン・クレジットの創出

 住友林業NTTコミュニケーションズが連携し、森林経営による二酸化炭素(CO2)の削減量や吸収量を「炭素クレジット」として売買できる仲介サイトを来年春までに開発するといいます。

森林保全のCO2取引サイト 住友林業とNTTコミュニケーションズ - 日本経済新聞

課題だった提出書類の煩雑さや開示情報の不透明性なども手続きをシステム化することで効率化する。森林由来クレジットの流通を加速させ、後継者不足が懸念される林業従事者の確保にもつなげる。(出所:日本経済新聞

(資料:住友林業

  こうした取り組みの裾野が拡がり、市民活動においても簡便に利用できるようになってもよさそうな気がします。少額のクレジットになってしまうのかもしれません。しかし、それが活動資金となり、活動を永続的なものにできるようにしていくのも大事なことのように思います。

 

「参考文書」

「CO2を食べる」自販機 アサヒ飲料「都会に森を」逆転の発想:日経ビジネス電子版

住友林業とNTT Com 森林価値創造プラットフォームのサービス提供に向け協業開始~日本初 森林由来カーボン・クレジットの創出、審査、マッチングを包括的に支援~ | 住友林業