Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

マイナンバーカードの失態、進まないDXの実態

 

 マイナンバーカードの失態、問題が次々と明るみになっています。残念な事態です。真の原因を捕まえて根本から対策できないと信頼回復につながらないのではないでしょうか。

 国内IT大手の富士通が開発したマイナンバーカードを利用する「コンビニ交付システム」でも各種証明書の誤発行が相次ぎ、富士通Japanならび富士通が謝罪する事態になりました。 

 その富士通グループは今、経営改革を進めている只中にあるといいます。

富士通でこのようなレベルなら、多くの日本企業は相当に危ないのではないか。(出所:プレジデントオンライン)

 日本のDX「デジタルによる変革」を牽引すべき存在の富士通が、社員が会社の成長や未来について、無関心で、そのレベルは想像を超えるものだったといいます。

社員は“マジメで勤勉”なのに、会社はアナログのまま…富士通の「DX請負人」が痛感した日本企業の重大な欠陥 日本企業が時代遅れになった根本原因 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

会社を変革することに対して、実は抵抗勢力らしき存在がいませんでした。みんなが変革には賛成する一方で、会社に対するエンゲージメントが非常に低く、何のために富士通にいるのか、何のために仕事をしているのかを考えているように見える社員が少なかった。 (出所:プレジデントオンライン)

 こうした空気感が仕事の質の低下を招くようなことになったりするのでしょうか。

 

 

「会社が進んでいる方向性について、社員に疑問を抱かせないような環境を会社自身がつくっている」、 SAPジャパンの元代表取締役で、現在富士通の最高DX責任者 CDXO、最高情報技術責任者 CIOを務めるる福田氏は、富士通に転身した直後、そう気づいたそうです。

 記事は、富士通が「パーパスカービング」という取り組みで、社員の意識に変化が生じたと紹介しています。「パーパスカービング」とは、個人が働くことや生きることの意義を改めて見つめ直した上で、企業のパーパスと自己のパーパスを掛け合わせ、そこで生まれる多様な力を変革の原動力にするという取り組みといいます。

都庁のDXを推進したヤフー元社長

 元ヤフーの社長で東京都の副知事に転身した宮坂氏の都庁でのDXを推進を日経ビジネスが紹介しています。

爆速経営で挑んだ都庁のDX 元ヤフー宮坂学が語る3年半の格闘:日経ビジネス電子版

 セキュリティーを重んじる行政、インターネット接続に制約があったそうですが、宮坂氏自身がデジタルをもっとやろうと声を掛け、DXの事例を増やしていったといいます。

 都政をオンラインに移管する「バーチャル都庁」を構想、推進し、窓口で行ってきた行政手続きの70%程度が来年度中に全てオンラインでできるようになるそうです。また、職員の働き方改革を進め、業務のペーパーレス化を進め、都庁の本庁舎でのファクスの利用は19年度比99%減になり、ビジネスチャットアプリ「Teams」も職場で使えるようにしたといいます。庁内システムを刷新したり、システム間連携をさせたりすることも進めることができようになったそうです。

 

 

業務をデジタルで変えることができると信じる人、変えようと思う意志のある人を増やすことこそがDXです。デジタルは面倒くせえなとか、俺には関係がないとか、人々の反応は最初そんなものです。そんななか、デジタルのスキル(技能)より前にウィル(意志)をいかに多数の人が組織で持てるかがカギを握ります。(出所:日経ビジネス

「まだまだ行政のDXはレベルが低い」と言われていることは宮坂氏は承知しているとしたうえで、「DXは現状を持続的によくしていくことこそが重要」といい、「10年間にわたって業務の改善活動を続けられれば、複利効果が効いて飛躍的な改善につながる」と語っています。

 行政においても民間企業においても抱える問題の根っこは同じで、多くの社員が変革の必要性をまったく感じていないことにあるといってのいいのでしょうか。

他人任せなのか、伸びるコンサルティングサービス

「新規の案件は引き受けたくても引き受けられない。人手が足りないからだ」。

 大手コンサルティング会社から相次いでこんな声が聞こえてくるそうです。

「DX:デジタルによる変革」に取り組む企業の増加を受け、専門的な知見を基にアドバイスするコンサルティングサービスの需要が伸びているといいます。

「DXコンサル」もう古い 新型サービスに舵 | 日経クロステック(xTECH)

プロジェクトを引き受ける前に顧客と話して、改革をしたいといった意欲が少ないなど当社と合わないと事前に分かる場合は、リソースを考慮して依頼されても受けないことがある(出所:日経クロステック)

 PwCコンサルティングの幹部がこう語っているそうです。

 他人任せの風潮は、何も都庁や一部の大手企業ばかりではないということでしょうか。国、官庁はどうなのでしょうか。

 

「参考文書」

当社「コンビニ交付」システムに対するデジタル庁様からのご要請について : 富士通Japan株式会社