Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

仕事に役立つChatGPTを使いこなすスキルと扱うセンス

 

 ChatGPTなどのAIが急速に普及しはじめています。その有用性が説かれる一方で、それによって、さらに社会の不確実性が増し、混沌とし、さらに複雑化していくようにも思えます。

孫泰蔵×堤大介「AI時代、人間が正解ばっかり求めてどうするの?」:日経ビジネス電子版

「最も危機感を覚えたのは、今までの学校で優秀だとか成績が良いといったことが、まったく意味がなくなる ......」、AIについて、孫泰蔵氏が警鐘を鳴らします。

学校は私が40年以上も前に通っていた時と基本的に何も変わっていない。いよいよAIが普及していく中で、みすみすAIに取って代わられるような知識や能力をいまだに教えている。そして一生懸命、真面目に頑張った子ほど、社会に出れば真っ先にAIに置き換えられてしまう。そういう状況をものすごく不幸なことだと感じました。(出所:日経ビジネス

 

 

 そうなのかもしれません。学校は過去を学ぶものであって、未来が教材になることはないのでしょう。登場したばかりの新しいテクノロジーもまた然りではないでしょうか。ChatGPTをどう活用すべきかと悩む人がいるのも、そんな教育の影響なのでしょうか。

私たちには「正解を探す」という思考が染み付いていますよね.....(中略)。多くの人が「先に正解を知りたい」という思考回路になるのは、やはり学校教育で正解を求められ続けてきたからだと思います。(出所:日経ビジネス

ChatGPT指南書をどう活用するか

「ChatGPTは、結構知ったかぶりしてウソをついたりするので、検索エンジンのように使うのはお勧めしない」と、noteのCXOを務める深津貴之氏が指摘しています。しかし、「コツを押さえて使うと、アシスタントのように使えて仕事にとても役立つ」といいます。

三流は情報収集に使い、二流は自分がラクをするために使う…一流の人の「スゴいChatGPTの使い方」 自分の能力を上げてくれるコーチ、トレーナーの役割 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

ChatGPTは、こちらが与えた前提に合致しそうな回答を返してくるので、与えた指示が漠然としていると、求めているような精度の高い回答は出てきません。つまり、ChatGPTの性能を決めるのは「人間の質問力・指示力」です。(出所:プレジデントオンライン)

 深津氏は、「深津式プロンプト・システム」を考案、欲しい答えを得るためにどんな指示をすればいいのか、初心者向けのテンプレートを作ったそうです。

「人間が集めた情報を「入力」のところでChatGPTに与えて、その後の作業を手伝ってもらうのが、賢い使い方」だそうです。

 

 

 また、ChatGPTを、コーチやメンター、パーソナルトレーナーのように使うのもお勧めといい、ChatGPTに社長や事業部長の役割を与えて、自分が書いた企画をレビューさせ、あいまいなところや足りない要素はないか確認する。これを繰り返すと、「この内容だと上司からこんなツッコミを受けるだろうな」と予測できるようになり、自分の成長につながるといいます。

 また逆に、自分が上司なら、評価基準や判断基準をChatGPTに伝え、自分の代わりに部下から上がってきた書類のスクリーニングをさせるという使い方もできそうと指摘、「自分はこんな基準で判断するから、自分が書いた書類はまず、ChatGPTを使ってレビューするように。そこをクリアしたものだけ提出するように」とすれば、チーム全体のクオリティーが上がるのではないかと思いますといいます。

 新しいサービスが登場すれば、正解ではないにしても、それなりの指南書は出てくるものです。

 その指南書に学び、それを繰り返し実行するようにすれば、スキルは身につき、それを高めていくこともできそうです。さらに頑張れば専門家の一端になれるかもしれません。ただ新しいテクノロジーが登場すれば、また同じことを繰り返す必要がありますが。

 一方で、その活用事例を多く学んで、それを扱うセンスを磨くのもいいのかもしれません。案外こちらの方が、新しいテクノロジーが登場したときにつぶしが効くのかもしれません。何事も活用次第、その活用の仕方で差が生まれるということでもありそうな気がします。

 この複雑で、不確かな時代にあっては、スキルを身につけるだけではなく、仕事のセンスを磨いてみるのもよいのではないでしょうか。