米OpenAIが新製品GPT-4oをリリースし、その性能のスゴさから大盛り上がりになりました。どんな未来がやってくるのかとワクワクする一方で、脅威を感じる人もあるのでしょうか。
それにしてもAI覇権をがっちり抑えられてしまったとの感が否めません。従来型の日本企業にこの先、勝ち筋はあるのだろうかと不安がよぎったりします。
かつて強かったハードウエアも衰退の一途のようです。シャープは大型液晶事業の国内生産を終了させるといいます。グローバルに勝負できるモノが徐々に少なくなっていくようです。かといってソフトに強みがあるかといえば、そうとは言えそうにもなく、デジタル敗戦、デジタル後進国との言葉で表されるようにハードウエアどころではない悲惨さです。
一方で、世界を席巻する巨大テクノロジー企業と言えば、今ではソフト、ハードどちらも強みになっていそうな気がします。もうソフトだのハードだのという時代ではなく、両輪揃えて新たなバリューチェーン、エコシステムを構築することが求められていそうです。
米グーグルの自社製スマートフォン「ピクセル」の最新低価格機種「8a」の販売が始まったそうです。日本での販売価格は7万2600円。最新の独自半導体「テンソルG3」を搭載し、AI人工知能を使って利便性を高めているといいます。なかなかの評判のようです。
米アップルはタブレット型端末「iPad」の最上位機種「プロ」の最新モデルをはじめてそうです。価格は16万8800円から。独自開発の半導体「M4」を搭載し、AI 人工知能の活用など性能と電力効率を高めているといいます。
マイクロソフトは、AIの実行に適した新たなPCカテゴリ「Copilot+ PC」を新設し、これに対応した新型PC「Surface Pro」「Surface Laptop」を発表しました。この新しいAIパソコンは、インターネットにつながなくても生成AI機能を簡単に使えるといいます。
AIパソコンは2025年に「かなり一般的」になる-マイケル・デル氏 - Bloomberg
AIなどの新しいサービスには、それを支える半導体などのテクノロジーと、それを普及させるためのハードウエアとモノづくりが必須になっていると感じます。
中国では、スマホからスマート家電まで手がけるシャオミ(小米/Xiaomi)が、EV電気自動車に進出、最初のモデル「SU7」を発売しました。販売開始からわずか27分で5万台を超える予約注文があったといいます。
多彩な商品をもち、熱烈なファンにささえられた一大経済圏ができあがっているようです。
シャオミは、EVというハードのみで収益化を目指しているわけではないのだ。ヒト(スマートフォン)、クルマ(EV)、ホーム(スマート家電)を通じてユーザーにサービスを提供し、そこから得られるビッグデータを収集・解析することでさらなるユーザーエクスペリエンスの向上を目指し、そのエコシステム全体で収益を上げていこうとしている。(出所:東洋経済オンライン)
そうなのかもしれません。新しいサービスを楽しむにしても、それを駆動させる最新のハードが欠かせなくなっています。またモノは人々の物欲を満たし、アプリはさらに利便性を向上させます。結局、どちらに一方に偏ることなく、両輪そろってビジネスチャンスが大きく膨らみ、マネタイズポイントも増えそうです。世界を席巻しリードする巨大なグローバル企業を見れば、疑いの余地はなさそうです。
ハードを軽んじソフトばかりを重視する、その偏重した考えが多くの日本企業をダメにしたのかもしれません。この遅れを挽回するには長い時間がかかりそうですが、チャレンジする価値はあるのかもしれません。
「参考文書」
新スマホ「ピクセル8a」発売 14日から、7万2600円―米グーグル:時事ドットコム
新iPadプロ、15日発売 半導体「M4」、16万8800円から―米アップル:時事ドットコム
Apple、M4チップを搭載した美しく新しいiPad ProとApple Pencil Proを発表 - Apple (日本)
PC各社、AIチップとArm搭載「Copilot+ PC」を一斉発表 新Surfaceは「M3 MacBook Airより高速」 - ITmedia AI+