Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

ゲリラ豪雨、変わる夏の気候、脱炭素の現在地

 岸田首相が自民党総裁選に出馬せず、総裁任期をもって退陣するそうです。その胸中を記者会見で語っていました。GX:グリーントランスフォーメーションや原発の再稼働、エネルギー基本計画などにも言及、それらが成果と強調していました。

福島第1原発の燃料デブリ取り出し中断、手順にミス 再開めど立たず | 毎日新聞

 それまでの遅々たる動きからしたら、たしかに成果といってもいいのかもしれません。しかし、それでよかったのかと問えば、多少なりとも疑問はありそうです。ほんとうに脱炭素が実現し、気候が穏やかな方向に転じ、みなが安心して暮らしていけるようになればいいのですが。

 

 

 この夏の猛暑を思えば、脱炭素にサステナビリティから目を背けることはできません。解決しなければならない社会課題は多々あり、どれもこれも優先度は高そうです。しかし、最優先事項にあげるべきは脱炭素にサステナビリティではないでしょうか。この解決のために色々なアプローチがあってもいいのでしょうが。

「ルールをつくってルールで縛る、地球が悲鳴を上げているのに、なぜルールを決めなければ実現できないと考えてしまうのか。なぜそういう社会をつくろうとしてしまうのか」と経済同友会の代表幹事を務めるサントリーの新浪社長が欧州主導のサステナビリティーの動きに疑問を呈します。

自然が失われれば社会は滅び、社会が滅びれば人間は生きていけない。当たり前の道理です。自然に生かされているのが人間だとするならば、そこに本来必要なのは道徳のはず。日本には古来より、ありとあらゆるものに命が宿る考え方があります。そこにある美徳こそが重要であり、日本で育てられたサントリーが使命として背負っていなければならないものです。(出所:日経ビジネス

 道徳ベースでの取り組みを主張します。一方で、原発再稼働の遅れなど「不都合な真実に正面から向き合ってほしい」と政府の次期エネルギー基本計画の議論に注文を付けたりします。自然を壊し、地域社会を破滅させてしまった原発事故、その後もずさんな対応が目立つ政府に原発事業者たち。彼らの道徳はどうなっているのでしょうか。

 

 

 日本のエネルギーコストの高さを問題視、そのままでは実質賃金が上がらないことが、新浪氏の原発推進の理由のようです。低廉で安定したエネルギーの確保が恒常的賃上げの源泉ともいいます。また、昨今の経済をとらえては、「今は衰退か挑戦かの転換のポイントだが、絶対に挑戦を選ぶべきだ」と主張し、「国は規制を取り払い、国民や企業はアニマルスピリッツを持ち、挑戦していくべきだ」と呼び掛けているといいます。

「日銀ぜひ利上げを」=現在は「超円安」―同友会・新浪氏 | 時事通信ニュース

 経済同友会が掲げる社会課題の解決を通じて成長を目指す「共助資本主義」の実現に向けてでもあるそうです。道徳とアニマルスプリットでは少々折り合いが悪そうな気もします。1万円札の渋沢栄一のように「論語と算盤」で道徳と経済を両立させ、利潤追求と社会貢献が同時に叶えばいいのでしょうが、そのためには徳を積まなければならず、学び続け教養を高め、最新の知見を取り入れて常に頭脳をアップデートさせ続けなければなりません。

 時に、ルールに頼り規制を強化してもいいのではないでしょうか。みなが道理に従って行動できるわけでもなく、現実、政治においてもそうしたことが多々見受けられます。厳格なルールを作れば、それが規範となっていくのでしょう。また、ルールや規制を作ろうとすれば、より良いものにしていこうとの情熱が生まれるものですから。

 

 

 昨夜、ものすごいゲリラ豪雨が都心を襲いました。明らかに夏の気候が変わってきているようです。

都内で大雨、帰宅時間直撃 新宿駅では水漏れ、構内で傘差す姿も [写真特集1/5] | 毎日新聞

 これがこれからの日常なのでしょうか。この流れを止めて、対策を効果的に実行することができるのは誰なのでしょうか。政治も経済も変えるときがやってきているように思えてなりません。作り替えることができればいいのに.....と思いながら総裁選のニュースを眺めています。

 

 

「参考文書」

[新連載]新浪剛史氏「主流に解はない」 プロにならないという顧客志向:日経ビジネス電子版

 


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