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脳内に蓄積するマイクロプラスチック、トランプさんは紙ストロー廃止といいますが

 その発言で物議をかもすトランプさん。連邦政府機関の施設で紙ストローを廃止する大統領令に署名していました。

トランプ氏、紙ストロー廃止の大統領令 「破れる」 - 日本経済新聞

 「プラスチックが海で泳ぎながら食べているサメに大きな影響を与えることはないと思う」、とトランプさんは語っていました。ここでもバイデン前大統領を批判し、使い捨てプラスチック製品の削減政策を後戻りさせようとしているようです。

 

 

 それとは裏腹に、人体に取り込まれたマイクロプラスチックが、脳内に高濃度で蓄積される可能性があるとの研究結果がまとまったといいます。

プラスチック微粒子、脳内に蓄積 腎臓や肝臓より7~30倍の濃度 | 共同通信

 調べた遺体の脳には、腎臓や肝臓より7~30倍の濃度のマイクロプラスチックが含まれていたといいます。

脳内で最も多く発見されたのは、レジ袋や洗剤容器などに広く使われるポリエチレンだった。微粒子はプラスチック製品が劣化して生じるため、環境中の微粒子の濃度が高まり、人体に取り込まれたとみられる。(出所:共同通信

認知症の人の脳からも、そうでない人よりも高濃度のマイクロプラスチックが見つかったといいます。因果関係は不明で、認知症を引き起こす可能性を示唆しているわけではないそうです。現時点では、健康への影響は不明点が多いといいます。

 こうしたニュースがトランプさんの目に留まることはないのかもしれません。

 大気中を浮遊しているマイクロプラスチックが気候と天気に影響を与えているかもしれないという研究結果もまとまっています。

マイクロプラスチックが天気を変化させているかも | ギズモード・ジャパン

研究では、マイクロプラスチックが氷の形成に与える影響によって、温暖化が促進するのか、冷却効果のほうが強くなるのかについては触れていませんが、地球のエネルギー収支と天候パターンに影響を与える可能性があると指摘しています。(出所:ギズモード)

 研究チームは今後、マイクロプラスチックが雲の形成に与える影響をモデル化していくそうです。気になる研究です。

 

 

「脱プラ」の国際的な議論がなかなかうまくかみ合わないようです。プラスチックごみによる環境汚染を防ぐ国際条約作りを進める政府間交渉委員会が昨年12月、韓国・釜山で開かれましたが、条約案の主要項目について合意できませんでした。

プラスチック環境汚染防止条約、国際的合意できず再協議へ | ロイター

 産油国の中東諸国は、プラスチック廃棄物のみに条約と規制を限定するべきと主張し、100カ国以上のプラスチック生産規制導入論と折り合いがつかなったといいます。

プラスチック生産規制に加え、プラスチック製品と関連する化学物質の管理、途上国が条約で定めた義務を履行するための資金などでの対立が最も大きかった。(出所:ロイター)

 トランプさんの紙ストロー廃止発言がこの先何か影響を及ぼすことはあるのでしょうか。しらっと背を向け、「脱プラ」の議論を深め、あるべき仕組み作りを確実に進めるべきなのでしょう。まだ研究途上のマイクロプラスチックの悪作用が明らかになってからでは手遅れになってしまうのですから。

 

「参考文書」

脳内には「スプーン1本分」のマイクロプラスチックが蓄積 認知症にも影響か | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 

 とかく話題となるオレフィン系やエンプラ、汎用樹脂まで様々なプラスチックスを調達することを仕事にしていた身からすると興味あるテーマです。もうかなり前のことですが、当時から当たり前のように自分たちでマテリアルリサイクルはしていました。環境負荷低減というよりはコストダウンというイメージの方が強かったですが。それでも梱包材の脱プラについては環境負荷低減ということで取り組みを求められることがありましたが、当時はなかなか進められずにいました。こちらは脱プラがコストアップになることが理由でした。当時はそれも許されていましたが、もうそれも許されない時代になのでしょう。そういう環境になったからこそ、できることが多々あるような気がします。技術開発もだいぶ進んできているのですから。