3月使用分(4月請求分)の電気料金が2月に続いて値上げになります。LNG 液化天然ガスなどの燃料価格が上昇し、政府が物価高騰対策で支給している補助金を減らすことに影響といわれています。
3月の電気料金上昇、最大411円 政府の補助半減で―電力10社:時事ドットコム
補助金は3月使用分で打ち切られるため、4月使用分はさらなる値上がりが見込まれているといいます。
政府が閣議決定したエネルギー基本計画とは裏腹の状況です。その基本方針には「S+3E(安全性 Safety)、自給率(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)」とあるのに、なぜと思うばかりです。
「エネルギーは国益」、それが世界の常識だといいます。それからしても、エネルギー自給率が低い日本は、国富の流出を止めるためにも、化石燃料の依存を可及的速やかに低減させなければならないはずです。そうでないと経済効率性の高いエネルギーシステムを構築することができません。
国富を考える第3部予告編 消えた国富26兆円 - 日本経済新聞
2023年の貿易収支額は26兆円の赤字、輸入する燃料の価格高止まりや円安の影響といいます。再生可能エネルギーの導入拡大や原子力発電所の再稼働を通じた輸入依存の低減が課題といいます。それゆえの「第7次エネルギー基本計画」のかもしれません。

しかし、この計画の実現可能性はどこまであるのでしょうか。実現できなければ、いつまでたっても自給率も経済効率性も向上しませんし、低廉で環境適合性に優れたエネルギーシステムの実現はできせん。
エネルギー基本計画に40年度の電源構成をこうあるべきと記すのはよいことなのでしょう。しかし、再エネを4〜5割程度、原発は2割程度とすることは実現可能な目標なのでしょうか。実現できない目標など意味がありません。
東電 柏崎刈羽原発
東京電力が再稼働を目指している柏崎刈羽原発7号機のテロ対策施設の完成が遅れ、設置期限の今年10月に間に合わないと発表しました。仮に地元同意が得られ、再稼働させることができても10月には停止しなければならないそうです。それでも東京電力は短期間でも再稼働させたい考えを示しているそうです。
柏崎刈羽原発の再稼働 地元の同意はないが…東京電力「6号機は今夏にも」 テロ対策施設の工事遅れめぐり:東京新聞デジタル
7号機の工事が遅れたのは難工事だった上に人手不足の影響もあったといいます。一方、再稼働の準備は進み原子炉に核燃料の装塡は昨年4月に完了していたといいます。ずさんな計画、適切にマネージされていないとの印象を強く受けます。こんな状態で再稼働を地元新潟県にしてよいものなのでしょうか。いつまでも原発不信が解消されないのもこうした実態があるからではないでしょうか。
東京電力の財務基盤悪化
東京電力ホールディングスの財務基盤が悪化しているといいます。決算は発表の場で、今年3月期の決算で事業活動のあとの手元の現金が7年連続でマイナスになるという見通しを示されました。
東京電力ホールディングス柏崎刈羽原子力発電所の避難路、76カ所で要対策 新潟県が見解 - 日本経済新聞
柏崎刈羽原子力発電所の安全対策などの費用が膨らんでいることが主な理由といいます。金食い虫の原発というところでしょうか。
安全性に疑義が残り、費用がかさみ、再稼働するための計画とその実行がおぼつかない原発。はなからエネルギー基本計画は破綻しているように映ります。
複雑で不確実な時代といわれます。こんなことではほんとうに日本が終わることになりそうです。
「参考文書」
電気代、もう下がらない 脱炭素・AI普及で構造一変 - 日本経済新聞
2月電気代、8社で値上がり 石炭やLNGの輸入価格上昇が影響 都市ガス4社も引き上げ - 産経ニュース
原発推進に大転換 「エネルギー基本計画」10のQ&A - 日本経済新聞
東京電力HD決算 柏崎刈羽原発の安全対策などの費用が膨らむ | NHK | 各地の原発
原子力動かす覚悟はあるか 「国策民営」の呪縛を解く時 - 日本経済新聞
「再生可能エネルギーは高い」日本だけ? 太陽光発電、世界でコスト9割減 - 日本経済新聞
東海第二原発 中央制御室火災で規制委 “深刻に捉えている”|NHK 茨城県のニュース
政府 エネルギー基本計画決定 “再生可能エネルギーを最大電源に 原子力も活用” | NHK | 脱炭素社会への動き
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