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第7次エネルギー基本計画、原発回帰、足を引っ張る東京電力

 東京電力が経営に苦しんでいます。福島第1原発事故の処理費用が膨らみ続けているからだといいます。賠償などにかかる費用の想定は計23・4兆円にも及ぶそうです。

原発・出口なき迷走:なぜ東電が払うべき9.2兆円が国民に? 電気代に上乗せされた賠償金 | 毎日新聞

 東電は賠償や廃炉、除染の費用を捻出するため再建計画を策定、数年ごとに改定してきました。第5次計画を今年3月までにまとめる予定でしたが、経営再建のかなめの柏崎刈羽原発の再稼働が進まず、計画の見直しが遅れる事態となっています。

 

 

 2021年に策定した再建計画「第4次総合特別事業計画」では、柏崎刈羽原子力発電所を22年度以降、最大3基が再稼働することにしていました。しかし、その前提は崩壊しています。

東電再建計画、柏崎刈羽原発1基を新年度に再稼働…国に1・9兆円追加支援を要求 : 読売新聞

 東電がその「第4次総合特別事業計画」を変更したそうです。除染や処理水放出、賠償などの費用が1767億円増え、国に1.9兆円の追加支援を求めているといいます。柏崎刈羽原子力発電所の再稼働は25年度に1基とし、国から認定を得たといいます。

 柏崎刈羽原子力発電所は25年度に再稼働できるのでしょうか。テロ対策施設の完成が遅れに遅れています。いまだに地元の同意も得られていません。せっかく国から認定を得ても、計画の実現性が危ぶまれる事態です。

 ろくに計画を立案できない東電、それを黙認してしまう国、この国の原子力政策は非常に危ういものになっていそうです。これでは、閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」もあやしいものに見えてきます。

 

 

 その新しいエネルギー基本計画では、「原発回帰」の方針が確認されました。しかし、原発が今ではお荷物のような存在になってきているようにみえます。それをエネルギーの中核に据えることはリスクではないのでしょうか。

 資源エネルギー庁村瀬長官は「完璧な電源はない、バランスの取れた構成が不可欠」といいます。 世界情勢が大きく変化し、地政学リスクが高まり、改めてエネルギー安全保障や安定供給という観点を考慮せざるをえなかったといいます。

資源エネルギー庁・村瀬長官「再エネだけでは課題解決難しい」 原子力にかじ:日経ビジネス電子版

 また電力需要が急激に伸びることを想定しなければならないといいます。そうなのかもしれませんが、原発がそれを補うことのできるの存在にほんとうになれるのでしょうか。国が後押しをしても再稼働が進まない現実があるのに......

 このような状態で、低廉であり、なおかつ安定的にエネルギーが供給されることはなさそうです。いつまで高い電気料金を負担し続けなければならないのでしょうか。

 

 

 東京電力ホールディングスの小林喜光会長が日本生産性本部の会長に就任するそうです。日本生産性本部は、日本の経済発展に向けて経済界と労働界、学識経験者が共同で調査や提言などを行う団体だといいます。

日本生産性本部 茂木友三郎会長が退任し小林喜光副会長就任へ | NHK

 まともに東電を立て直すことができず、日本経済の足を引っ張ているような人物を日本生産性本部の会長に就任させるとはどういうことなのでしょうか。信じがたい人選です。

 こんなことに手を出す前に、きちんと社会と対話し、説明責任を果たし、また東電の再建を優先すべきではないでしょうか。こういう行為がまた東電の信頼回復を遅らせることになりそうな気がします。

 

「参考文書」

なぜ原発賠償を電気料金上乗せ? 高裁判決への不満と疑問 | 環境エネルギー最前線 | 川口雅浩 | 毎日新聞「経済プレミア」

どうなる再稼働 柏崎刈羽原発 - NHK NEWS おはよう日本 - NHK

生成AIのある世界と原発のある世界 欠け落ちている消費者の当事者意識:日経ビジネス電子版

電事連・林会長「原発再稼働・新増設、企業のニーズが後押しする」:日経ビジネス電子版