Up Cycle Circular’s diary

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【令和のコメ騒動】いつまでコメ高騰は続くのか

「令和のコメ騒動」が解決しそうにありません。放出された備蓄米が流通途上でスタックして、期待通りに効果をあげていないようです。ひどいあり様です。

JA備蓄米出荷、落札分の29% 農水次官が供給拡大要請 - 日本経済新聞

 農水次官が、備蓄米の大部分を落札したJA全農に対し「消費者にいち早く備蓄米が提供されることを最優先に、速やかに取引先との調整を進め、前倒しで供給の拡大を行え」と要請したそうです。政府の対応のまずさが露呈しています。

 

 

 一般競争入札で最高値の業者に落札させることが適切でなかったのかもしれません。また、それがJA全農だったことが状況を悪化させたように見えてきます。

これは暴動が起きるレベル…上がり続けるコメ価格、なぜ備蓄米放出でも下がらないのか?笑いが止まらない人たちがいる現実 Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン)

 江藤農水相の説明は、トランプさんのようにコロコロ変わっています。騒動の真因を正しく摑まえることを怠っていたからなのでしょうか。

 複合要因で騒動に発展したようですが、供給減による需給バランスが崩れたことで値が上がり、そこに消費者心理が加わってさらに高騰していったように伝わってきます。

 複雑化した問題は、きちんと要因を把握し、各々に対して対策すべきものです。データをもとにした科学的な態度が必須ということはいうまでもありません。その上で、みなが納得できる説明があって問題が鎮静化に向かうのでしょうが、それがないのですから異常事態に発展していくのも仕方ないのでしょう。

 官僚の質の問題なのか、それとも大臣なのか、どちらにしても笑うに笑えない話です。これではこの先の食料安全保障に不安を覚えます。

 

 

 今年の新米も高値になるのではないか。そんな予測もあるようです。全国各地のJAが25年度産米をコメ農家から買い取る金額を24年産比で3〜4割引き上げるそうです。

米の青田買い過熱 25年産JA買い取り3〜4割高 高値長期化も - 日本経済新聞

 備蓄米放出後もコメの品薄感は解消せず、数量確保に向け動きが始まっているといいます。他の集荷業者との競争は激しく、新米の店頭価格を押し上げる要因になるといいます。経済の原理からしてそうなるのはやむなしなのかもしれませんが、それでは農政をやっている意味もないような気もします。

......少し前まで、世界の主要国は、経済への政治介入をできるだけ避けることを暗黙のルールとしていたため、企業はグローバル化の多大な恩恵を受けた。しかし、米国が自由貿易に背を向け始めたことで状況は一変し、大国が貿易相手国との相互依存関係を利用して、国益のため他国に圧力をかける時代になりつつある。
このように力と力がぶつかり合う世界では、地政学リスクが顕在化しやすい。何の準備もなく主要な輸出先国から追加関税が25%かけられたら、輸出企業の粗利は簡単に吹き飛ぶ。自社にどのような地政学・経済安全保障リスクが潜んでいるのか直ちに精査し、対策を打つ必要がある。(「ビジネスと地政学・経済安全保障」紹介文から抜粋)

 主食米だけでなく、この先加工米も影響を受けることになりかねないそうです。酒米やもち米、加工用米といった原料米の生産が減少すると予想されているといいます。

東北の酒蔵、酒米確保に黄信号 主食用米の価格高騰受け減産も - 日本経済新聞

東北地方で日本酒造りの原料となる酒米の調達に不安が広がっている。酒米は栽培に手間がかかることから主食用米より一般的に高値で取引をされていたが、「令和の米騒動」の余波で価格が高騰して逆転した。主食用米の生産を農家が優先し、減産や生産見合わせなどを余儀なくされる酒蔵も出ている。(出所:日本経済新聞

 この他にも、味噌、米穀粉、包装もち、米菓などのコメ加工食品業界が影響を受けることになりそうだといいます。

 

 

 JA福井県五連の宮田会長が、現在の米価が異常な高さだと述べ、農家と消費者の双方が受け入れられる価格水準を目指す必要性を語ったといいます。

備蓄米放出、適正な米価議論を…JA福井県五連会長、輸入拡大案には慎重:地域ニュース : 読売新聞

米国との関税交渉で、米国産のコメの輸入拡大案が取りざたされていることについては「日本と海外で生産コストが全く違い、自由化すれば一気に国内農家はつぶれてしまう。輸出する工業製品も重要だが、食糧を作る人を大事にする国にしてほしい」と語った。また、JAのコメの集荷事業について「赤字ぎりぎりで続けており、農協がもうけを蓄えていることはない」と理解を求めた。(出所:読売新聞)

 今回の騒動のキープレイヤーのJAが問題解決を先導するプランを語るのでなく、思惑を語っている場合ではないような気がします。こんなことだから農政が滞り農業問題がいつまで解決しないのではないでしょうか。今回の騒動の一因にもなっていそうです。

 社会が環境が変わっているのですから、今までと同じアプローチでは問題が解決しないのではないでしょうか。社会課題といえそうな問題がますます増えていくことになりそうです。

 

 

「参考文書」

「コメ高騰対策、やってるふり」農水省が「バラマキ計画」発表…経済誌元編集長「農業の名を借りたただの税金泥棒」 - みんかぶ(マガジン)

米価高騰が止まらない 本当に足りないのは「コメ」ではなく“仕組み”か(1/4 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン