「効率化だけでは勝てない日本の農業」、スマート農業は「脱・肉体労働」を実現し、コスト削減と品質向上に貢献します。しかし、コメ価格は依然として市場や政策に左右されやすく、技術だけでは経営リスクは解消できません。
【脱・肉体労働】スマート農業の現在地と未来図~農業を「知的産業」に変える - Up Cycle Circular’s diary
安定した高収益を実現するには、農業収入に加えて、天候や市場価格に左右されない「新しい収入源」が必要です。農地を単なる食料生産の場ではなく、「エネルギーと環境価値を生み出す工場」へと進化させる、二刀流・三刀流のビジネスモデルが今、注目されています。
☀️ ソーラーシェアリング:空と地面の「二毛作」
農地の上部に太陽光発電パネルを設置し、発電と農業を両立させる「営農型太陽光発電」ソーラーシェアリングが注目されています。
農業しながら太陽光発電 東北地方で「二刀流」の地産地消 - 日本経済新聞
パネルで発電した電気を電力会社に売却することで、農業収入(コメの売上)に上乗せして、天候や市場価格変動の影響を受けにくい安定的な売電収入が得られます。これは、農業経営におけるキャッシュフローの「安全弁」となり、コメ価格が下がった際のリスクを大きく軽減します。

農業経営への思わぬ貢献
パネルが直射日光を適度に遮ることで、近年の猛暑による農作物の高温障害リスクを軽減する効果も期待でき、気候変動への適応策としても機能します。
クボタ「農業しながら太陽光発電」全国で 放棄地を再生 - 日本経済新聞
また、耕作放棄地になるリスクのある土地や、収益性の低い農地を、農業を継続しながら収益を多角化する手段として活用できます。
♻️ カーボンクレジット:水田が「環境価値」を生む時代
農業が地球温暖化対策に貢献し、その「環境価値」を収益化する、最新のビジネスモデルを紹介します。
水田が温室効果ガス削減工場に変わる
水田がメタンガス(強力な温室効果ガス)を排出する仕組みを逆手に取り、稲作期間中の「中干し期間の延長」や「間断灌漑」といった栽培技術を導入します。
脚光! 水稲栽培の新常識 - 日経ビジネス電子版 Special
これにより削減できたメタンガスの量が「J-クレジット」などのカーボンクレジットとして国に認証され、脱炭素目標を持つ企業に売却して収入が得られます。
農家の手間が「環境収入」に変わる
新たな設備投資はほぼ不要で、栽培管理の手間を少し変えるだけで、安定した環境収入を得ることができます。これは、若者が農業経営の魅力を高める「知恵のビジネス」です。
クボタとめざす、持続可能で豊かな食農の未来。(MIZUHO SX) | みずほフィナンシャルグループ
農業が単なる生産活動ではなく、気候変動問題という社会課題の解決に不可欠な産業であることを証明し、その価値を現金化できる時代が到来しています。
リスクを乗り越え、持続可能な農業へ
ソーラーシェアリングとカーボンクレジットは、スマート農業技術(効率化)と組み合わせることで、その真価を発揮します。高効率な生産体制(スマート農業)と安定した多角収入(トリプルインカム)によって、日本の農業経営は、価格高騰や政策の混乱に左右されない、持続可能で安定性の高い産業へと進化します。
これからの農業は、「どれだけ体力があるか」ではなく、「土地のポテンシャルを多角的に分析し、エネルギーと環境価値を最大限に引き出す知恵があるか」が勝負です。
次回は、国内市場が縮小する中、この高効率化で生まれたコメを、いかに世界へ売り出し、農業を真の成長産業にするか、「攻めの輸出戦略」に焦点を当てます。(第4回へ)
(近くのスーパーでは、なぜかいつも古いメロディーが流れています。最近耳にしたのは鈴木聖美「Taxi」(1987年リリース)。いい歌です。Taxiといえば、「ライドシェア」。最近まりニュースにならなくなりました。期待のnewmoも路線変更とか。おいおい調査したい話です。話は変わりますが、政治は相変わらずです。高市首相の誕生で変化の期待もあったのですが、時間が経過すると、「政治とカネ」の問題が再燃したりであまり変わり映えしません。コメ問題も二転三転、どうなることやらです。新米価格が下落の兆候とのニュースも出てきました。)
「参考文書」
「営農型太陽光でコメや麦、大豆を復活」、クボタがまず北関東で200カ所 | 日経クロステック(xTECH)
営農型太陽光発電事業の規模を拡大 | ニュースリリース | 株式会社クボタ
コメに忍び寄る負の連鎖 温暖化と高齢化、収量減に相乗作用 - 日本経済新聞
Green Carbon株式会社は、北海道内14以上のエリアの農業協同組合(JA)と水田由来のJ-クレジット創出に向けたパートナー連携を締結 | Green Carbon株式会社のプレスリリース

