今朝のニュースは、日本の農政が「時計の針」を17年巻き戻したことを告げました。閣議決定された食糧法改正案に躍る**「需要に応じた生産」**という文字。
コメ生産「需要に応じ」、食糧法改正案を閣議決定 安定供給に懸念 - 日本経済新聞
2024年の「令和のコメ騒動」を経て、石破前政権が掲げた「増産と輸出」の旗印は、高市政権下で事実上の**「減反継続」へと差し替えられました。
「供給を絞って価格を維持する」。この内向きの論理は、一見すると農家の所得を守る「守護神」に見えます。
迫る食料危機の足音 世界の肥料価格5割高、ホルムズ海峡ショック - 日本経済新聞
しかし、その裏ではホルムズ海峡の緊迫による肥料高騰(5割増)**という外圧が、私たちの食卓の根底を揺さぶっています。
既得権益の壁:「3ha未満」という人質
JAなどが主張する「小規模農家がいなくなれば米不足になる」という論理は、自民党政治の限界を露呈しています。
3ha未満の農家退場で192万tの米不足 スーパー業界も理解 「米のコスト指標」が守るもの|JAcom 農業協同組合新聞
- 「米のコスト指標」の罠: 肥料高騰を価格に転嫁する仕組みは一見合理的ですが、それは**「非効率な生産コストを消費者が負担し続ける」**ことを意味します。これでは「1年で一人前」になれるスマート農業(第2回)の導入メリットも、多角化による収益向上(第3回)の意欲も削がれてしまいます。
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脆弱な安全保障: 肥料を海外に依存し、生産量を需要ギリギリに抑える。この「余裕のない構造」こそが、外部ショックに対する日本の最大の脆弱性です。
小規模農家を「数」として維持することで組織票と手数料を維持するJAと、それを保護することで票を得る政治。この構造的な依存体質が、本来進めるべき**「農地集約」と「大規模化によるコストダウン」**を阻んできたのではないでしょうか。族議員が蔓延る自民党型政治の政治の限界です。
真の食料安全保障:輸出こそが「最大の備蓄」である
有事に備えるために必要なのは、生産を絞ることではなく、**「常に国内需要以上のコメを作る能力」**を維持することではないでしょうか。
減反で生産能力を削るのではなく、スマート農業と多角化でコストを下げ、世界市場へ打って出る。平時に「作りすぎる」ことで維持される生産能力と流通網こそが、有事の際に国民を救う**最強のバッファ(備蓄)**になるはずです。
まとめ:アグリテックCEOが「政治」を書き換える
小規模農家を「票」や「既得権益」として利用し、進化を止めてしまったのがこれまでの政治の限界です。
これからの主役は、補助金や価格維持に依存する「守りの農家」ではありません。 テクノロジーを武器に、世界市場という大海原で「第三の道」を切り拓く「アグリテックCEO」たちです。

彼らが自由に増産し、輸出し、稼げる環境を作ること。それこそが、日本の古い政治構造を突き破り、10年後の食卓に安定したコメを届ける唯一の解決策(ソリューション)になるのではないでしょうか。
「参考文書」
世界食料価格が再び上昇、紛争による肥料と燃料価格上昇で | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
コメに忍び寄る負の連鎖 温暖化と高齢化、収量減に相乗作用 - 日本経済新聞
米不足は終わらない 農家は高齢化、後継者なし - 日本経済新聞


