Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

2026-05-01から1ヶ月間の記事一覧

破れた夢のあとに残ったもの ― そごう西武の悲劇【鈴木敏文氏を偲ぶ】

【連載:未完の小売革命 第3部】日本の小売業をゼロから近代化し、私たちの日常そのものを書き換えた巨星・鈴木敏文氏が世を去りました。中内功氏が「安さ」を、堤清二氏が「文化」を追求したとすれば、鈴木氏がもたらしたのは「人間の心理を読み解く現場の…

早すぎた「オムニチャネル」― 理想とリアリズムの決裂【鈴木敏文氏を偲ぶ】

【連載:未完の小売革命 第2部】日本の小売業をゼロから近代化し、私たちの日常そのものを書き換えた巨星・鈴木敏文氏が世を去りました。中内功氏が「安さ」を、堤清二氏が「文化」を追求したとすれば、鈴木氏がもたらしたのは「人間の心理を読み解く現場の…

コンビニの生みの親 鈴木敏文が遺した「OS」―データの中に、顧客の未来は写っているか

【連載:未完の小売革命 第1部】日本の小売業をゼロから近代化し、私たちの日常そのものを書き換えた巨星・鈴木敏文氏が世を去りました。中内功氏が「安さ」を、堤清二氏が「文化」を追求したとすれば、鈴木氏がもたらしたのは「人間の心理を読み解く現場の…

「経済」が破綻していく国 ― トルコリラ以下の購買力となった円

現在、日本円の「国際的な購買力」は歴史的な転落を遂げています。実質実効為替レートは、51.7(過去最低を更新)という驚くべき数字にまで下落しました。 日本のトルコ化が止まらないようです。流石に日本の財政はトルコほど酷くないですが、為替に関しては…

積水ハウス、大工1000人正社員化の賭け ― 多重下請けと「外注化」調整弁の限界

ハウスメーカー大手である積水ハウスが、施工を担う大工約1,000人を正社員化するという方針が報じられ、業界内外に大きな衝撃が走っています。 積水ハウス、大工1000人正社員化の賭け 「家建たぬ」危機へ先手:日経ビジネス電子版 このニュースは、労働環境…

ナフサショックが暴いた建築多重下請けの宿痾 - 「リスクの押し付けピラミッド」を壊すRIZAP

ナフサショックによるシンナーや塗料の不足は、現場の職人や小規模な工務店を消耗させているようです。ここで私たちが直視すべきは、「原材料が足りない」という物理的な問題以上に、「なぜ、最も汗を流している末端の現場だけが、これほど一方的にコストと…

ナフサショック:日韓のレジリエンス格差 — 融和の陰で開く「危機の解像度」

日韓首脳会談が開催され、メディアでは両国の融和ムードや外交的進展が華やかに報じられました。しかし、その政治的な表舞台の上空では、中東情勢の緊張悪化に起因する「ホルムズ・インフレ」と、それに伴うナフサショックという、実体経済の息の根を止めか…

『平成レトロブーム』から考える ― 効率の先にある幸福と、フィジカルAIのカタチ

最近、10代や20代を中心に、昭和レトロのみならず「平成レトロ」が大きなブームになっています。カシャッと音を立てて開閉するガラケー、色鮮やかなスケルトンのiMac、ディスクの駆動音が伝わってくるMDプレーヤー、現像するまで仕上がりが分からない「写ル…

「5月の真夏日」とスーパーエルニーニョ — 崩壊する世界の食卓と本州に広がるコーヒーの「皮肉な希望」

「5月中旬なのに、もう30℃を超えて暑いね」、5月に30℃を超える「季節のバグ」。 この早すぎる熱波は単なる季節の気まぐれではありません。私たちの身体が暑さに慣れる(暑熱順化する)前に襲いかかる真夏日は、電力需給の逼迫や農作物の高温障害など、社会の…

カルビーポテチ「モノクローム」のSOS ― 彩りを失う日常と、行き詰る政策

コンビニやスーパーのお菓子の棚から色が消えることになるのでしょうか。スナック菓子最大手のカルビーが、一部商品のパッケージをこれまでのフルカラーから「白黒2色」に変更すると通知を出しました。 カルビーのポテトチップス、なぜ白黒包装に? ナフサ不…

ニュースを変えた男「テッド・ターナー」の訃報 — メディアのイノベーション「今まさに起きている現実」を伝えたCNN24時間ニュース

メディア界の巨人、米国テレビネットワークCNNの創始者テッド・ターナー氏が亡くなりました。享年87歳。「豪快な海賊」、その訃報に際し、元妻である俳優ジェーン・フォンダ氏がこの言葉、彼のことを振り返っていました。 ヨットレースの最高峰「アメリカズ…

デジタル化に欠けているもの ― 「計算」が分断を深めるのか

かつてデジタルは、世界中の情報を繋ぎ、一つの大きな知性に統合するための希望でした。しかし今、デジタルは、「分断」を加速させています。自分の見たい現実だけが、増幅される「エコーチェンバー」という名の閉鎖空間によってです。 そこでは、自分の世界…

「サバ高騰」乱獲の果てに見える「新たなリアリティ」 — 「サバが消える日」に私たちが食べるもの

食卓で、健康・美容意識の高い人にも「海のスーパーフード」としてなじみ深いサバが、供給不足を背景に高騰しています。国産よりも脂が乗り、遠い北欧から運ばれてくるのに驚くほど安いノルウェーサバは庶民の味でした。しかし、漁獲枠の大幅減少でこの高騰…

エルニーニョなのになぜ猛暑? — 深刻さ増す気候の崩壊と迷走する言論空間のギャップ

「エルニーニョ現象が発生すれば、日本は冷夏になる」 かつて、気象の常識として語られてきたこの定説が、今や通用しないフェーズに入っているようです。 今夏は、エルニーニョの発生が予想されているのですが、なぜか「猛暑」になるともいわれています。 エ…

アクティビストが指摘したパーム油調達の構造的欠陥 ~花王の事例

花王は2026年4月30日、臨時株主総会を開催し、香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントによる株主提案を否決しました。今回の総会で異例の争点となったのは、花王の主力製品の原材料である「パーム油」の調達体制です。 花王の臨時株主総会、供給網…

「ESG優等生」花王の誤算 アクティビズムの変質、問われた「供給網の健全性」

2026年4月、花王の臨時株主総会が開催され、そこで起きたことは、日本の上場企業にとって歴史的な転換点として記憶されるでかもしれません。香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが突きつけたのは、従来の「アクティビスト(物言う株主)」が好んだ増…