Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

人手不足を賃上げで解消しようとする米国、それができない日本ではロボット導入の事例も

 

 米国では人手不足が一層の賃上げを促し、それがモノやサービスの価格に波及し、インフレの高止まりを持続させかねないということが、先日発表された雇用統計で明らかになったといいます。

コラム:米労働力不足が深刻、政策担当者に増す重圧 | ロイター

 日本でも人手不足が顕在化し始めているようです。米国と同じように人手を確保するために賃上げを促進し、それで好循環につながっていけばと思うのですが、そうならないのでしょうか。

 物価高騰を受けて賃上げ期待は膨らみますが、どこまで賃上げは進むことになるのでしょうか。

 

 

人手不足が深刻化している飲食業界では、ようやく調理ロボットの導入など機械化が進み始めているといいます。

 プロントコーポレーションが新業態のスパゲッティ専門店「エビノスパゲッティ」を2022年6月30日にオープンさせたといいます。

 調理ロボットにより自動化され、パスタを注文してから提供されるまでの時間が、これまで約3分から最速45秒に短縮できたといいます。プロントは自動調理の店を2027年内に50店舗へ拡大する計画といいます。

プロントが丸ビルに新業態 ロボットが最速45秒でパスタを調理:日経クロストレンド

 店舗のコンセプトは「ローテク×ハイテク」。

 何もかもロボットに任せるのではなく、ロボットでしかできない高速調理と、人間にしかできない美しい盛り付けを融合させているそうです。理想的な生産性の向上といっていいのでしょうか。

 また肝心の味については、スタートアップのTechMagic社が開発したパスタ自動調理ロボット「P-Robo」の登場で向上し、導入コストも時給換算で人より安い実質800円程度に下がったといいます。この「P-Robo」を導入することで、1~2人の省人化が想定できるそうです。

(写真:TechMagic「P-Robo」)

 記事によれば、プロント社内には高額な開発費を懸念し反対する声もあったそうですが、それでも導入に踏み切ったのは、プロントも深刻な人手不足が続き、希望する人数の半数も集まらない状態が続いていたことが背景にあったといいます。

2050年には日本の人口が1億人を割るともいわれており、外食産業の人手不足は今後、もっと深刻になると予想される。今は競合するよりも一致団結してアフターコロナに向けて外食産業を盛り上げることが重要。(出所:日経クロストレンド)

 

 

 こうした動きがもっと活発化すればいいのではないでしょうか。

 ロボットがもっと簡素化でき、低コスト化を図ることができるのであれば、より多くの店舗が導入することになっていくのかもしれません。そうすることで経済が活発化し、また新しい産業が起きることで、そこでの賃金体系が見直され、持続的な賃上げが可能となるような事業構造になればいいのでしょう。

 社会にはまだまだ解決されていない課題がゴロゴロあるのではないでしょうか。こうした課題の解決こそが、新たな産業を生み、新たな成長機会にもなっていくのではないでしょうか。

 

「参考文書」

6月30日オープン!世界初のパスタ自動調理ロボット、「P-Robo」が実店舗での稼働を開始|TechMagic株式会社のプレスリリース

調理ロボ「時給」800円、人より安く 飲食店の新局面: 日本経済新聞

人手不足のニセコ「満室は諦めた」 稼働率抑えて冬営業: 日本経済新聞

 

【揺れる米国のESG】ぶれないアップルの脱炭素、サプライヤーとの関係を一段と強化へ

 

 ESG投資が曲がり角になってきたのでしょうか。

 ESGの重要性について、欧州やアジアは楽観的な見方を示しているのが欧州のに対し、米州は、これら地域に比べてその割合が低いといいます。ただ金融業界では大多数がESGは定着しているとみているといいます。

ESGの重要性は批判浴びても低下せず、大規模投資家は重視-調査 - Bloomberg

 記事によれば、米国では、政治面や規制面での逆風があり、企業幹部らは1年前に比べてESGを語らなくなっているといいます。

ブルームバーグの)調査では、企業の利益を高める上で重要だからESGに取り組んでいるとする回答者が半数超に到達。また、顧客の要請でESGに対応しているとする回答は約62%に上った。一方で、主として企業の評判を守るために対応しているとの回答も、約6割に上った。(出所:ブルームバーグ

 こうした声を反映してのことなのでしょうか、ESGのラベルが付いたファンドへの懐疑的な見方もあるそうです。ブルームバーグの調査では、こうしたファンドが来年、市場ベンチマークを「少し」または「大きく」アンダーパフォームすると予想が約3分の2になっているといいます。

 

 

 一方、米アップルはこうしたことに構わずということなのでしょうか、自身が掲げるカーボンニュートラルの目標に向け、歩みを止めていないです。

Apple、グローバルサプライチェーンに対して2030年までに脱炭素化することを要請 - Apple (日本)

「気候変動に対する取り組みはAppleだけで終わらせず、より大きな変化を起こすための波及効果を生む決意」と、Appleのティム・クックCEOは述べ、Appleは10月に、グローバルサプライチェーンに対して、温室効果ガスの排出に対処するための新たな措置を取ること、および脱炭素に向けた包括的なアプローチを取ることを求めたといいます。

 具体的には、Apple製品の製造に関連するスコープ1とスコープ2の排出削減に向けた進捗状況の報告を求め、毎年の進捗状況を追跡および監査するといいます。また、脱炭素化に対して緊急性を持って取り組み、一定の進展を遂げているサプライヤーと協力するとしています。アップルの要求に対応できないサプライヤーとの取引は行わないとの意思表示なのでしょうか。

(写真:アップル)


 この実現のために、サプライヤー支援としてクリーンエネルギープログラムを展開、無料Eラーニングリソースとライブトレーニングを提供するそうです。またゆくゆくはアップルのサプライチェーンに含まれる企業にとどまらず、あらゆる企業が、100パーセントクリーンエネルギーへの移行とカーボンニュートラル化を加速させるために必要なリソースと支援ネットワークにアクセスできるようにするといいます。

 

 

 ESG投資が一大ブームとなり、それが本流になっているからといって、環境問題に取り組むのではなく、アップルのように企業活動を通して気候変動の問題の解決に貢献することが自然であって、そうできるようESG投資が後押し、そのために規制が強化されていくのが理想的なことかもしれません。

中間選挙後の米国ESG投資政策はどうなるか 2022年11月25日 | 大和総研 | 鳥毛 拓馬

 しかし、そうならないのが現実のようで、米国では共和党が下院で過半数をとったことで、民主党政権下で進められた政策の巻き戻しの可能性も否定できないようで、今後少なくとも2年間は、民主党によるESG投資政策の推進は困難になるとみられるといいます。要注意なのかもしれません。しかし、それにぶれることなく企業は脱炭素のアクションを止めてはならないのでしょう。

 

資本主義は見直すべきなのか、忘れ去れたパブリックという概念

 

 目標を一つにできるチームは強い、そう感じさせてくれるワールドカップ スペイン戦でした。ずば抜けたスター選手がいなくても、献身的な姿勢やチームプレイに徹することができれば、難敵さえも打ち砕くことができるということでしょうか。そのひたむきさがひしひしと伝わると、やはり人は感動してしまうものなのでしょう。

 こうしたスポーツがビジネスとして成立しているのですから、それはそれでまた面白いものです。

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イーロン・マスクを尊敬できない」と、『人新世の「資本論」』の著者の斎藤幸平氏がいいます。

 電気自動車は環境に優しいが、その製造に必要な銅、リチウムやコバルトはグローバル・サウスで掘削され、そこで人権格差や環境破壊を生み出しているという事実があることをその理由のひとつにあげています。

斎藤幸平「私がイーロン・マスクを尊敬できない理由」:日経ビジネス電子版

電気自動車で金もうけして承認欲求を満たし、最終的には宇宙に行きたいというほうが勝っているのではないか。地球がこんなに大変な時期に、宇宙に行っている場合ではない。宇宙に行く資金があったら、まずは地球の健康のために使ってほしいですね。(出所:日経ビジネス

 

 

「彼のような生き方がカッコいいという社会の価値観が大きく変わらないと地球は滅ぶし、電気自動車に乗っていれば環境意識が高いという錯覚、早く気づくべきです」と主張しています。

 言わんとすることは理解はできますが、次の時代に進む中にあっては、多様な人材を存在しているほうがよいのではないかと感じます。まずは、地球温暖化を食い止めて、健全な地球を次世代に残すということが人類共通の目標になればいいのではないでしょうか。

 イーロン・マスク氏については、ここ最近にあっては、ツイッターに関することの方に興味があります。

 彼の主張する「言論の自由」がどうアップデートされ、SNSをどんな形に変えていくのか、興味津々です。また、そのために実施中の改革で、働き方にも変化が起こり、それが他へ波及していくのか注視したいところです。

 自由が行き過ぎれば、誹謗中傷が蔓延するような場と化し、一方で規制を強化すれば、自由は次第に失われていきます。その中間がよいのでしょうが、それを維持するためには、みなが守られなければならない規範みたいなものがなければ、健全ではなく、自由を謳歌することもできません。常により善くしていこうとの心構えと責任、目標がなければ、規制ばかりの世になってしまいます。

 

 

 過去を振り返り、肥大化した経済社会を思えば、脱資本主義を斎藤幸平さんが説くのもわかります。行き過ぎた力を中和させるには、もう一方への引力が強くしなければなりません。そういう意味からしても多様な意見は必要なのでしょう。

 一方で、ガーナに捨てられた電子ゴミからアート作品を作り、その売り上げの大半をスラム街支援に回す美術家の長坂真護さんは、「資本主義社会から今すぐには抜け出せない。だからこそ、今は文化、経済、環境のバランスを取りながら回していくことが必要」と、著作『サステナブルキャピタリズム』で問いかけているといいます。

サステナブルキャピタリズム」って、最終OSじゃないんですよ。斎藤さんが『人新世の「資本論」』で主張しているのは最終OSかWeb3.0くらいのことだと思う。僕が考えているのはいわばアップデート版。今の資本主義は1.0か2.0なのか知らないですけど、僕の考えは、3.0に行くための2.5ぐらいの領域。いきなり3.0をやれと言われてもなかなかできないです。(出所日経ビジネス

 自然は飛躍しないといいます。すべてに連続性があって、あるとき、いきなり理想郷が誕生することはないのでしょう。そのためにはプロセスが必要なわけですし、長坂氏の主張はよく理解できます。

 

 

パブリックサービスは全ての人の「幸せ」を願う公共の奉仕者です。安全や健康の基盤があり、その上でやりがいや生きがい、多様なつながり、個別の「幸せ」も担うべきだと思います。(出所:日経クロステック)

 そう主張するのは、幸福学を専門とする慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授でウェルビーイングリサーチセンター長を兼任する前野隆司氏。

「公共」、私や個に対置される概念で、英語で「パブリック (public)」といい、社会全体がそれにかかわることを意味します。

富士通と幸福学者による「豊かさ」談義 - 日経クロステック Special

 「豊かさにたどり着くための弊害をどうすれば取り除けるのか」との問題認識を、記事で前野氏と対談する富士通は明らかにし、「今後は供給者目線ではなく、国民目線・生活者目線でビジネスをしていく必要があります」といいます。

 これがすべてのような気もします。これまでは「私」が優先され過ぎてきたのではないでしょうか。

 地球の住人であり一生活者である人が、いつの間にか企業人となって、企業の目的のひとつである永続的な利益の追求が人生の大部分になってしまっていないでしょうか。

 人は社会に生きる生活者であって、その糧を企業から得ているにすぎないはずです。そして、その糧はまた生活者によってもたらされる。よって、誰もが社会に奉仕をしなければ糧を得ることはできないのでしょう。

「パブリック」と「私」の関係が資本主義の進化のプロセスが見直されていくべきのように感じます。

 

 

【人への投資】「人を思い、人に寄り添う」から生まれる好循環

 

「新しい資本主義」を政府が提唱し、人材投資を重要視しているといいます。投資家もまたそれが企業価値向上に結び付くかの注目しているそうです。

人材投資に着目したファンドに熱視線 | 日経ESG

 人件費や販売管理費などは利益を押し下げる費用と見なされるのが通常です。しかし、将来の収益につながる投資となる可能性でもあるといいます。投資運用会社の中には、「人材投資が将来の企業価値向上につながる」という経験則を数値で明らかにし、リターンを見いだす試みが進んでいるといいます。

 

 

 野村アセットマネジメントは「野村日本働きやすい企業戦略」を運用し、ファンド設定来の年率リターン(収益率)は11.02%で、東証株価指数TOPIX)の8.63%を2.39ポイント上回っているそうです。世界的な株安局面に入った21年後半でも、超過リターンを稼いでいるといいます。

 記事によれば、銘柄選別にあたっては、独自の「働きやすさスコア」を算出、非財務指標と財務指標の12指標を基にスコア化し、従業員を重要な経営資源と位置付ける企業を選び出しているといいます。

非財務指標は女性管理職比率や平均給与などで、社員の直接的な働きやすさを見る。財務指標は研究開発費や販売管理費などを用い、人材投資の積極性などを評価する。(出所:日経ESG)

「働きやすさという無形資産が投資家から過小評価されている企業は、将来高いリターンが見込める」と、ファンドマネージャーは説明しているといいます。

 

 

「人材投資」、興味あるテーマです。賃上げにも関わり、また自身のスキルアップ、キャリアに影響します。また、経営者にとっても重要な関心事のはずです。人件費は業績に直接影響します。野放図に過大に投資すれば行き詰まり、成長を望むのなら、人への投資失くして実現することはないのでしょう。結局、適正にマネジメントするしかないのでしょう。

 ANAはコロナ禍による人の移動が止まったことで苦境に陥りました。人件費の抑制が喫緊の課題となる中で、これを逆手に取り、働き方改革につながる施策を実行することで危機を乗り越えていったといいます。

賃金カットで年収は2割減…それでもANAの従業員満足度が2年連続で上がったワケ これが本物の「働き方改革」だ | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 勤務日数や勤務地を自由に選べる客室乗務員向けの制度の他、地方に拠点を持つグループ会社への転籍を通して居住地を選べる制度、最大2年間の理由を問わない無給休暇制度を導入したそうです。

 こうしたこと施策を実行したことで、年収は約3割近く減ったにもかかわらず、「従業員満足度調査」のスコアは改善していったといいます。コロナ禍で離職する人は増加したましたが、客室乗務員の離職率はむしろ低下したそうです。これまでは不規則な勤務体系で、結婚や出産を機に退職する客室乗務員は少なくなく、この新しい柔軟な働き方であれば、好きな仕事を続けられると思ったのだろうと記事は指摘します。

「強いものが生き残るのではなく、変化していくものが生き残る」、これはANAが大切にする考え方といいます。一方、会社が導入した新制度を利用した客室乗務員もまた「変化することへの後押しを会社がしてくれている」と語っているといいます。

「他人を思い、他人に寄り添う」、そうしたことから生まれた好循環ということでしょうか。コロナ渦という大きな環境変化にうまく適合した事例なのでしょう。

 

アップルも広告停止、イーロンのツイッターはどこへ行く

 

 ツイッターの経営再建中のイーロン・マスク氏が苦境にたっているのでしょうか。多くの企業が広告出稿を一時停止、広告収入に影響が出ているといわれていますが、そこにアップルも加わるようです。

「アップルが広告出稿を停止した」とイーロンがツイートし、「米国の言論の自由が嫌いなのだろうか?」と述べています。

イーロン・マスク氏、Appleを批判 ツイッターへの広告ほぼ停止: 日本経済新聞

 記事によれば、マスク氏はアップルが「アップストア」からツイッターアプリを取り下げると脅したと述べ、「その理由は教えてくれない」と訴えたといいます。また別の投稿では「アップルによる秘密の言論弾圧だ」との推論を展開し、「顧客には一切知らされていない」と批判しているそうです。

 

 

 イーロンは「言論の自由の絶対主義者」を自称し、検閲的行為が行き過ぎであるとの問題意識からツイッターを買収したといいます。

 その後、トランプ前大統領のアカウントや、それと同様にこれまでに停止となっていたアカウントを次々と再開させました。こうした行為がやりすぎのように映り、多くの企業が関わるまいと、ツイッターを避けているのでしょうか。

 トランプ前大統領のアカウント復活について、イーロンは「法律や利用規約に違反していないにもかかわらず、彼のアカウントを禁止したツイッターの重大な誤りを修正するため」と主張したそうです。

 理解できない訳でもありませんが、その論理の危うさをみなが指摘しているのではないでしょうか。イーロンは何か有効な対策を示すことができるのでしょうか。

 また、有料の認証サービス「Twitter Blue」を再開し、チェックマークの色を、セレブも含めて個人アカウントはすべて青に、企業アカウントはゴールドに、政府関連アカウントはグレイにするそうです。 なりすまし対策も進め、認証バッジを見直ししているようです。

Twitter、12月2日に青バッジ提供再開とマスクCEO 「つらいが人間が認証する」 - ITmedia NEWS

これまではTwitter Blueに加入すれば無条件でチェックマークを付与するとしていたが、付与前に「人間が認証する」。これについてマスク氏は「つらいが必要なこと」としている。(出所:ITmedia NEWS)

 人間の行いには誤りがあるものとすれば、AIなどの機械的な判断に委ねることは正論なのかもしれません。また人による誤認を防止するために、さらに人をかければ非効率を生みます。

 

 

 イーロンは、2024年の米大統領選について言及し、共和党のデサンティス・フロリダ州知事を支持する意向をツイッターで明らかにしたといいます。

イーロン・マスク氏、米大統領選挙でトランプ氏ライバルの支持表明: 日本経済新聞

ツイートのなかで「24年の大統領選では、良識を持った(政治的に)中道の人を望んでいる。バイデン政権に期待したが、今のところ失望している」と記し、デサンティス氏への支持も明らかにした。(出所:日本経済新聞

 どんなテーマについても忌憚なく、自由闊達に議論できる場になれば、それはそれでいいことなのでしょう。そうした議論の中で、常識、あるいは良識が育まれ、ツイッターがより健全なものになっていくのは理想なのかもしれません。しかし、それまでの間に無法地帯になってしまっては意味がありません。それを防止するために、AIによる監視をイーロンは考えているのでしょうか。

デジタルの世界だけにとどまっていては、周囲の人々に対する「モラルコミットメント」(道義的責任)を感じることは難しい。(現実社会における)公共の場所にアクセスできる状態にあり、「自己の存在より大きい何かの一部である」という感覚をもてることが、健全な社会を築くためには重要なのだ。(出所:Forbes)

 

 

「民の声は、神の声」と、イーロンはいいます。今ある批判の声もまた「民の声は、神の声」ということではないでしょうか。イーロンはどこまで真摯にその声を聞けているのでしょうか。

理念なき鳥は堕ちるしかない。Twitterに本当に必要なもの

イーロン・マスク氏が本当にやらないといけないのは、Twitterの企業理念をきちんと定めて、その理念のもとにチームを作り、製品を考え直すことです。今のまま、理念に基づかず思い付きの開発を進めても、Twitterが成功することはないでしょう・(出所:NEWSPICKS)

 記事は、サイトの安全性、人権の尊重、災害時などの対応における信頼性などの問題点を指摘しています。

 それともイーロンは公開議論の中で、ツイッターの理念としての「言論の自由」の概念を構築しようとしているのでしょうか。

 

「参考文書」

イーロン・マスク氏「誤解はとけた」 AppleのクックCEOと面会: 日本経済新聞

EUがツイッターの禁止を警告、「コンテンツの監視」を要求 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

デジタル社会に必要なのは、リアルなつながりの場だ | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 

よく耳にするようになったSDGsにESG、それでマネジメントは変わったか

 

 SDGsに、ESGなど、それに加えてDXや生産性の向上に賃上げ、企業に様々なことが求められるようになっています。こうした要求事項が明らかになれば、時間はかかるのかもしれませんが、やがて企業に定着し、社会がその方向に変わっていくのかと思っていたのですが、そうでもないのでしょうか。

一歩誤れば“最悪倒産”も、脱炭素に必要なのは20年後を見据えた組織のかじ取り:製造業×脱炭素 インタビュー(1/2 ページ) - MONOist

世界全体で脱炭素の流れが進む中、製造業各社がカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速させるため、「サステナビリティ推進室」「ESG推進室」のような専門組織を立ち上げたという事例を多く耳にするようになった。CO2排出量のゼロ化という巨大な課題に立ち向かうためには、従来のCSR活動の枠組みにとどまらない抜本的な環境対策が求められる。こうした対策をけん引するチームの設置は、確かに今後必須になっていくかもしれない。(出所:MONOist)

 一般的な企業ではここまでしか進んでいないのが実態なのでしょうか。

 

 

 企業それぞれには経営目標なりKPIや指標が存在し、事業計画を立て、その数字を分析しては、経営、つまり管理運営するのではないでしょうか。

 社会の要求事項が変われば、経営指標も変わり、管理しなければならなく項目が増えることになるのでしょう。脱炭素についていえば、ESG投資などを通し、投資家からの要求事項も明確になっているはずです。

 たとえばスコープ3のCO2排出量を経営指標として扱い、現状を分析し目標を立て、それを管理実行するためのしくみやルール(社内規)を作り、役割と権限、責任を明確にし、それに合わせて組織体制を見直していくものなのでしょう。そして。各々の部門が細分化された目標をもって、その達成に向け行動管理すれば目標に向かいます。取って付けたような対応ではうまくはずもありません。

 海外での事例ですが、取引先とはQBR(Quarterly Business Review)と称し、四半期毎にその期における互いに共有した目標の定量的な達成状況を共有し、それを基準にして、次期の発注量を調整したり、協働で実行する改善活動などの取り決めを行っていました。また優秀な成績の取引先は表彰することもしていました。

 取引先への要求事項は、製造業ということもあってQCD(品質、コスト、デリバリー)の他多岐にわたり、何を求めているのかを明確に伝えるようにしていました。

 もし今日であれば、そこにCO2の排出量の他、ESGやSDGsでの要求事項などが加わるのかもしれません。また、必要があれば、みなが同一基準で算出可能となるクラウド型のプラットフォームを構築してもいいのかもしれません。いずれにせよ、取引先を含め誰もが効率的に進められる仕事のしくみを設計することが求められるのではないでしょうか。

 

 

 UBSアセット・マネジメントが10月末、「UBSサステナブル向上・コアバリュー株式ファンド」を設定したそうです。この新商品は一般の外国株ESGファンドとは異なる特徴を持つといいます。

逆風下で投入された「異色」のESG投信、既存の投資手法に問題提起 - Bloomberg

 記事によれば、ESG評価の高さよりも「改善」に注目しているといいます。株式に投資するESGファンドはESGスコアが一定よりも高い銘柄に投資するものが多いそうですが、「悪いものが良くなる過程で、株式市場における評価が上がっていく」とし、この変化を捉えることでリターンを狙っているそうです。

 まだ一部なのかもしれませんが、投資家の中にはESGにおける「改善」に着目するようになってきているようです。

 社会が求めるこれら要求事項を経営に取り入れろとのメッセージではないでしょうか。利益をあげるときと同じように、そのための事業計画を立て、適正に、そして誠実にマネジメントすれば、結果は必ずついてくるものです。

 

リサイクルできなかった紙コップがトイレットペーパーへ、リサイクルはお得になるのか

 

 物価高騰が止まりません。物価の先行指標となる11月の東京の消費者物価指数が前年同月比で3.6%上昇したそうです。有効な対策がないのですから、どうにもならないのでしょうか。企業が物価上昇を上回るペースで賃上げしていくことしか手がないようです。それも単発ではなく、継続することが求められそうです。

 

 

 そんな中、日本製紙が、牛乳や清涼飲料などに使われる紙パック製品の値上げを発表したそうです。この1年間で3回目の値上げで、来年2023年4月1日納入分から適用され、値上げ幅は18%以上になるといいます。

液体用紙容器の価格修正について|ニュースリリース|日本製紙グループ

 日本製紙によれば、世界的規模での資材・エネルギー価格の高騰が収まらず、それに加えて円安の影響を受けているといいます。特に、木質資源が世界中で争奪戦の様相を呈し、需給逼迫による価格高騰が進んでいるそうです。

 供給優先で原紙を確保したことで、その価格上昇分を製品に転嫁せざるを得なくことが理由といいます。

 事実なのでしょうが、ため息が出そうです。

 一方で、JALの一部国内線で使われている紙コップや紙製のマドラーを回収してリサイクルするといいます。羽田 - 那覇便で12月1日から回収を始め、段ボール原紙やトイレットペーパーに再生するそうです。

 この先、対象便を順次拡大、将来は紙コップから紙コップへ再生する水平リサイクルをつなげていくといいます。

 

 

 紙コップは、紙にプラスチックを貼り合わせ防水加工しているため、また、使用後は食品残渣の汚れや臭いなどの衛生上の観点から、古紙分類においては禁忌品に指定され、通常、一般ごみとして焼却されてきたといいます。

 日本製紙は、こうした食品用紙容器の専用リサイクル設備を10月に富士工場で稼働させたといいます。紙コップの表面からプラスチックスを分離させ、紙からは繊維を取り出して、トイレットペーパーなど家庭紙にリサイクルできることが可能になったそうです。

(資料:日本製紙

これまで処理コストなどの問題で回収量が一定に達した場合しか新設備を利用できなかったが、JALとの取り組みにより、定期的に大量回収できるめどが立った。(出所:日本経済新聞

 JALグループが機内サービスで使用した紙コップは、日本製紙独自のルートで輸送するそうです。国内線約400便で紙コップを回収すると、1日に約3万個の紙コップが回収でき、トイレットペーパー960巻にリサイクルすることが可能になるといいます。

(資料:日本製紙

 これまで安価に利用できた海外製の天然資源が、国際情勢の変化で従来のように使用できなくなっています。ロシアによる軍事侵攻を収まる気配をみせず、木材需給が急激に改善することは期待できそうにありません。また、長引く円安も、硬直化した日銀の金融政策の影響を受け、これもまた急激に改善することはないのでしょう。

 

 

 コストアップとなった現在の原材料を、リサイクル品に置き換えていくことが自然な流れのような気がします。カーボンフットプリントなどの解決に加え、賃上げに対応しなければならないなど課題も多々あるのでしょうが、その解決が進めば、輸入物価の影響をミニマイズできるようになり、物価の安定にも寄与することになるのではないでしょうか。その上、「経済安全保障」にも貢献できそうです。

 値上がりはなかなか許容できるものでありませんが、今の価格が正常なのものとすれば、コストアップといわれるリサイクルも進みやすくなっていくのかもしれません。

 その上、リサイクルの規模が拡大していけば、コストダウンが進む可能性もありそうです。これがやるべき仕事のような気がしますし、次の成長の機会にもなるのではないでしょうか。

 

「参考文書」

日本製紙、JAL国内線で使用する紙コップをリサイクル: 日本経済新聞

機内で使用した紙製カップ類のリサイクルを開始|ニュースリリース|日本製紙グループ