Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【メダルラッシュと新規感染者の記録更新】感情を揺さぶられないために

 

 東京オリンピック、連日のメダルラッシュに興奮したりします。そんな中、コロナが勢いを増しているようです。

 全国での新規感染者数が7500人を超えたといいます。ワクチン効果で高齢者の感染者数が抑制されているのに反して、若年層の感染が爆発的に増加しているということなのでしょうか。

 東京オリンピックとの因果が気になりますが、国は中止の可能性を否定したようです。どうなのでしょうか。もう少し丁寧な説明があっても良さそうな気もします。

 

 

 気になる記事があります。

「モヤッとする翌日、東京オリンピック2020開会式が露呈したもの、僕たちはそれらを噛み締めて前を向いていかないといけない」 

 多少違和感を覚えつつも、これもまたこれで事実なのでしょう。

comemo.nikkei.com

 たぶん引っかかっているのは「共感」という言葉なのでしょう。それと多少敗者の弁のように聞こえてしまうことがあるのかもしれません。

大切な「コト」は、共感を生むコンセプト。

それさえあれば、観た人が勝手に検索して映像情報を探し、仲間にシェアし広がっていくのだ。

今や、世界は一つになろうとしている

コロナ禍、気候変動、格差社会、危機の時代が来ることを認識して、若者世代を中心に世界は再び一つになろうとしているのだ。一つにならないと、地球は世界は壊れてしまう、そのメッセージを日本が出す、最大のチャンスだった。

唯一の被爆国、戦争から立ち上がった平和外交の日本、温暖化で世界中で増え続ける洪水等の自然災害に立ち向かう日本、そしてコロナを人々の自粛行動で感染者と死者を最小限に抑えている日本、危機に立ち向かう日本として、世界が共感するメッセージはたくさんあったはず。 (引用: 安川新一郎さんnote)

 理想はそうなのかもしれませんが、その通りに進まないのが現実であって、今のままでは、理想を強要すると心が折れる人ばかりになってしまうのではないかと危惧します。だからとて、長い物には巻かれろという気はないのですが。

 それと、ここでいう「共感」に商業臭さを感じてしまいます(表現の問題だけのような気もしますが)。人はもっとシンプルなものにでも共感するのではないでしょうか。

 

「共感という病」と本があります。読んではいませんが、出版元がこの本をこう紹介しています。

特に近年の日本社会では「共感」がいきすぎ、同調圧力が強くなりすぎている面もある」。「味方ではないと思った人に対して厳しすぎるのです」。

「絆」や「ワンチーム」「団結」の内部は、最高に気持ちが良くて恍惚すらできるものですが、よく見てみると、その中にいない人がたくさん存在していることに気が付きます。むしろ外側にいる人に対して排他的であることも珍しくありません。

「共感し合おう」「繋がっていこう」と言うと、なんとなく無条件に良いものである気がしますが、繋がっていくからこそ分断していくとも言えるわけです。(出所:かんき出版

共感という病

共感という病

Amazon

 共感が分断を生むようであれば元も子もありません。それではみなの幸せが逃げてしまいます。

私は共感が全て悪いとは思っていませんし、そんなことを言うつもりも毛頭ありません。むしろ社会と世界を良くするために間違いなく重要な要素だと思うからこそ、共感が持つ負の面を理解し、自覚し、うまく付き合っていく必要があると思うのです。(出所:かんき出版

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「緊急事態宣言の効果が出ていない」とまた専門家が口にしています。これほど怖い言葉はありません。言葉悪く言えば、無政府状態になっているということなのでしょうか。それでは収まるものも収まらなくなってしまいそうです。

 為政者のモラルが鋭く問われているのでしょう。それと同じように、私たち一人ひとりにも問われているのかもしれません。

君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」。

「和」、なごやかとの意味で、協調とか調和を意味します。 

「同」は同調の意味です。

 君子は調和を優先し、むやみに同調したりはしない。つまらない人はたやすく同調するが、調和や協調を重んじないということでしょうか。

 感情を揺さぶれることが多々あります。こういうときこそ、動じない心が必要なことなのかもしれません。

 何事も泰平であることが一番です。

 

「参考文献」

diamond.jp

【グリーンウォッシュを防ぐために】企業のESGは誰が先導すべきなのだろうか

 

 ESG関連のニュースが増えています。市場が巨大化し、それだけ注目が集まるようになったのでしょう。 

環境や社会課題、企業統治などESGの課題は重大な経営リスクとなっている。投資家たちは企業にその改善要請を強めていると、日本経済新聞はいいます。

投資先企業に対策の強化を促すことでリスクを減らし、リターンを確保するのが狙いだ。 (出所:日本経済新聞

ダイベストメント

 日本経済新聞によると、英資産運用大手リーガル・アンド・ジェネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)は6月15日、中国工商銀行や米AIGなど4社をダイベストメント(投資の引き揚げ)の対象に加える方針を明らかにしたといいます。気候変動によるリスクへの対応が不十分なことが理由のようです。

 

投資家圧力

企業にとって圧力ともとれるが、投資家の声にきちんと耳を傾け、自社の課題を解決すれば、企業価値を高めることができる。 (出所:日本経済新聞) 

www.nikkei.com

「投資家の要求水準はさらに高まることが予想される」と日本経済新聞は指摘します。実際、大手監査法人プライスウォーターハウスクーパースPwC)の調査では、世界のアセットオーナー300機関が、今後ESGに配慮しない商品への投資をやめると77%が回答したといいます。

 単純な疑問なのですが、その投資家たちの要求は常に正しいのでしょうか。

 気候変動リスクの開示を義務か = 金融庁

 金融庁が企業の気候変動リスクの開示を義務付ける方向で検討を始めるといいます。

 日本経済新聞によると、上場企業や非上場企業の一部の約4000社が提出する有価証券報告書に記載を求める議論を始めるそうです。

法的な拘束力を持つ有報で一定のルールに基づく開示を義務付け、企業の取り組みを加速させるとともに、国内外の投資家の判断材料として役立ててもらう。早ければ2022年3月期の有報から開示を義務付ける可能性がある。 (出所:日本経済新聞

www.nikkei.com

 義務化されれば、「グリーンウォッシュ」なる企業の愚かな行為の根絶にもつながっていくのでしょうか。

就活生たちの視点

エシカル就活」という造語をキーワードにして就活プラットフォームをつくった若者がいるといいます。自身の就活の経験を活かしているそうです。

 社会課題の取り組みなどを軸に企業探しをしていたといいますが、うまく見つけ出すことができなかったといいます。就活サイトを見ると業種・業態や「働きやすさ」などがPRされているばかりで、自分が取り組みたい社会課題に企業も取り組んでいるのか情報が少なすぎてわからないと感じたそうです。

withnews.jp

SDGsウォッシュ」という言葉があります。

その対策として、情報の透明性を高めることが必要で、企業のやろうとしている取り組みを開示させることが必要なんです。

たとえば「里山に植樹しています」というPRの裏で、石炭火力へ投資しているような。マイナスの部分を隠してプラス部分だけ情報開示しているのってフェアじゃないですよね。その議論さえ起こらないのが、ずるいなぁと表しまいます。たとえば女性の管理職比率も、2030年までに2%から20%までにしていきたいと言っても、今の「2%」を隠して目標だけに開示するといった問題です。 (出所:withnews)

 そう話すのは、大学生起業家・勝見仁泰さん。

 周囲のZ世代と話すと、企業ができていないことを無視することがおかしいというそうです。

 だからエシカル就活の外圧によって、「情報開示して企業が変わっていかないと、淘汰されていく」という危機感をあおることも大切だと勝見さんはwithnewsのインタビューに答えています。

 ミスマッチ

 投資家も就活生も規制当局も、みなが同じことを感じているのでしょうか、それぞれが同じように企業に情報開示を求めています。

 一方、企業の受けとめはどうなのでしょうか。結構、自分たちは情報開示していると思ったりしているのではないでしょうか。その仕事に携わり、精通すればするほど、みなも知っている、わかっているはずとの勘違いが起きたりするものです。

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 みなが理解できるようにストーリー立てて、論理的に説明できないと、企業が取り組もうとしている全容は理解されることはないのかもしれません。その道に長けた専門家には通じる言語も、投資家や就活生には通じないこともあるのでしょう。

 企業でESGを推進する主体は事業部門なのかもしれませんが、人事、広報、PR、財務、経営管理など間接部門の関わりが今まで以上に重要になってきているのではないでしょうか。また、それがESGで求める企業統治ということであるのかもしれません。

 

【改めて社会課題を見つめ直す】国の脱炭素政策を仕事にする企業は持続可能なのか

 

 Amazon.com 元CEOのジェフベゾス氏が、自身で創立したブルーオリジンの宇宙船「ニュー・シェパード」で宇宙旅行したそうです。

 その旅行を終え、地球に戻ってきてからの会見で、「宇宙に行った人は誰もが、それによって自分が変わったと語る。地球とその美しさだけでなく、そのはかなさに驚嘆し、畏敬の念に打たれる、と。私もそれは断言できる」と述べたといいます。

www.afpbb.com

地球の大気は地上では「とてもたくさん」あるように感じるが、宇宙から見ると「実際にはとても薄いことが分かる

とても少なくてもろいもので私たちは地球を動き回る中でそれを傷つけているとし、「それを頭で理解することと、実際にこの目で見ることは別物だ」と語った。 (出所:AFP BB NEWS)

 宇宙から俯瞰すれば、ひとつの事実も違った見え方をするのでしょうか。

 

 一方、イタリア ナポリではG20の気候・エネルギー相会合が開催されていたそうです。その場で「石炭火力発電の縮小や廃止」について議論したそうですが、具体策や数値目標などの合意に至らなったといいます。10月に開かれるG20首脳会合に持ち越したと日本経済新聞が報じています。

www.nikkei.com

 石炭が地球温暖化の主な原因であることは頭で理解はできても、自国の利益を優先すれば、即時廃止についつい反対してしまう。

みんなのためを考えず、自分ひとりの利益ばかりを考えれば、人から欲しいものを奪い取らないと満足できなくなる

 本来、経済活動は、社会のためになるというルールや道徳に基づかないと、理解されず、活動自体が長続きしなくなってしまいます。

 しかし、そのルールが高貴すぎて現実的でなければ、それがもとで生産力は低下し、国力を失わせることにもなりかねません。 ある意味では、「自分たちの利益」を優先させるという誘因がないと成り立たないのかもしれません。

 

 

 そうはいえ、今ある現実や世の中の空気、事情を読まずに、自分さえ良ければとなれば、因果応報、必ずその罪を償わされることになってしまうのかもしれません。これは一般的に言える道理なのではないでしょうか。

 他人を犠牲にしてまであげる利益ほど無意味なことはないともいえそうです。

 物事解決には優先順位があるのかもしれません。国ごとに抱える事情は異なります。この違いを理解した上で、問題解決のストーリーを共有する必要があるのでしょう。

 気候変動の問題を解決したいと欲望をみなで共有する一方で、「自国の利益」も尊重する。

 理想論に寄り過ぎれば空論となり、自分の利益ばかりを優先すれば分断を招く。いつ何時もバランスが求められているのでしょう。  

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 JFEホールディングスが、洋上風力発電設備の着床式基礎製造のための新工場に投資するそうです。JFEホールディングスはその意義を次のように説明します。

政府は、2050年に温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を揚げ、洋上風力発電再生可能エネルギー主力電源化の切り札として期待されています。

昨年12月に発表された「洋上風力産業ビジョン(第1次)」においては、2040年までに30~45GWの案件形成と国内調達比率を60%にする目標が示されました。
当社がモノパイル式基礎の国内製造事業に着手することは、この政府目標の達成に大きく寄与するものとなります。 (出所:JFEエンジニアリング

 JIJI.COMによると、JFEの他にも東芝住友金属鉱山信越化学などが設備投資し、政府の「脱炭素政策」に貢献するといいます。

www.jiji.com

 気候変動対策に立ち向かい、地球温暖化を防止するという課題解決を図ることが目的になっていないことに、 少しばかり戸惑います。動機が整理されていないように感じます。

人というのは往々にして、その仕事が自分の利益には関係のない他人事だったり、儲かっても自分が幸せにならず、損をしても不幸せにならなかったりすれば、その事業に全力で取り組もうとしない。ところが自分の仕事であれば、この事業を発展させたいと思い、実際に成長させていく。 (引用:「論語と算盤」渋沢栄一 P88)

 自分たちの仕事が気候変動対策になるとの強い信念があれば、政府のためではなく、もっと積極的に海外進出し、遅れている国を支援しようとの気もおきるのではないでしょうか。

 

「参考文献」

 

【競い合う気候変動対策】その場は11月のCOP26、国の「地球温暖化対策計画」素案まとまる

 

 この秋に開催されるCOP26に向け、各国が準備を加速させているのでしょうか。

 米国の気候変動問題を担当するケリー大統領特使が、気候変動問題の解決に向けた窓口は狭まっているとし、11月に英国グラスゴーで開催される第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を重要な転換点にする必要があるとの認識を示したそうです。

jp.reuters.com

「気候変動に対応し、最終的にこの危機を終わらせなければ、コロナ禍による苦しみは何倍にも膨れ上がる」とし、「気候変動への対応をコロナ禍後まで待つ余裕はない」と語ったといいます。とても印象的な言葉です。

 

 欧州では、EUの執行機関欧州委員会が、2030年の温室効果ガス削減目標「1990年比で少なくとも55%削減を達成」するための政策パッケージ「Fit for 55」を発表しました。まだ紆余曲折が予想されるようですが、今後、これが基調になり、加盟国や欧州議会で議論され法制化されるといいます。

今回の政策パッケージは多岐に及んでおり、相互に連関している。

しかし大別した場合、発表された法令案はおおむね、改正EU-ETSおよび新たに発表されたCBAMなどカーボンプライシングに代表されるEU独自の枠組みの見直しおよび整備(1~5)、エネルギー利用に関する規制(6~8)、自動車をはじめとする運輸・モビリティ分野の排出削減に関する規制(9~12)の3領域に整理することができる。(出所:JETRO

www.jetro.go.jp

 JETROによると、ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は、政策の方向性は正しいとし、「悪魔は細部に宿る」ということわざを用いて、多くの産業に多大な影響を及ぼすことが予想される同パッケージの今後の検証が重要だと指摘したといいます。

 

 

 国内でも「エネルギー基本計画」の素案が固まり、今後10月までには閣議決定されるといいます。また、「地球温暖化対策計画」の素案の内容も明らかになったとNHKが伝えています。

「すべての社会経済活動において脱炭素を主要課題の1つとして位置づけ、持続可能で強じんな社会経済システムへの転換を進めることが不可欠」として、政府が脱炭素を軸に政策を進める姿勢を鮮明にしています。

また、家計に伴う消費による排出量が全体の6割を占めるという分析を示し、省エネ・脱炭素型の製品への買い替えやサービスの利用を促すことで、「国民一人一人の自主的な行動や積極的な選択に結び付け、ライフスタイルの脱炭素化を図る」としています。 (出所:NHK

www3.nhk.or.jp

 こちらも秋までに計画を閣議決定する方針だといいます。

 COP26を意識した日程で議論が進められているということでしょうか。従来のようにCOPの場で単に削減目標を示し国ごとに競うのではなく、各々国がきわめて実効性の高いものを目指すときになっているような気がします。

 ただ計画を作り、押しつけるのではなく、企業や国民、すべてのステークホルダーが理解を深め、能動的に「脱炭素」に参加するように仕向けるのが、国の仕事、役割でもあるような気がします。

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われわれは数字にコミットしているだけでなく、非常に明確な具体策も持っている』と、欧州の政策パッケージ「Fit for 55」の発表について、ヨーロッパ気候基金のローレンス・トゥビアナ最高経営責任者が述べたと東洋経済オンラインが伝えています。

ヨーロッパ委員会がこのタイミングを選んで包括案を公表したのは、気候変動対策で先行するヨーロッパの立場を際立たせ、中国やアメリカなど他の主要排出国に圧力を加えるためだ。 (出所:東洋経済オンライン)

toyokeizai.net

 国はどこまで意識できているのでしょうか。COP26でも、リーダシップを発揮することができる実行計画が作ることはできるのでしょうか。

 

【脱炭素】エネルギー基本計画の素案公表、再エネ主力電源化、地域との共生を謳う

 

 国の総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会が開催され、「エネルギー基本計画(素案)」が示されたといいます。

総発電量に占める各電源の割合を示す「電源構成」の30年度見通しも示し、現行計画では22~24%の再エネは36~38%に大きく引き上げた。原発の新増設に関する記載は見送ったが、30年度の原発の比率は現行の20~22%を維持しており、再エネと原子力を合計した非化石燃料の比率を現行の4割強から6割に積み増した。(出所:毎日新聞) 

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(資料:資源エネルギー庁「エネルギー基本計画(素案)の概要」

 新たなエネルギー基本計画(素案)の全体像では、2050年カーボンニュートラル、2030年の46%削減、更に50%の高みを目指して挑戦を続ける新たな削減目標の実現に向けたエネルギー政策の道筋を示すことが重要テーマだとしています。

 

再エネ主力電源化

 今回の素案では、2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題と対応のポイントが記され、2050年に向けては、温室効果ガスの8割を占めるエネルギー分野の取組が重要とし、「再エネについては、主力電源として最優先の原則のもとで最大限の導入に取り組み、水素・CCUSについては、社会実装を進めるとともに、原子力については、国民からの信頼確保に努め、安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用していく」とした。

電力部門は、再エネや原子力などの実用段階にある脱炭素電源を活用し着実に脱炭素化を進めるとともに、水素・アンモニア発電やCCUS/カーボンリサイクルによる炭素貯蔵・再利用を前提とした火力発電などのイノベーションを追求。

非電力部門は、脱炭素化された電力による電化を進める。電化が困難な部門(高温の熱需要等)では、水素や合成メタン、合成燃料の活用などにより脱炭素化。特に産業部門においては、水素還元製鉄や人工光合成などのイノベーションが不可欠。 (出所:資源エネルギー庁「エネルギー基本計画(素案)の概要」

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 また、最終的に、炭素の排出が避けられない分野については、DACCSやBECCS、植林などにより対応するとしています。

 静岡県熱海市での土石流災害の影響があるのでしょうか、再エネの「具体的な取組」として、「地域と共生する形での適地確保」をあげました。この他にも「事業規律の強化」をあげ、地域共生を円滑にするための条例策定の支援などに取り組むとしています。

 

原子力

発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない原発については、与党の一部で東京電力福島第1原発事故後の方針を転換し、国による新増設の後押しを求める声が高まっていた。だが改定案では、東電柏崎刈羽原発の不正入室問題などを踏まえて、原発は「社会的な信頼は十分に獲得されていない」と明記。新増設は見送られたが、「必要な規模を持続的に活用する」と記載された。 (出所:毎日新聞

mainichi.jp

 19年度の実績では再エネは18%、原発に至っては6%に過ぎず、改定案を実現するには10年程度で割合を大幅に高める必要があると、毎日新聞は指摘し、国際公約でもある「脱炭素目標」の達成に向け、新たなエネルギー基本計画の実効性が今後も問われるといいます。

 エネルギー基本計画は3年に一度見直されています。計画立案者としての国のリーダーシップに期待を寄せるのは当然のことなのでしょうけれども、その実効性を高めるのは各事業者の行動によるところが大きいのではないでしょうか。どこかで国に依存したいとの甘さがあると、その実現が危うくなるのではないでしょうか。

 

 「参考文献」

www.enecho.meti.go.jp

【循環型社会へ】動き出す「サステナブルファッション」、業界団体を結成へ

 

「脱炭素」に動きだした国際社会。各国の競い合いが始まっているのでしょうか。

 差し当たっての目標はパリ協定で定めた1.5℃目標。2050年のカーボンニュートラル達成が各国の共通認識になり(中国は2060年としていますが)、その達成のための中間目標となる2030年までの目標と行動計画でしのぎを削っているというところでしょうか。

 様々な新たな価値が一気に立ち上がろうとしています。様々な議論が一気に立ち上がり、どれが社会に定着し、現実に脱炭素社会に貢献するのだろうかと感じることもあります。たとえるなら、ほんとうに水素社会は実現するのだろうかと。2050年、遠いようで近い未来。そのとき、水素はどれだけ現実の社会で脱炭素に貢献することになっているのでしょうか。そればかりでなく、循環型社会やクルマの電動化などなど.....

 

ファッションと循環型社会

サステナブルファッション」を目指す業界団体を8月初旬に設立されるそうです。

 WWD Japanによれば、環境省が7月20日に発表し、9月初旬には他の企業にも参加を呼び掛け、11月に第一回総会を行うといいます。

 この業界団体は、「適量生産・適量購入・循環利用によるファッションロスゼロ」と「2050年カーボンニュートラル」を目標にするそうです。

www.wwdjapan.com

 現在、参加を表明している企業は、アダストリア伊藤忠商事倉敷紡績ゴールドウイン帝人フロンティア東レ、豊島、日本環境設計、ユナイテッドアローズで、アシックスは賛助会員として参加し、事務局は、ユニステップスと伊藤忠ファッションシステムが担うそうです。

「いいたいことが2点ある」と、東レの寺井秀徳・繊維GR・LI事業推進室長が会見で述べたとWWD Japanが伝えます。

1点目は、今後、リサイクルやバイオをうたった衣料品がますます増えていくが、は消費者に見える化する意味でも、それらの成分含有率を表示する制度を構築していきたい。

2点目はファッションロスゼロのためにも重要となる繊維to繊維のリサイクルに関して、ファッション業界全体で取り組む体制を構築したい。高コストになるケミカルリサイクルに関して、税制や助成面での政府のご支援をお願いしたい。(出所:WWD Japan)

 これに対し、小泉環境相が、「(東レの)寺井さんからは見える化と税制優遇の話の具体的な政策提言があった。ファッション分野の政策につながる提言をしてもらうことがこのアライアンスの大事な役割だと思う。そういった意見を形にできるようにしたい」とコメントしたといいます。

 

 

 ファッションにおいて、バイオ素材やリサイクル素材への転換を押し進ようとすれば、素材メーカの力によるところが大きくなるのでしょうか。

 従来の設備をそれに対応させるためには刷新が求められる。そこに需要が生まれつつあることは理解できても、いざ投資の段となると、まだ二の足を踏む、強力なインセンティブがあれば.....との印象を東レの発言から感じます。

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 鶏が先か卵が先かの論理のような気がします。世の中が脱炭素に注目し、ESG投資が主流になりつつあります。企業もこの流れを無視できないはずです。自ら仕掛け、サステナブルファッションの需要を作り、その成長に合わせ、設備していくしかないように思えます。投資回収ということからすれば、サステナブルファッションがラグジュアリー、高級品になってしまうということなるのかもしれません。もしかしたら、東レにはそれについての疑問や苛立ちがあるのでしょうか。

 今までは個社で進めてきた「サスティナビリティ」を業界団体として推進できるのなら需要を大きくすることができるかもしれません。政府施策ばかりに頼るのでなく、業界団体としてどれだけ消費者に訴えかけることができるのか、それにかかっているような気もします。

 団体が目標とする、「適量生産・適量購入・循環利用によるファッションロスゼロ」と「2050年カーボンニュートラル」は実現することはできるのでしょうか。

 生半可の努力では実現しないのかもしれません。現状の経済を否定するくらいの勇気が必要になっているのではないでしょうか。ただ潜在需要は確実にあるように思われます。

【サスティナビリティの現在地】啓発の坂の途上なのか、それとも再び幻滅のくぼ地に転落するのか

 

 脱炭素やカーボンニュートラル、ESGに、もちろん「SDGs」、そうした言葉たちが市民権を得つつあるのでしょうか。

 国がカーボンニュートラルの2050年の達成を目標にすると、環境問題は意識高い系と言われていたことが嘘のように静まり、関連情報のニュースが溢れるようになりました。

 ハイプサイクルの「幻滅のくぼ地」を乗り越え、「啓発の坂」を登り始めたというところなのでしょうか。この「啓発の坂」が続くのなら、その利点と適用方法を理解するようになるといわれています。

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(画像:ガートナージャパン

 SDGsが国連で採択されて5年が過ぎました。そろそろ社会にしっかりと根をはり、目標が一つひとつ解決に向かっていると体感できればいいのかもしれません。

 

 「娯楽や食にもカーボンニュートラルの波、成長ビジネスはどこに?」との日経XTECHの記事があります。

 エンジニア向けサイトも、こんな見出しの記事を出すようになっています。啓蒙期かなと感じるばかりです。

 日々世間をにぎわせるカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)の話題。日本政府は2050年の実現を宣言しており、自動車関連をはじめ、大手企業からの発信も目立つようになってきた。

今回は、CO2(二酸化炭素)削減に貢献する日々の取り組みを消費者の観点から考察し、その奥に潜む新しいビジネスの種について考える。 (出所:日経XTECH)

xtech.nikkei.com

「サスティナビリティ」の意義を問う訳でもなく、その意義が認知されていようといまいと、「サステナブル生活を支える新ビジネスに注目」、そんな論調で記事は展開されていく.....

 本質から大きく外れることがなければ、それはそれでよいことなのかもしれません。間口が広がれば、それだけ新たな視点があるのかもしれません。

 

 

「ESG投資を殊更に難しく考える必要はないだろう」とニッセイ基礎研究所は言います。さらに「完璧なESGに取組むことは不可能に近い」といい、「ESGは、決して投資家のためだけではなく、企業のためだけでもなく、地球上に生活するすべての人間と生物全般のために、地球環境や社会全般を慮る行動である」といいます。

実は、ESGの大きな要素は、外向けのプレゼンテーションにあり、悪く言えば、“キレイごと”にあることも珍しくない

水素ガスを使った燃料電池車は環境に優しいと言われるが、その水素をどうやって作ったのか? 化石エネルギーを燃焼する火力発電で作った電力で水を電気分解したのでは、本末転倒の誹りを免れない(電気自動車も同様である)。また、現在の主力である化石燃料から水素を取出す方法でも、二酸化炭素が副産物として発生している。 (出所:ニッセイ基礎研究所) 

www.nli-research.co.jp

  ESGという概念が限界を内在していることを理解すれば、真面目にひたすら突き詰めることなく、しかし、真摯な姿勢を持って、少しずつESGに取組むことが出来るのではないかとニッセイ基礎研究所は言います。

 言いたいことは理解できるし、大筋では間違ってはいないのだろうけれども、多少疑問も沸きます。

 地球温暖化や異常気象のこと、防災のこと、プラごみのこと、山と木や自然のこと、安全な食事、そして、家族のことや子供たちの未来。サスティナビリティの起点はそんな身近なことにあるのではないでしょうか。

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 ESG投資、そんなに簡単に綺麗ごとと言っていいのだろうか。仕事としての立場を離れ、一生活者の視点からすれば、そんな悠長なことはいっていられないような気がします。

 限界を作れば、そこで進歩は止まる。進歩が止まれば、失望に変わる。失望は「幻滅のくぼ地」に引き戻してしまいます。投資が限界を作ってはならないような気がします。参加する人が増え、多様な視点が加わることで、期待値に変化を起こしていかなければならないのかもしれません。