Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【地球を救う】宇宙で使う洗剤を開発するP&Gとジェフベゾス氏が宇宙を目指す理由

 

 米国ラスベガスで毎年1月に、世界最大の電子機器やテクノロジーの見本市「CES」が開催されている。今年の「CES」では、日用品のP&G プロクター・アンド・ギャンブルが洗剤の「Tide」を出展したと聞いて、ずいぶん様変わりしたものだと驚いた。

宇宙で使える洗濯洗剤

 宇宙空間、ISS 国際宇宙ステーションでは、洗濯ができずに同じ服を何日も着続けなければならないそうだ。この問題を解決するため、P&GとNASA 米航空宇宙局が「Tide Infinity」という洗濯洗剤を共同開発したという。

折り畳みディスプレイのハイブリッドPCから電池不要のリモコンまで、「CES 2022」で見つけた注目の14製品 | WIRED.jp

 wiredによれば、それは無香料で完全に分解可能な成分を使っているので、ISSのように水を循環させて使う完全閉鎖系のシステムでも安全に使えるという。

 

 

この洗剤に含まれる汚れや臭いを防ぐ主成分の効果については、これから数カ月かけて宇宙空間で検証される予定だ。さらに今後は、洗浄能力や補給方法、深宇宙ミッションにおける洗濯洗剤としての有用性などを検証することになる。(出所:wired)

 この実験で得られた知見で、水が少ない地域でも洗濯できるようになったり、生活雑排水をより効率的に再利用できるようになるかもしれないそうだ。

「地球上での洗濯プロセスをより持続可能なものにしていきたい」と、P&Gがいっているという。

ジェフベゾス氏が目指す宇宙とは

 アマゾンの創業者にして、航空宇宙企業である「ブルーオリジン」を運営するジェフベゾス氏が「Invent & Wander」という本を執筆し、宇宙進出について語った。

資源は有限なのに需要が無限に伸びたらどうなるでしょう?  答えは簡単です。

配給制にするしかありません。

いまのままだとその方向に向かうほかなく、世の中がその方向に進めば、歴史上はじめて私たちの孫世代は私たちよりよい人生を送ることができなくなります。決していい方向とは言えません。(出所:ダイヤモンドオンライン)

 いずれ「資源が枯渇するようになる」とベゾス氏は指摘し、「停滞」と「成長」のどちらを選ぶかと問う。

 そして、地球を出れば太陽系には私たちが実際に使える資源が豊富に存在するという。これは、「私たちが選択できる」ことを意味する。

「停滞と配給か? それとも活気と成長か?」 選ぶのは簡単です。

 ベゾス氏は地球近くに「スペースコロニー」を作るべきだと主張する。

 ベゾス氏が始めた「ブルーオリジン」は、将来の有人宇宙飛行を目的とし、民間資本で宇宙旅行を大幅に安くして、なおかつ信頼性を高める技術を開発しているという。

 

 

 宇宙移住の候補地として有力視される火星では遠すぎて、火星への往復には数年かかり、さらに最適な打ち上げの機会は26か月に1回しかない。これではロジスティクスの面で非常に深刻な問題になり、そのうえ、距離が遠すぎて地球とリアルタイムの通信ができない。光速の限界という。

 しかし、コロニーなら気候も思いのままコントロールでき、一年中マウイ島の気候を味わうようなこともでき、雨も降らず、嵐もなく、地震もないという。美しく住みよい環境がそこにあれば、住みたがる人は増え、しかも地球から近い場所につくれば、地球に戻ることもできるという。

ジェフ・ベゾスが「人類は宇宙に住む以外道がない」と断言する衝撃理由 | Invent & Wander | ダイヤモンド・オンライン

 ただ地球は「制限居住地区」となり、軽工業だけが行われる場所になり、そして、住むにも、訪れるにも、美しい場所になるという。

大学に行くにも、軽工業を営むにも最適な場所になります。ですが重工業や大気汚染の原因になるような工業、つまり地球に害をもたらすことはすべて、地球の外で行われるようになるのです。

そうすれば、この宝石のような奇跡の惑星を、一度傷つけてしまうともとに戻らない場所を、保護することができます

これ以外に道はありません。地球を救わなければなりませんし、孫やその孫のために活気と成長をあきらめてはいけません。どちらも手に入れることはできるはずです。(出所:ダイヤモンドオンライン)

 

 

アマゾンの成功とブルーオリジン

 アマゾンが成功できたのは、それまでにあったインフラを上手に利用したにすぎないと、ベゾス氏はいう。そして、これは重要なことを意味する。

 今すぐに宇宙にコロニーを作ろうとしても、それは実現することはない。まずインフラを整えていく必要がある。そう、後の世代のためにまずはインフラをつくることから始める。

コロニーを建設するのは、いまの子どもたちとその子どもや孫たちです。孫世代がコロニーをつくれるよう、インフラをつくりはじめるのは私たちの世代です。私たちが宇宙への道を切り開けば、素晴らしいことが起きるでしょう。(中略)

環境が整えば、人々は思い切り創造性を開花することができます。私たちの世代が宇宙への道を開き、インフラを築けば、大勢の未来の起業家が本物の宇宙産業を創造するでしょう。(出所:ダイヤモンドオンライン)

 日本にも同じように宇宙に思いを馳せ挑戦する企業があるようだ。

月面農業は地球の食糧問題を解決するのか

 人類が地球外に住むときに重要なカギとなるのが「食」といい、宇宙での食の開発をする名古屋大発のスタートアップ「TOWING」。 農業に不可欠な「畑」を宇宙につくることが目標だという。

次世代の”畑”を宇宙に -地球の農業を救う持続可能な畑とは | SPACE Media

 SPACE Mediaによれば、「TOWING」2021年9月から、地球と宇宙の食の課題解決を目指すJAXA主催共創プログラム「SPACE FOODSPHERE」に参画し、月面基地上で利用する土・畑の開発を行っているという。

 具体的には、人工土壌「高機能ソイル」の実用化を目指しているという。

「高機能ソイル」とは、農研機構が開発した良質な土壌の微生物環境を構築するバイオテクノロジーだそうだ。

「宇宙のために開発している技術を上手に地上にリンクさせ、地球の食糧問題の解決も目指していきたい」

と「TOWING」の代表 西田宏平氏が述べているという。

 無謀と思えるような宇宙の夢も、もう最初の一歩が始まっているようです。そこで得られる知見がまた、今地球が抱える問題の一助にもなっていくのかもしれません。

 

再エネ企業が風力発電公募で落選し、ガス会社が風力発電の低コスト化を進める不思議

 

 トンガの大規模噴火の後、「トンガの噴煙で温暖化が一気に解決?」というような書き込みがSNS上にあったそうです。

トンガ噴火の気候への影響 専門家「限定的とみられる」 | NHKニュース

 NHKによれば、火山噴火によって放出される二酸化硫黄は大気中で酸化して「硫酸塩」になり、火山灰とともに地上に届く太陽光を弱める働きをするそうです。

1991年のフィリピン・ピナツボ火山の大噴火では多量の噴出物が成層圏に達した結果、地上に届く太陽光が弱まり、地球全体の平均気温が0.5度ほど下がりました。日本のコメの生産量減少にもつながったとされています。(出所:NHK

 

 

 江戸期におきた天明の飢饉では浅間山岩木山の噴火の影響があったといわれ、また、12世紀の浅間山の噴火が、欧州の異常気象に原因となり、大雨や冷夏が数年続き、作物の不作と飢饉をもたらしたという研究結果もあるといいます。

900年前の欧州の大飢饉、浅間山が原因? 氷河に痕跡:朝日新聞デジタル

 火山噴火と地球温暖化の関係というよりは、過去の事例からすれば、それが天候不順や異常気象につながり、不作が起す可能性も否定できないとみるほうが現実的ではないでしょうか。ただでさえ、食料品が値上がりしているこの時期なのですから。

ただ、今回のトンガの噴火では、放出された二酸化硫黄の量がピナツボ火山の50分の1程度だという速報的な解析もあるそうです。天候への影響の調査が早めに進むことを期待したいです。

洋上風力発電公募で落選、株価が下落するレノバ

 期待とは時に裏切られることもあるものです。

 再生可能エネルギー発電施設の開発と運営を行うレノバが、秋田県由利本荘市沖の洋上風力案件の公募で落選し、その後、株価が最高値から7割近く下落しているといいます。

レノバ、洋上風力落選で見えてきた真の実力: 日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、今回の案件を受注した三菱商事連合は売電価格を11.99円としたのに対し、レノバが提示価格は倍以上の開きがあったのではないかと予測しています。

 

 

洋上風力の国内大型案件を逃したレノバだが、そう悲観する必要はないとの見方もある。(出所:日本経済新聞

 レノバが計画中のバイオマス太陽光発電などが全て稼働する25年時点では、売上収益が伸長し、十分な純利益も確保できる見込みといいます。

 ただレノバの売電価格はFIT制度に支えられ、我々は高い電気料金を強いられています。株価的には悲観する必要はないのかもしれませんが、何か釈然としません。

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(写真:“Photo courtesy of Principle Power. Artist: DOCK90”via 東京ガス

 会社の成長を願えば、次々と発電所を増設し続けるということなのでしょうけれども、それで十分なのでしょうか。脱炭素に貢献することはあるのかもしれませんが、由利本荘市沖で落選した理由からすれば、もうそろそろ価格競争力を高める施策が必要になっているのではないでしょうか。

洋上風力発電の低コスト化に挑む東京ガス

 東京ガスもガス会社でありながら、積極的に洋上風力発電への参入を目指し、準備を進めています。そのために、浮体式洋上風力に着目、その量産化技術や低コスト化技術を開発するといいます。

東京ガス : NEDOグリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化プロジェクトの実施予定先に選定

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(画像:東京ガス

 東京ガスのキャッチコピーではないですが、「脱炭素は脱常識」ということなのかもしれません。以前であれば、ガス会社が電気を扱うとは想像できませんでした。規制緩和はあったものの果敢にチャレンジする東京ガスには期待したいと思います。

  

【日々見つけるSDGs】PCメーカの「隠れESGを探せ」活動、増え始める「エネルギー消費ゼロ」のマンション

 

 ESGに、SDGs、良くも悪くも浸透し始めてきたのかと感じますが、どうなのでしょうか。実際に住宅や職場において、それが実感できるのが何よりではないのか、そう思っているのですが、そんな動きがちらほらありそうです。

「#隠れESGを探せ」プロジェクト = レノボ

 レノボジャパンが、働く人を対象にESGの認知度を調査したところ、60%がESGを「知らない、初めて聞いた」と回答したといいます。

 この結果を受けて、 Lenovoは「#隠れESGを探せ」プロジェクトを昨年12月から始めたそうです。

「#隠れESGを探せ」プロジェクト ThinkPadが当たる!キャンペーン実施中 | レノボ・ジャパン

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(写真:レノボジャパン)

意識せずに実践している節電や節水を始めとするESGアクションを「隠れESG」と命名。身近なアクションを顕在化させることで、ESGを分かりやすいものとして伝え、日本全体のESGを推進することを目的として活動を行っております。(出所:レノボジャパン)

 気づかずに実践していることに焦点をあて、それを起点にして、活動が広がるのが理想なのかもしれません。

 

 

 レノボは「#隠れESGを探せ」プロジェクトの賛同企業を募集、活動を共にすることで日本全体のESG推進を目指すといいます。

 膨大な設備投資が伴う大型のESG投資ばかりでなく、こうした身近なことを共有するプロジェクトが積極的に推進されれば、地球にやさしい環境が少しずつ取り戻されていくのではないでしょうか。それは職場ばかりでなく、日常生活においても同じような気がします。

エネルギー消費ゼロのマンション開発

 マンション業界にも変化が現れてきているといいます。ZEH化に及び腰だった業界が、国の指針が明確になったことで、三菱地所レジデンスや住友不動産大京など大手デベロッパーが、今後開発する自社開発の分譲マンションはZEH仕様にするといいます。

脱炭素が迫る「全マンション省エネ化」の高いカベ | マンション大変貌 | マンション大変貌 | 週刊東洋経済プラス

ZEH(ゼッチ)ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」、エネルギー消費をゼロに近づけた住宅のことで、国が認定しています。

 東洋経済プラスによると、三菱地所レジデンスが開発した浦安市の大型分譲マンション「ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラ」は、「駅チカ」ではないにもかかわらず販売が好調で、ZEHであることが評価されたようだといいます。

マンションの屋上には太陽光パネルが敷き詰められ、1日あたり400キロワットの発電容量があるといいます。

生み出した電力を給湯に利用し、水道光熱費を戸当たり年間10万円程度削減できるという。

さらに、住戸の断熱性強化や節水性の高い機具の導入、再生可能エネルギー由来電力の一括受電など、CO2(二酸化炭素)の排出量削減に余念がない。(出所:東洋経済プラス)

 

 

「現時点でZEHマンションはまだ少ないが、今後ZEHマンションが市場において多数派になってくると、ZEHではないマンションは顧客に敬遠される可能性がある」と記事は指摘しています。

 初期投資はかかるという難点はあるものの、環境に配慮することが、後々にはコストメリットとして享受できるとの理解が進めばいいのでしょう。

 消費することからだけではなく、暮らしという身近なところからESGやSDGsを感じ、理解が進んでいくといいのかもしれません。

 

「参考文書」

経営者の70%が「自社でESGに取り組むことの難しさを感じている」という結果を受けて Lenovo 「#隠れESGを探せ」プロジェクトに20企業が賛同|レノボ・ジャパン合同会社のプレスリリース

いまなぜ「ESG」なのか? レノボ「隠れESGを探せ」プロジェクトに込めた思い: J-CAST 会社ウォッチ【全文表示】

 

NFTアートでの訴訟、アマゾンのアパレル リアル店舗、ヤマトの貨物専用機導入、次に向け準備進む

 

「NFT 非代替性トークン」、興味を示しつつも、これからなのだろうと思っていましたが、瞬く間に広がったのでしょうか。

 高級ブランドの「エルメスHERMES)」が、「バーキン(Birkin)」に類似したバッグをデジタル上で100個製作、NFTマーケットで販売したメイソン・ロスチャイルドを、商標権侵害でニューヨーク州連邦裁判所に提訴したといいます。

デジタルの“バーキン”は模倣かNFTアートか 「エルメス」がクリエイターを提訴 - WWDJAPAN

 WWD Japanによれば、正規品のバーキンは9000~50万ドル(約100万~5700万円)で取り引きされているそうで、一方、ロスチャイルドが12月に販売した“メタバーキンズ”の価格は10イーサリアムで、4万ドル(約450万円)以上に相当するといいます。

 NFTアート、仮想現実の世界でももう覇権争いが始まっているようです。

 

 

アマゾン初のアパレル実店舗

 他方、リアルな世界では、米Amazon .comが、ロサンゼルスの近郊にアパレルの実店舗「アマゾン・スタイル」を開くと発表したといいます。

Amazon、米で初のアパレル実店舗 22年後半に: 日本経済新聞

 日本経済新聞によると、試着室のスクリーンで色違いを選びアプリで電子決済するなど最新のデジタル技術を導入するといいます。

オンラインで販売する衣料品や靴、アクセサリーなど数百のブランドを取り扱う。

顧客が試着したい商品のQRコードスマホで読み取ると、試着室に商品が自動的に用意される。試着室では画面上でサイズや色違いも選択できる。QRコードの読み取り後に決済ボタンを押せば試着をせずに購入できる。(出所:日本経済新聞

 リアルな世界でもデジタル化がさらに進み、アパレル販売にも変化があったりするのでしょうか。

 そのアマゾンの米国でのアパレル販売額は、小売り最大手のウォルマートを20年に抜いて、首位になったといいます。ファーストリテイリングがこれからの競合は「ZARA」でなく、アマゾンといった意味がよくわかります。

 一方、ファーストリテイリングは「有明プロジェクト」で、ユニクロ版デジタル改革を進め、「顧客の声を中心とするあらゆる「情報」を把握し、各業務プロセスの最適化を図り、顧客満足の最大化を実現する」そうです。

【ユニクロ】デジタル改革で生み出す、服ビジネスの「新常識」

顧客満足の最大化」という本質的なところでは、アマゾンもファーストリテイリングも差がないのかもしれませんが、そのアプローチには差はありそうです。

 製造小売業ファーストリテイリングは情報を取り入れ、ものづくりを進化させ、EC販売も拡大させていく。逆にアマゾンはECサイトから製造小売業に近づいていったりするのでしょうか。

 

 ECサイトにおける基盤のひとつ物流業界でも新たな動きがあるようです。

 クロネコヤマトヤマトホールディングスが、強靭な物流ネットワークの構築に向け、首都圏から北海道、九州、沖縄地域への長距離輸送に貨物専用機を導入し、その運航を2024年4月から開始すると発表しました。

持続的な物流ネットワークの構築に向けて フレイターの運航を2024年4月から開始 | ヤマトホールディングス株式会社

 ヤマトはこれまでにモーダルシフト環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用)など地球環境に配慮した取り組みを推進しきたそうです。その一方で、気候変動の影響で全国各地で大雨や大雪などの災害が増加するようになり、これらによる物流網寸断リスクへの対応を強化していく必要に迫られていることが導入の理由のひとつといいます。

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(写真:ヤマトホールディングス

 このコロナ禍にあって、「Zoom」がブームになったり、「巣ごもり消費」が注目されたりしましたが、こうした変化を受け入れながら、コロナ後に向けての準備が進んでいるように感じます。

 

「参考文書」

米アマゾン初のアパレル実店舗、アルゴリズムが試着をお勧め | ロイター

なぜ「悪い円安」は終わらないのか、SDGsで国内産業は活性化しないのだろうか

 

 足下での物価上昇が気になります。総務省によれば、昨年12月の全国消費者物価指数は、前年同月比で0.5%上昇し、前年実績を上回るのは4カ月連続になるそうです。

消費者物価指数、0.5%上昇 21年12月、4カ月連続 | 共同通信

 共同通信によれば、原油高や円安で電気代やガソリン代などが値上がりし、品目別ではエネルギーが16.4%上昇しているといいます。

 適正な物価上昇はよいこととされています。その前提条件は、「賃上げ」が物価以上に上がることのようです。「悪いインフレ」にならないことを願うばかりです。

 

 

 最近では「悪い円安」「悪いインフレ」という言葉を耳にするようになりました。

 税理士ドットコムニュースによれば、円安によって輸入代金が上昇すると、それによって物価上昇を強く感じるようになるといいます。

日本は「悪い円安」に陥っているのか 今さら聞けない「為替」の基本 - 税理士ドットコム

 以前と異なり貿易黒字は縮小し、輸入が増加するようになり、円安による輸出の効果よりも、輸入の増加と調達コストの上昇という負の側面の方が強くなっているそうです。

 このことから「悪い円安」とも言われるようになっているようです。

 このまま円安基調が続くようであれば、輸入が減るように国内産業が充実すればと思うのですが、簡単なことではないのでしょうか。国内産業の育成なくして、輸出増もありえないように思えますが。

 

 

 エネルギーはその最たるもので、再生可能エネルギーであれば、燃料を輸入頼る必要はありません。また必要設備、装置を含めて内製化でき、競争力を持ち得るのであれば、その装置の輸出も可能性になるのではないでしょうか。何とかならないものなのでしょうか。

北海道釧路の地域マイクログリッド

 北海道電力ネットワークが、釧路市に地域のマイクログリッド 小規模電力網を構築し、自然災害等による大規模停電が起こった際にも地域で電気を使えるようにするといいます。エリア内には再生可能エネルギーのバイオガス発電や太陽光発電設備に、蓄電池も設置し、2023年3月からの事業開始を目指すそうです。

釧路市阿寒町地域マイクログリッド構築事業コンソーシアム協定書の締結について - ほくでんネットワーク

 ほくでんネットワークによれば、糞尿をつかったバイオガス発電設備の運用を行う㈱天翔阿寒は牧場の近隣に立地し、糞尿の提供も行うそうです。

 こうした燃料輸入に頼らない地域の小規模電力網が、北海道ばかりでなく色々な地域で増えていけばいいのではないでしょうか。その地域特性に合わせた、例えば小水力発電などの再生可能エネルギーの利用があってもいいのかもしれません。こうした小さな電力網の点と点が、デジタル技術で融合し、大きな仮想発電所VPPとして運用されていくようになればいいのでしょう。

 

 

地産地消のサーモン養殖

 ミドリムシユーグレナは、三重県多気町と中部プラントサービスの3者で、「もっとバイオ多気」というコンソーシアムを設立し、木質バイオマス発電所の排熱などの未利用エネルギーや町内の未利用資源などを活用した陸上での魚介類養殖の実証試験を共同で実施、その成果を昨年8月に発表しました。

三重県多気町の未利用資源と微細藻類による飼料を給餌した「多気サステナブルサーモン」を開発 | 株式会社ユーグレナ

 その成果物である「多気サステナブルサーモン」は、多気町の未利用資源の活用し、環境負荷を軽減した育成方法を取り入れ、また、飼料にはミドリムシを利用することで低魚粉化し、また外来生物を有効利用することで、開発されたといいます。

 この「多気ブランド飼料」という名のエサには、多気町原産のユーグレナミドリムシ)や規格外品としてこれまで未利用のまま廃棄されていた松阪牛の牛脂、酒粕、米ぬか、伊勢芋、伊勢茶、ミカン、次郎柿に加え、生態系への影響が懸念される外来生物であるアメリカザリガニなどを配合して低魚粉化したそうです。

 また、陸上養殖では、閉鎖循環式を取り入れ、水を常にろ過しながら再利用するため、環境への負荷が少なく、また設置場所の制約がないといいます。

 

 

 また、水揚げされる「多気サステナブルサーモン」は、地元三重県立相可高等学校が運営する高校生レストラン「まごの店」で提供されるそうです。

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(写真:ユーグレナ

 こうした1次産業から3次産業にわたる事業が国内のあちらこちらで立ち上がり、デジタル技術を活用することでさらに効率化運営が進めば、地域は活性化し、そこに雇用が生まれれば、さらなる地域活性化に貢献することにならないでしょうか。

 また、近年養殖生産は、世界で年々伸びているそうで、使用される飼料は、天然魚を主成分とする魚粉がタンパク質源として利用され、持続的な養殖業の発展のためにも飼料の魚粉依存を減らすことが急務となっているといいます。今回開発されたような飼料の低魚粉化は、SDGs「GOAL14:海の豊かさを守ろう」への貢献につながるとユーグレナはいいます。

 こうした仕組み、取り組みが国内ばかりでなく、海外にも輸出されていってもいいのかもしれません。また、こうしたことを通して、効率化が進み、国内産業の生産性が向上していけば、円安是正にもつながっていかないのでしょうか。

 

【バイオ技術】気候変動に立ち向うミドリムシ、たんぱく質不足にはゲノム編集魚

 

 「大寒」、1年で一番寒い時期といいます。この日を過ぎるとようやく春に近づいていくのだなと感じ、少しばかり晴れやかになります。

 一方、真夏の南半球では熱波が到来したようで、オーストラリアのパースの北に位置するオンズローという町で最高気温50.7℃を記録しましたといいます。

オーストラリアで気温50.7度。南半球の最高気温に並ぶ | ギズモード・ジャパン

 GIZMODOによると、この記録は、1960年に南オーストラリア州の奥地で観測された南半球の史上最高気温とタイになったといいます。オーストラリアで気温が50度超えとなったのは、これまで観測史上3度だけだそうです。

 まだ大寒を過ぎたばかりですが、今年の日本の夏が気になります。

 

 

気候変動対策に、期待のミドリムシ

 頑張っても今すぐに効果を感じられないのが気候変動対策です。そうはいえども、地道に実行していかなければなりません。

 ユーグレナバイオディーゼル燃料の実証実験がJR東海で始まるといいます。

バイオ燃料ついにJR東海の特急へ 新型HC85系で試験 ユーグレナと脱炭素! | 乗りものニュース

 乗りものニュースによれば、1月下旬からまずエンジン単体の試験を行い、2月上旬からは名古屋車両区内での走行試験、その後、2月中旬から下旬にかけて紀勢本線にて、在来線の新型特急車両「HC85系」試験走行車を使い、走行試験が行われる予定だといいます。

 まだまだ課題も多そうなミドリムシですが、本格利用が拡大し、少しでもCO2排出削減に貢献できればいいのでしょう。

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バイオ技術が気候変動対策の大きな柱

 国が2050年のカーボンニュートラル達成を目標にしたことで、脱炭素に注目が集まり、様々な産業でその取り組みが始まっています。国の「クリーンエネルギー戦略」がまとまれば、その動きがさらに加速していくことが期待できるのでしょうか。

 そんな中、首相がバイオ関連団体合同新春セミナーにビデオメッセージで登壇し、「バイオ技術は、世界的な課題である地球温暖化対策においても、大きな切り札となるものです」と述べたといいます。

新たに、大気中のCO2を原料とする微生物の活用が、世界的に注目を集めています。革新的なバイオ技術によって、CO2を単に減らすだけの時代から、資源として活用する時代へと、コペルニクス的な転換が世界で生まれようとしています。カーボンニュートラルに向けた気候変動対策として、バイオ技術は大きな柱の一つとなると考えております。(出所:首相官邸公式ページ

 バイオ技術は、気候変動対策ばかりでなく、医薬品への応用にも期待され、難病対策に新しい道を切り拓くといわれます。現実、新型コロナのメッセンジャーRMAワクチンは、最先端のバイオ技術によって、これまで10年近くかかっていた開発が、わずか1年足らずで実現してしまいました。

 この他にも、微生物を使ってバイオ技術によるものづくり、素材、食品、繊維、エネルギーなど、あらゆる分野に広がっていくことが予想されています。

 

 

ゲノム編集魚と回転寿司

 ゲノム編集技術もバイオ技術の中の一つにあげられ、ゲノム編集されたマダイとトラフグが先頃話題になりました。この先、世界の人口増加し、100億人に達したときに起きるだろうといわれる「たんぱく質クライシス」への救世主になり得るだろうとも言われます。

 その話題のゲノム編集魚について、日本消費者連盟などが、寿司チェーン及び海鮮居酒屋チェーン計18社にゲノム編集魚の取扱い等についての質問をしたといいます。

【回答】寿司チェーン等へのゲノム編集魚類の使用に関する質問状の回答(2022年1月19日) | 日本消費者連盟 | すこやかないのちを未来へ

日本消費者連盟によれば、9社から回答があり、その内、すしざんまい、魚民、平禄寿司の3社は「使用しない」と明確に回答し。また、回転寿しトリトンも「現時点で使用する予定はないが、方針は決めていない」と回答したそうです。

にぎりの徳兵衛、はま寿司、さくら水産かっぱ寿司からは、「回答しない」という回答がありました。期限までに回答のなかった企業に対しては、電話で改めて回答をお願いしましたが、くら寿司、すし銚子丸、魚べい、がってん寿司磯丸水産、庄や、丼丸、笹互からは何の回答もありませんでした。(出所:日本消費者連盟

 

 

 従来の品種改良は数十年かけ、優れた形の魚を掛け合わせていたが、ゲノム編集を使えば狙ったDNAにはさみを入れて切るので数年で成果が得られると、ゲノム編集魚を開発した「リージョナルフィッシュ」は説明しているそうだ。こうした魚は遺伝子組み換えと異なり、自然界でも起こり得ることから国への届け出で販売できるといいます。

 ゲノム編集魚が回転寿司に登場することはあるのでしょうか。そのときに、表示があるのか否か気になったりもします。同じ体内に入るものでも、RMAワクチンは許容できても、お魚はまだ抵抗があったりするのでしょうか。

 

「参考文書」

ゲノム編集ふぐ、食卓に 成長1.9倍、試験販売好評―大学発ベンチャー「安全性の理解第一」:時事ドットコム

 

【クリーンエネルギー戦略】日本の弱点は再エネのコスト高、その弱みは是正できるか

 

「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会が首相官邸で開催された。

 毎日新聞によれば、国内原発の新増設や建て替えの明記を見送る方針を固めたそうだ。原発に対する世論を考慮、「原発維持」の方向性を打ち出した場合、夏の参院選に影響しかねないと判断したという。

「クリーンエネ戦略」に原発新増設盛り込まず 政府、参院選影響懸念 | 毎日新聞

首相は「道のりはチャレンジングだ。事故による原発不信が残り、再生可能エネルギーも島国ではコスト高にならざるを得ない」と指摘。同戦略では再生エネ投資の加速などの道筋を描きたいとの考えを強調した。(出所::毎日新聞

 

 

再エネがコスト高、首相が指摘した日本の弱点

 会議の冒頭、首相は「資本主義の負の側面が凝縮したのが気候変動問題」と指摘、「新しい資本主義の実現によって克服すべき最大の課題だ」と述べた。

 また、「再生可能エネルギーもコスト高にならざるを得ず、これが、日本経済の弱みになっている」と述べ、「この弱点を、何としても克服していかなければならない」という。

 その上で、「送配電インフラ、蓄電池、再エネ始め水素・アンモニアなど非炭素電源、安定、低廉かつクリーンなエネルギー供給の在り方」、「需要側の産業構造転換や労働力の円滑な移動」、「地域における脱炭素化」、「ライフスタイルの転換」、「資金調達の在り方」、「カーボンプライシング」など、多くの論点に方向性を見出すよう、経産相環境相に指示を出す。

 東京電力をいわば国有化した国が、東電の経営再建を優先させるため、現有設備を温存したいのではないかと邪推していた。火力延命のためのアンモニア原子力温存のための小型原子炉ではないのかと想像した。そして、そのしわ寄せが再エネ価格だったのではなかろうか。

 目的はどうあれ、原発に対する新方針はひとまず前進とみていいのだろうか。また、「安定、低廉かつクリーンなエネルギー供給のあり方」は、再エネの拡大につながり、その価格の低減となり、再エネ賦課金の是正にもなっていくのだろうか。

 

 

競争が始まる洋上風力発電

 石油大手で風力発電のエキスパートであるノルウェーのエクイノールが、原発4基分の出力に相当する400万キロワットの洋上風力発電所を、北海道に早ければ30年代に建設することを目指しているという。

洋上風力「浮体式」、海外勢と争奪戦 安定供給に課題も: 日本経済新聞

 洋上風力を建設するには政府が実施する公募で事業者として選ばれる必要があり、実際にエクイノールの発電所が計画通りに稼働するかは未知数という。

同社は主に性能などの基本仕様を手掛け、日本企業に製造を委託国内の造船会社との協業を狙う。これを北海道の4海域に浮かべ、それぞれ100万キロワット程度の発電所として稼働させる計画だ。(出所:日本経済新聞

 「国内では長期的な導入目標や、機体開発の条件整備がされていないため将来が見通せないとの見方もある」という。

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 日本経済新聞によれば、船のように海に浮かべる浮体式では、造船会社がドックを使って建設するのが一般的で、「造船会社は船を作る片手間に浮体を製造するのが現状だ」という。導入目標を明確にし、造船会社が増産できる体制を整備しなければ、着床式のように海外勢の後じんを拝する事態にもなりかねないという。

 欧州勢などが他国の造船所を軸に供給網をつくるようになれば、日本の浮体式風力の優位が揺らぐと指摘する。

 国の指針が明確にならなければ、何も動くことができないということに弱さがあるのではなかろうか。それともこれまで国にはしごを外され続け不信があるのだろうか。いずれにせよ、こうしたことを一刻も早く是正していくことも求められているのだろう。

「クリーンエネルギー戦略」具体的な検討はこれからなのだろうが、どういう道筋が示されることになるのだろうか。

 

「参考文書」

令和4年1月18日 「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会 | 令和4年 | 総理の一日 | ニュース | 首相官邸ホームページ