Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【ラニーニャが発生】異常気象、脱炭素、電力不足に揺れる中国は対岸の火事ではないのかも

 

 中国は、気候変動と脱炭素の最前線なのだろうか。その矛盾とでもいえそうな事態が発生しているようだ。

 大規模な電力不足が起き、その影響が各所に広がっている。一部地域の住宅地では停電が起き、製造業には電力供給制限を実施、工場の操業停止も相次いだ。

 原因には様々な背景がある。二酸化炭素の排出量削減のため環境規制が強化されていたところに、石炭価格が高騰し、電力会社が発電所稼働率を落としていたそうだ。

 それに加え、今度は異常気象が中国北部を襲い、各地で洪水が発生、主要な石炭生産拠点に被害を及ぼし、石炭価格がさらに急騰、電力不足解消を急ぎたい当局の足枷になっているもようだ。CNNによれば、山西省の他にも、隣接する陝西省でも豪雨と土砂崩れのため炭鉱が操業を停止したという。

 

 

CNN.co.jp : 中国、石炭が史上最高値を記録 電力不足続く

今年7月は例年を上回る高温に見舞われ、国内の電力使用量は記録的水準に達したという。

また1~8月の全体のエネルギー消費は前年同期比で14%増加したが、水力発電などの再生可能エネルギーはここ数カ月の干ばつで十分な供給を行えていないとしている。 (出所:CNN)

 気候変動の影響でより電力が必要になるが、その気候変動が影響して充分に発電できない、もう滑稽というしかないのかもしれない。

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 そればかりでない。中国の秋の長期休暇国慶節では、「渋滞したのは高速道路でなく、充電ステーションだった」とAFPが伝える。

中国の高速道路で電気自動車が「エラい目」に ユーザー急増で「充電の渋滞」が発生 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 AFPによると、今月1日の高速道路での充電設備の充電量は、電力不足にあるにもかかわらず、通常の4倍にあたる142万9200キロワット時となり、過去最高を記録したそうだ。電気自動車がそれだけ殺到したため、各地で「充電渋滞」が発生したという。

「運転中に電池が切れそうになったため、車内温度が一時は40度近くになったがエアコンをつけるのを我慢した」という過酷な体験を披露。別のユーザーは「ガソリン車の友人とドライブしたが、目的地に着いた時間は大幅に違った。私の電気自動車は途中で2回充電し、1回の充電時間は30分以上。友人は給油が1回だけで時間も数分で済んだ」と報告した。 (出所:AFP BB NEWS)

 電気自動車は日常生活の「普段使い」では大きな力を発揮するという。街中を走るだけなら中国では1か月100元(約1740円)ぐらいで済むそうだ。ところがガソリン車だったら数百元から1000元(約1万740円)になるになるそうだ。

 中国政府は、電気自動車を経済成長の柱の一つとしており、二酸化炭素(CO2)排出削減の切り札にも位置付けるが、多すぎるEV電気自動車はより多くの電力を必要とし、電力不足に拍車をかけるのではないだろうか。

 

 

 太平洋赤道域の中部から南米ペルー沖にかけて海面水温が基準値より低くなるラニーニャ現象が発生したという。

 CNNによれば、NOAA米海洋大気局が、ラニーニャは90%近い確率で、2021~22年の冬を通して続くと予想しているそうだ。

 昨冬もラニーニャ現象が発生した。ただ、その影響は穏やかだったという。今回も同様に穏やかで済む確率は57%という。

ラニーニャ現象が発生、エネルギーや食料供給は一層ひっ迫へ - Bloomberg

カリフォルニア州や南米で干ばつが悪化し、米国と日本の一部では厳冬になる恐れがあり、エネルギーや食料の供給がすでにひっ迫している世界にとってリスクが増しそうだ。(出所:ブルームバーグ

今後の日本の長期予報に影響したりするのだろうか。

 昨冬、年末寒波で電力需給が逼迫、節電が呼び掛けられた。また、同じ事態にならないかと心配する。ただでさえ、足下、エネルギー需給が逼迫していると言われているのだから。

液化天然ガスの価格高騰 冬場 電気料金値上がりのおそれも | NHKニュース

 隣国中国で起きていることは対岸の火事ではないのかもしれない。いつ飛び火してくるかわからない。平時でも、節電を心がけ、エネルギーの節約をすべきなのだろう。

 

進む脱プラ、減らない世界のプラ廃棄物、海洋でごみ収集する人々

 

 昨年のレジ袋の有料化以来、企業においても「脱プラ」の動きがさかんになってきているのだろうか。

宿の歯ブラシに「脱プラ」の波 コスト増で有料化?: 日本経済新聞

 来年2022年4月に「プラスチック資源循環促進法」が施行されれば、さらに脱プラの動きが加速するのかもしれない。

 ただ世界に目を転じれば、まだまだ「脱プラ」とは程遠い世界がありそうだ。アフリカもその例外ではない。

Pan-African research networks are needed to manage continent's plastic pollution threat

 エジプト、ナイジェリア、南アフリカアルジェリア、モロッコなどのアフリカの5か国が2015年、プラスチックス廃棄物の多い上位20か国にランクインし、この先、2060年までには、上位10か国に8つのアフリカ諸国が入ることが示唆されているという。

 脱プラが推進されず、その処分が適切でなければ、その地域ではさらにプラスチックスがあふれ、その一部が河川に入り込み、水源を汚すばかりでなく、それらはやがて海にたどり着き、海洋汚染の源になっていく。

 

 

 海洋ごみの清掃活動を続ける「The Ocean Cleanup (ザ・オーシャン・クリーンアップ)」のsystem 002(ニックネームjenny)が、太平洋ゴミベルトに配備され、海洋ごみ回収のテストを行っていたという。

 9月22日に実施したテストでは、これまでで最大の3.8トンの海洋ごみを収集したそうだ。

 
 
 
 
 
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 脱プラが進み、環境への漏洩がなくなれば、海洋ごみの問題はいずれ解決されるのかもしれない。それまでは、誰かがそれを回収し、適切に処理し続けなければならない。

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(写真:The Ocean Cleanup)

 米国では、石油メジャーのエクソンモービルが、テキサス州ベイタウンに大規模なプラスチックス廃棄物のケミカルリサイクルの施設を建設するという。

 2022年末までに操業開始予定で、今後5年間で世界全体で約50万トンのリサイクル能力を構築する計画という。

ExxonMobil to Build Its First Large-Scale Plastic Waste Advanced Recycling Facility | Business Wire

 リサイクルの是非の議論があるかもしれないが、今あるプラスチックスを回収し、リサイクルされれば、自然環境に漏洩するプラスチックスは減少するのかもしれない。

 空論にすることなく、現実の問題としての解決を求めれば、リサイクルを推進させ、それと並行して脱プラも進めることが求められるのだろう。

 

 

 米国の国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の科学者たちは、PET廃棄物の新たな処分方法を開発したという。化学と生物学を組み合わせることで、PETをナイロン材料に変えることができるという。

Researchers engineer microorganisms to tackle PET plastic pollution

 研究チームは、化学触媒プロセスを使用してPETを分解する、細菌「Pseudomonas putida KT2440」を設計、これを用いてPETをナイロンの構成要素である「β-ケトアジピン酸(βKA)」に変換したという。

 今後は、経済的な分析とライフサイクルアセスメントを実行、また、その製造工程で必要となるエネルギー量や温室効果ガス排出量について検討していくことを計画しているそうだ。

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(写真:The Ocean Cleanup)

 こうしたプラスチックスをごみにしない研究が進み、不要となったプラを有用な資源に変えることが実用化されれば、サーキュラーエコノミーが定着していくのだろう。

 それまでは、プラスチックスの絶対量を減らす、脱プラ活動はかかすことができない。そして、可能であれば、プラ汚染の激しい地域にもその活動を展開させる必要もあるのだろう。

 

米石油メジャーも遂にカーボンニュートラルへ、ウォッシュ選別し始める欧州のESG投資

 

 米国石油大手のシェブロンが重い腰をあげたようだ。ようやく2050年までのカーボンニュートラルに言及したようだ。やはり政策が変わったことの影響が大きいのだろうか。

米石油大手シェブロン、2050年ネットゼロ目標を採択(米国) | ビジネス短信 - ジェトロ

 JETROによれば、シェブロンは、スコープ1とスコープ2に該当するGHG温室効果ガスの排出量について、2050年でのネットゼロ目標を採択したという。スコープ3については2028年目標を新たに設定したそうだ。

 世界5大石油メジャーの中で、米国のエクソンモービルシェブロンが、2050年ネットゼロ目標をこれまでコミットせずにいたが、シェブロンのこの宣言により、エクソンモービルのみがカーボンニュートラル未宣言となったそうだ。

 米国のESGに関わる取り組みは先駆的な取組もあるものの全体的に見れば、欧州に比してまだまだ遅延しているということなのだろうか。

 

 

 欧州では3月、EUが、ESGの観点から金融商品の特性を評価、開示することを運用会社に義務付ける「SFDR サステナブルファイナンス開示規則」を導入したという。

「反グリーンウォッシュ」がESGの世界標準に-身構える運用会社 - Bloomberg

 この「反グリーンウォッシュ」規則というべき新たな規則が、推定35兆ドル(約4000兆円)に上る世界のESG市場の標準となりつつあると、ブルームバーグはいう。

欧州の運用会社は既に、あやしげな商品をサステナブルとして売り込むことをやめている。SFDRの下では、これまで多用されていたような誇大広告は許されないからだ。かつては業界の定番だった「ESGインテグレーテッド」などという無意味な表現は消えつつある。 (出所:ブルームバーグ

 あいまいなラベルが取り除かれることで、ESG市場に変化がおき、欧州のファンド業界では2020年末までの2年間に、2兆ドル相当の金融商品からESGのラベルが外されたという。それに伴ってのことか、欧州のESG資産の規模は、米国を下回るようになったという。欧州のこの動きが、米国を始め世界に伝播することはあるのだろうか。

 こうした動きによって、「ウォッシュ」が排除されるのはよいこともしれないが、本質的には、ESGがより重視され、企業の活動がそれに従っていくことなのだろう。

 一方、IMF 国際通貨基金は、カーボンプライシングを普及させていくことが、気候変動抑制には有効と提案(カーボンプライシング普及のための提案)する。こうした公的な規制がないと、企業活動を効果的に気候変動対策に貢献させることはできないのだろうか。

 

 

 COP26が間近に迫ってきた。IMFの提案もCOP26を意識してのことだろうか。

 今回のCOP26は注目度が高いそうだ。その現れなのだろうか、米バイデン大統領が参加を表明しているという。ただ、中国の習主席は出席を見送るそうだ。

COP26の隠れた論点 | 日経ESG

多くの議題や課題のうち、特に注目されるものが3つある。

(1)パリ協定6条の「市場メカニズム」と(2)同13条「透明性の枠組み」のルール策定、(3)先進国などから途上国に提供する「資金動員の目標」――である。 (出所:日経ESG)

 気候変動対策には、政治的な規制が求められるのかもしれないが、あまりにも政治色が強くなり過ぎることはどうなのだろうか。

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ベンチャー企業がやるだけではダメで、社会全体で新たなチャレンジを受け止めていくことがサステナビリティSDGsを実現していく中で大切なことだということを皆さんにもっと知っていただきたいと思います」と、ユーグレナ社の出雲社長がBusiness Insiderのインタビューで話す。

(バイオジェット燃料の)商業化は当然視野に入っていますし、どういうステップで進めていけばよいのか、考えを尽くしています。ここは乞うご期待で。

もう少しお時間をいただきますが、2025年には「こういうことだったんだ」と分かっていただけるようにしたいと思います。それがベンチャー、スタートアップの使命ですから。(出所:Business Insider

 政治に頼ることも必要なこともあるかもしれないが、やはり企業が主体的に強い意志をもって気候変動対策を進めるべきなのだろう。

 

間近に迫るCOP26、慌ただしい企業などの動き、セブン&アイ、ANA他

 

 2021年11月に開催されるCOP26 国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が10月末、イギリス グラスゴーで開催されるのを前にして、企業などが様々なGHG温室効果ガス排出削減への取り組みに関連する内容を発表しているようだ。

世界の金融機関220社、COP26を前にグローバル企業1600社に1.5度目標の設定を求める | サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan

 セブン&アイ ホールディングスは、役員に支払う株式報酬を二酸化炭素の削減目標の達成度合いで変動する方式を採用したという。

 日本経済新聞によれば、役員報酬の2割を占める株式報酬と連動させ、経営幹部の環境意識を高めるそうだ。2022年2月期に支払われる分から適用し、中長期的な脱炭素目標の達成につなげるという。

 

 

 ANAは、バイオ燃料など「SAF(Sustainable Aviation Fuel)」持続可能な航空燃料等を活用した新たなプログラム「SAF Flight Initiative: For the Next Generation」を立ち上げ、お客様のCO2削減に貢献していくという。

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(画像:ANA

 また、このプログラムは、産業横断的にSAFの生産と活用拡大に取り組んでいくことも目的としているそうだ。

 この新しいプログラムでは、従業員の出張等でANAの航空機を利用する企業向けの「コーポレートプログラム」と、物流・貨物事業者向けの「カーゴプログラム」の2つが用意されている。それぞれ、温室効果ガス排出量の算定・報告の国際基準であるGHGプロトコルのスコープ3に対応し、第三者機関の認証を受けたCO2削減証書を発行するという。

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(資料:ANA

「SAF Flight Initiative」プログラムを立ち上げ、持続可能な航空燃料等でお客様の航空輸送に係るCO2削減に貢献します|プレスリリース|ANAグループ企業情報

 この新プログラムの第一弾として、日本通運近鉄エクスプレス、郵船ロジスティクスとともにSAFを使用した貨物便を9月29日に共同で実施したそうだ。

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(写真:ANA

 また、ANAは、JAL日本航空と共同で8日、航空業界の二酸化炭素排出を2050年までに実質ゼロにする目標の達成に向けたリポートを発表した。

ANAとJAL、2050カーボンニュートラルに向けたSAF(持続可能な航空燃料)に関する共同レポートを策定|プレスリリース|JAL企業サイト

 レポートは、現在の世界のSAF生産量は需要の0.03%未満に留まり、量産と普及が急務と指摘、2050年の環境目標を実現させるには、航空輸送に関わる産業が横断的に協力してSAFの技術開発、生産および利用を加速させ、2030年には最低でも使用燃料の10%をSAFへ移行するマイルストーンが必要という。成長が見込まれるアジア圏のSAF市場は2050年には約22兆円におよぶ巨大な市場になるという。

 

 

電力や水素で動く航空機の研究も進んでいるが、共同リポートはより多くのエネルギーを消費する中大型機については「引き続き液体燃料が必要になる」と指摘。今後、航空需要の増加が見込まれることも踏まえると、日本で50年に「実質ゼロ」を実現するには最大2300万キロリットルのSAFが必要だと試算した。これはコロナ禍前の19年に消費した化石燃料の2倍程度に当たる。 (出所:JIJI.COM

「SAF」は、バイオマスなど、収集・生産から燃焼までのライフサイクルでCO2排出量を従来の燃料より約80%削減することができるそうだ。

 それに加え、空港等で給油する際、既存のインフラをそのまま活用できる点においても評価できると、レポートは指摘し、2050年に航空輸送によるCO2排出実質ゼロを実現するうえで不可欠な代替燃料という。

 ミドリムシユーグレナ社を始め、「SAF」の量産プラントが今後稼働となり、コスト低減も見込まれる。まずは、航空業界が先例となって、カーボンニュートラルへの道筋が明確になれば、いいのかもしれない。

 IEA 国際エネルギー機関がCOP26を前にして、温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにするには、これまで各国が打ち出した気候変動対策では不十分だとする報告書を発表したという。NHKによれば、IEAのビロル事務局長は報告書で「クリーンエネルギーへの移行を加速させることで得られる社会的、経済的利益は大きく、何もしなければ代償は計り知れない」として、各国に対策の加速を促しているそうだ。

 

拡大が求められる再エネ、ソーラーフロンティアが太陽電池生産から撤退、このままでいいのだろうか

 

  出光興産と100%子会社のソーラーフロンティアが、事業構造改革について発表、これに合わせ、宮崎県の国富工場でのCIS薄膜太陽電池の生産を2022年6月末を目途に終了することも発表した。

ソーラーフロンティア株式会社の事業構造改革について | 太陽光発電ならソーラーフロンティア

 それによれば、ソーラーフロンティアは汎用型CIS薄膜太陽電池の自社生産体制から結晶シリコン系太陽電池OEM調達へと移行するという。

 この先、エネルギーミックスが再生可能エネルギー中心に移行していくなかで、必要となる事業領域も増え、その優先順位に変化が起きているということなのだろう。やむなしの判断なのだろうか。

 

 

 ソーラーフロンティアは次世代型システムインテグレーターに転換、国富事業所は、その中核的拠点として、重要な役割を果たしていくという。

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(資料:ソーラーフロンティア

 また、CIS薄膜太陽電池の研究開発は出光興産次世代技術研究所に集約し、CISの高付加価値化を目指した次世代太陽電池の研究開発を加速するという。具体的には①CISの「高放射線耐性」という優位性を活かせる宇宙空間用途、②電動自動車や通信用ドローンといった移動体への搭載が期待されるタンデム型太陽電池への活用などとなる。

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 ソーラーフロンティアは、第6次エネルギー基本計画案で太陽光発電が主力電源化していくことを見据え、その課題解決を事業構造改革の柱に据えるという。

◆設置場所の限界

 メガソーラー建設による森林伐採や土砂災害など地域社会の環境や景観への影響が社会問題になり、その適地不足が指摘されている。更なる設置場所の拡大につながる、機器、システム、工法の開発を行っていくという。

発電所の長期安定利用

 ソーラーフロンティアによれば、日本の太陽光発電は500kW以下の小規模な発電所が全容量の4割を占めており、これらの中には適切なメンテナンスが施されずにFIT期間終了後閉鎖される発電所の数は相当数に上ることが懸念されるという。たとえ、FIT期間が終了しても発電所は維持されるべきであるとして、定期的なメンテナンスを実施すれば、一般的な太陽電池パネルの保証期間20年を超えての稼働も可能となるという。そのための発電所評価やリパワリングなどのサービスを提供していくそうだ。

太陽電池パネルの大量廃棄問題への備え

 太陽電池パネルも寿命を迎えれば産業廃棄物となり2030年代にはパネルの大量廃棄が社会的な問題となることが必至という。

脱炭素推進とセットで考えたい、低環境負荷の太陽光パネルリサイクル技術開発:脱炭素 - MONOist

 このため、低コストで環境負荷の低いマテリアルリサイクル技術を開発、2024年度には太陽電池パネルリサイクルの事業を開始できうよう進めるという。

 

 

 10年近くまえのこと、同僚の一人がソーラーフロンティアに転職した。この先、再生可能エネルギーが主力電源化していくのだろうと想像し、その選択に注目したものだった。その ソーラーフロンティアが、CIS系太陽電池で20%近い高い変換効率を報告するなど、その技術にも注目したものだ。

 ただ、この10年で事業環境が大きく変わったのかもしれない。

出光、太陽光パネル生産終了 中国勢にシェア奪われ―来年6月:時事ドットコム

「中国勢の規模拡大のスピードに追い付けなかった」と、出光の平野敦彦取締役が述べ、国際競争が激化する中、十分なシェアを獲得できなかったと説明したとJIJI.COMが報じている。

 出光ばかりでなく、他の国内メーカも、ペロブスカイトなど様々な太陽電池の開発を行っている。同じ轍を踏むこと無く、事業継続できる道を模索してもらいたいものだ。再生可能エネルギーは輸入に頼ることなく、地産地消できるエネルギーなのだから。

 

SDGsが理解しやすいコーヒーの現状、それをもっとより良くしていくためには

 

  不思議とコーヒーと縁がある。シンガポールに駐在していたとき、オフィス近くのコーヒーショップのバリスタたちとの会話が楽しくて、毎日通うになった。そのときはまだコーヒーの味がとか、うんちくにはまだ縁遠かった。帰任して、その習慣がやめられず、スタバに通うようになった。バリスタたちとの会話も楽しく、コーヒーのうんちくを聞かされ、興味をもつようになった。

 よく通ったスタバのバリスタは、エチオピアのコーヒーが好きだったといっていた。酸味とフルーティな味わいが好きという。その味わいは、アフリカ系の豆の特徴がよく出ているのかもしれない。

 

 

 そのエチオピアでは近年、農地の開拓等による森林の減少が著しく、かつて国土の約35パーセントをしめた森林が、わずか11.2パーセントにまで減少し、危機的状況にあるという。残された森林はオロミア州に集中し、特にベレテ・ゲラ地域には、15万ヘクタールという広大な森林があるそうだ。そして、そこは貴重な野生動植物の宝庫であり、またアラビカコーヒーの原産地ともいわれているという。

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 その森林生態系保全のため、JICAが03年に「ベレテ・ゲラ・フォレスト森林保全プロジェクト」を立ち上げ、現地支援を行っている。その活動に、コーヒーメーカーのUCCが2011年から参加、現地で技術指導にあたっているという。

エチオピア | 生産国と共に | UCCのサステナビリティ | コーヒーはUCC上島珈琲

 森林の中に自生するコーヒーの価値を引き出し、高付加価値製品として認知度を上げるため、品質改善から取り組み、現在は、生産管理方法や物流体制のレベルアップに力をいれているそうだ。

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 このプロジェクトにより、住民たちは森林を伐採せずに生計を立てることができるようになり、結果として森林生態系保護につながる様々な成果を上げているという。

 そして、そのコーヒー豆は日本に輸入され、東海道新幹線のワゴン販売コーヒーにも採用されたそうだ。このベレテ・ゲラ産コーヒーは、UCC上島珈琲の「Café no Bar(カフェノバール)」など購入することができるという。

 

 

森林広げてコーヒー生産量も増やすUCCのサステナビリティ活動 品質コンテストなどを通じて各生産国と協働 次世代教育でも脚光(食品新聞) - Yahoo!ニュース

 コーヒーにまつわるちょっと素敵な話だなと思いつつも、まだまだ慈善活動的な色合いが濃いのかもしれない。

 食品新聞によれば、UCCは、中学生・高校生・大学生を対象としたオンラインセミナーで、コーヒーから気候変動をはじめとするSDGsの課題を考えてもらう機会にしてもらっているという。

 その一方で、エチオピアの住民たちが、そのコーヒーの販売によって自立的に収入が得られ、またその地域での森林管理が継続されていくためには、もっと協力して参加する住民を増やしていく努力も必要なのではなかろうか。

 フェアトレードに取り組み、それをスケールさせたスタバのようなビジネスが正しいことではないのかもしれないが、自然を保護し、関係するすべての人々に幸福を届けるためには、相反するようだが、それを大きくしていくことも求められているのだろう。

 

それは正しいのか、動き始めるファッション業界、目指すべきはサーキュラーエコノミーなのか

 

 SDGsにESG投資、それに加え、脱炭素にデジタル化、それらが組み合わさり、産業構造を変化させようとする。そうして、変革が求められるが、その実、何をやっていいかわからない。そんな状態が続けば、それは焦りにつながる。そんなケースが増えているのだろうか。

待ち受ける変革、募る焦燥感:日経ビジネス電子版

 野心を抱いて会社に入社していれば、違うのかもしれないが、改革、変革と言われてもピンとこない。入社したての自分もそうだった。ただ「改善」や「効率化」のことを知ったからは、やることが尽きないほどに様々な問題が発見できるようになった。

 現状を知り、あれもこれもとその対象が広がっていく。問題が特定できれば、それは解決に向かっていく。その問題が解決され、その効果で、どんなことが起きるのかを知れば、それが楽しみになって、さらに効率化が進んだりする。

 改革にしろ、変革にしろ、現状を正しく理解すること抜きに始まらない。

 

 

兵庫県多可町は、先染め織物「播州織」の産地だという。その地で、縫製加工卸売会社を営む「ソーイング竹内」でのリサイクル活動を産経新聞が紹介する。

端切れに無限の可能性 兵庫・縫製加工会社 焼却量減 機械部品に変身(1/2ページ) - 産経ニュース

 その会社では従来、端切れなどを産業廃棄物としてコストをかけて処分していたという。その後、その廃棄量の削減を目指すようになり、新技術を導入、さらに、リサイクル材料として活用するようになったという。

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「改善」の基本はムダ、ロスの削減にある。いわゆる効率化である。

 裁断の際に端切れが出るから産廃になり、コストが発生する。ムダである。それなら端切れが出ないようにする、または最小化する。そして、やむなく発生するムダを資源に変え、コストを益に変えていく、「改善」作業の醍醐味であり、成功の始まりなのかもしれない。

 端切れが出ることを常識したら、改善は生まれない。改善の起点は常識を疑うこと、現状の否定から始まるといわれる。

 

 

ファッション業界自体も、変革の波に晒されている。

「大量に作り、販売し、廃棄するビジネスモデルは評価されないだけでなく、すでに成り立たなくなってきた。ムダの塊だからだ」と、繊研新聞は指摘し、「理想の一つは、必要な物を必要な分だけ作り、使い古したら再生し活用するサーキュラーエコノミー(循環型経済)の枠組み」だという。

【記者の目】繊維業界全体で循環型経済実現 個別企業の取り組みだけでは限界 消費者から共感されるビジネスへ | 繊研新聞

回収した洋服を繊維原料に再生しようとしても、ファッション製品には様々な素材やパーツなどが使われ、一律にリサイクル処理できない。

分別などが必要で手間もコストもかかる

そのためユニフォームなどでは回収、再生の道筋が付けやすいが、一般的な衣料では難しいのが実情だ。 (出所:繊研新聞

 ムダに気づき、それを問題とすることができれば、改善、効率化は進むものだ。「なぜ」「なぜ」「なぜ」と5回繰り返せば、問題の本質、真因に到達することができるといわれる。それがわかれば、その反対が対策であって、改善である。類似例を模すのもいいのかもしれない

服の作り方も変える必要がある

長く使えるよう耐久性に優れた商品を作ること、回収、再生することを前提に、ポリエステル原料のみを使って作り、そこから回収、再生のサーキュラーエコノミーを実現していく方法もある。(出所:繊研新聞

「複合素材が増え、海外生地を使ったアパレル製品が多いため簡単ではない」と、繊研新聞が問題指摘する。その一方で、「使う原材料のトレーサビリティー(履歴管理)の確保が不可欠になっていることから、商社などが回収、リサイクルを念頭に、商品調達、生産を行うことで実現できる部分も増えるはずだ」という。 

 何かを改善しようとすれば、それが連鎖して次々と問題が解決されいくことが多々あるものだ。

 

 

「できないと思った瞬間に、改善は終わってしまう」。

できると思えば、不思議に同じ問題を抱える人たちとの協力に出会えるかしれない。それがきっかけで、うまく回りはじめると、正転するものだ。

 それでうまくいったなら、デジタルによる効率化を検討してみる。それが始まりでデジタルトランスフォーメーションが起きるのかもしれない。

 これまでに多くの企業をみて回ってきたが、大体どの企業も問題は把握しているものだ。たとえば「廃棄費用の削減が課題なんだ」、そんな声をよく聞いた。

 サーキュラーエコノミーばかりでなく、リユースの活用があってもいいのかもしれない。