Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【利己主義者たちの協力か】旅行が再開するまでになった欧米のコロナ渦

 

 CDC米疾病対策センターが、新型コロナの関する指針を改定し、ワクチン接種が完了すれば、屋外および屋内の大半の場所で、マスクの着用は不要と定めたという。

 ホワイトハウスでは、サキ報道官が記者会見に、マスクなしで登場したそうだ。共同通信によれば、「国民にワクチンの恩恵を理解してもらうことに注力したい」と述べたという。

 

 

 欧州では、ロックダウン都市封鎖を緩和する動きが広がり、ドイツではワクチンを接種すれば夜間でも外出できるようになり、観光立国のイタリアは外国人観光客の受け入れを始めるという。5月後半からはさらに制限を緩和し、欧州域内の旅行客を受け入れ、具体的な開始時期には言及しなかったが、日本についても、ワクチンの接種証明があれば隔離期間なしで入国できるようになるという。

 日本経済新聞によれば、各国の制限緩和の背景には、感染が下火になってきたことがあるという。EUの3月末の1日当たり感染者数(7日移動平均)は16万人を超えていたが、足元では10万人を切り、ワクチンを少なくとも1回以上受けた人の割合がドイツで30%、EU全体で26%まで増え、収束への期待も高まりつつあるそうだ。

www.nikkei.com

 一方で、こうした措置は疲弊した経済を支え、市民の不満をそらす狙いからと言われ、感染再拡大の危うさも残るという。欧州での国民世論はどのようなものだったのだろうか。

 

 

 ロイターによれば、米国の小売業リーダーズ協会は、CDCが発表したマスク着用の緩和指針が州や地方政府の命令と一致せず、曖昧さが残ると指摘しているという。

 スーパーマーケットチェーンのクローガーは、現時点でマスク着用を引き続き義務付けると表明し、ディスカウント店のターゲットはCDCの指針を精査する間、全店舗でマスク着用やソーシャルディスタンスなどの安全策を引き続き講じるという。

 当局であるCDCの指針を精査してまで慎重に行動しようとするこうした米企業は、顧客第一、公益重視との姿勢を貫いているのだろうか。

jp.reuters.com

 こうした欧米の動向を見れば、コロナ渦から脱出できると知り得て安心はできるが、国内では足元、感染が拡大する。欧米との差はワクチン接種だけなのだろうか。

 欧米はそれだけで3月末からの減少傾向を維持できたといことなのだろうか? 

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 人には元来他者を助けたいとの心理があるという。利他的な行動もそうした表れなのかもしれない。欧米にみられるコロナ渦脱出の成功事例は、利他的行動の結果なのだろうか。

 

 

利他主義者は素早く協力し、利己主義者は時間をかけて協力する」という論文を玉川大学脳科学研究所の山岸俊男特別研究員らが2017年に発表した。それによると、

 社会的価値志向性尺度で一貫して利他主義者と分類された人は、素早く意思決定を行うときには協力的に振る舞い、意思決定に時間をかけると非協力的に振る舞うことが明らかになった。

一方、社会的価値志向性尺度で一貫して利己主義者と分類された人は素早く意思決定を行うときには非協力的に振る舞い、意思決定に時間をかけると協力的に振る舞うことが明らかになった。

また利他主義者の意思決定の時間は社会的リスク回避傾向が高まるほど長くなっていた。この結果は、早い意思決定では協力する人々も、他者から搾取される恐れついて考えることに時間を費やすと協力的に振る舞うのをためらうようになることを示唆している。

また時間をかけて協力する利己主義者は、短期的な利益ではなく、自身の評判などを含めた長期的な利益を考慮して協力することが示唆された。

(引用:【脳科学研究所】利他主義者は素早く協力し、利己主義者は時間をかけて協力する-米国の科学雑誌"米国科学アカデミー紀要(オンライン版)に論文を発表-)

www.tamagawa.jp

 この学説に従えば、協調性があるといわれる日本人も、社会的リスク回避傾向が高まるほど非協力的になるということなのだろうか。一方、自身の評判などを気にかける利己主義者は、長期的には協力者になるという。これはもしかしたら、コロナ禍における欧米人の行動を表していたりするのだろうか。

 そうは単純ではないかもしれないが、感染が収まらない日本と減少傾向にある欧米とくくると、こうした仮説が成り立ちそうな気もする。

 

  

 こうした知見にふれると、今ある「政治不信」も理解できるような気がする。

 利他的行動とは、「時間、労力、お金など自分に何らかのコストを負いながら他者に利益を与える行動」のこと。こうした心理があるからこそ、協調性が生まれるのだろう。協調性が回復できれば、禍からの出口も見えるのかもしれない。

 

dsupplying.hatenablog.com

 

【増すばかりのリスク】厳しい電力需給に、アマゾンのデータセンター再エネ化は朗報か

 

 例年より早く沖縄が梅雨入りしたかと思えば、それに続くように九州南部も5月11日、平年より19日も早くに梅雨入りした。雨の季節の到来、今年の入梅は早くなるのだろうか。

これからの季節、 必ずと言っていいほどに大雨の被害が発生する。今までに経験したことのないような被害状況を目の当たりにして、気候変動の影響ということがようやく認知されるようになった。気候変動の緩和策「脱炭素」などに目が向くようになったが、その適応も同様に考えなければならない。仮に、脱炭素化が進んだとしても、今すぐに効果が現れることはないのだから。

 

 

 IPCC(気候変動による政府間パネル)による温暖化の影響を示すRCP2.6というシナリオでは、二酸化炭素排出量が2020年度以降減少に向かうのであれば、平均気温上昇は+1.6℃程度に抑えられ、平均海面上昇幅は43cm程度までに抑えられると予測する。

 早期の気候変動対応により、将来に与える負の影響を大幅に緩和できるという。脱炭素の議論は、将来に向けたものであって、今すぐ効果を期待してはいけないのだろう。

 この季節を迎えると、改めて足元のリスクのことを考えてしまう。昨年の猛暑や熊本県球磨川でおきた災害、一昨年の台風被害。

 そうした災害に向け国土強靭化も必要であろうが、それにも時間がかかる。結局、今年の夏も身の安全は、コロナ同様、自衛に頼らざるを得ないということになるのだろう。

 生活環境の悪化に行き場のない怒りが沸き上がりそうだが、誰かを責めたところであまり意味がない。気候変動もコロナも誰かに責任を転嫁できるようなことではないのだろう。合理的に考えれば、大切にすべきは自分自身ということなのかもしれない。

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 梶山経済産業相が14日の閣議後の記者会見で、「今夏の電力需給が全国的にここ数年で最も厳しくなるとの見通し」を明らかにしたという。

「近年、事業環境の悪化などで火力発電の休廃止が相次いでいる」。

脱炭素の流れなどから電力会社の火力発電所は縮小傾向で、電力の安定供給に支障が出やすい状況となっている。 (出所:日本経済新聞

www.nikkei.com

 日本経済新聞によれば、梶山大臣は対策の検討を指示したという。「電力会社などに供給力の確保を求め、産業界や家庭にも節電を呼びかける」という。

 米国カリフォルニアを熱波が襲い、計画停電が起きたことを思い出す。昨冬、国内ではLNG不足による電力需給が逼迫した。

 脱炭素に向けた将来のエネルギーミックスのあり方も重要であろうが、足元の安定供給も不可避だ。昨夏以上の猛暑がやってきたらと想像すると、心配にもなる。

 

 

 米アマゾンが、日本のデータセンター向けに再生可能エネルギーの調達を目的とした発電所の新設を検討していることが分かったと日本経済新聞が伝える。

 商社や電力会社と協議中で実現すれば、国内初のアマゾン専用の発電所になるそうだ。今後、アマゾンと再エネ事業者は建設運営費の負担を案件ごとに詰めるという。

www.nikkei.com

大型データセンターは1カ所で原子力発電所0.1基分の10万キロワットの電力を消費するとされる。

アマゾンは日本で7カ所にデータセンターを持ち、いくつかの拠点で今回の案件を含めた再生エネルギーを活用するもようだ。太陽光発電所の建設も大手を含めた電力会社などに持ちかけている。 (出所:日本経済新聞

 ようやくアマゾン動くということだろうか。埒が明かない日本国内に新風を吹かせて欲しいものだ。ただ、それでも整備には時間がかかるのだろう。

 しばらくリスクと隣り合わせの状態が続きそうだ。

 

 

【深刻化する禍】損してまで他人の足を引っ張る性格がその理由なのか

 

 英国では、新型コロナの政府対応の調査を来年実施するという。ロイターによれば、欧州で最多の死者を出し、経済が深刻な打撃を受けるに至った経緯などが調査の焦点になるそうだ。ジョンソン英首相が「このような悲劇の中、国として可能な限り綿密かつ率直に自らの行動を検証し、今後のためにあらゆる教訓を得る義務がある」と議会で述べたという。

jp.reuters.com

 英国の感染者数は444万人、死者は12万人を超える。調査では、世界で5番目に多いといわれる死者数に至った経緯が問題視されるのだろうか。それとも世界の中で早い時期に感染収束に導いた功績が強調されるのだろうか。調査報告書はジョンソン氏の政治的遺産を明確にし、24年までに予定される国政選挙に影響を与える可能性があるとロイターは指摘する。

 国内では70万人に迫る勢いで感染者が増加し、死者数も1万人を超えるが、まだ増加の一途。感染爆発とは縁遠いかと思っていたが、数字を比較すれば、感染の勢いが減じた国の数字に近づいていく。少しばかり恐怖も感じる。

 GW期間中、思惑通り人流が減らなかったということなのだろうか。それにしても、大きな波になった3波から、それほど間を空けずにまた大きな波がやって来ることが不可解でならない。何故なのだろうか。

 

 

 期待先行で上昇していた株価が一時の勢いを無くして、昨日までの3日間で2000円以上下落したという。米国のインフレ懸念が背景にあったようだが、国内では感染が拡大、ワクチン接種が進まず、景気の先行きへの警戒感が強まっているといの見方もあるという。

 米国ではコロナ渦からの出口が現実的なものとなり、失業保険申請件数が予想以上に減少し、示される様々な経済指標から、インフレ懸念の見方もより現実的な見解が示される。

www.bloomberg.co.jp

 今朝、国内株も反発したようだが、米国での値動きに反応してのことだろう。国内の先行き懸念はまだ残したままなのだろうか。足元は、とても楽観視できる状況ではないように見える。今後の動向が気になる。

 

 

「日本経済、低迷の元凶は日本人の意地悪さか 大阪大学などの研究で判明」とのNewsweekの記事が気になる。

「日本は他の先進諸国と同様に、十分な内需が存在しているはずだが、どういうわけか日本の国内消費は低迷が続いており、これが低成長の元凶となっている」とNewsweekは指摘し、その解を大阪大学社会経済研究所が公表した研究結果に頼る。

 それによると、被験者に集団で公共財を作るゲームをしてもらったところ、日本人はアメリカ人や中国人と比較して他人の足を引っ張る行動が多いという結果が得られたという。

日本人は諸外国と比較して「意地悪」な人が多く、他人の足を引っ張る傾向が強いというものである。 (出所:Newsweek

www.newsweekjapan.jp

 Newsweekの解説に納得できずに、大阪大学の発表を確認してみると、現時点での結果を以下のようにまとめられている。

日本人のほうがアメリカ人よりも根っから「いじわる」な人が多い.

公共財をみんなで作ろうとすると,日本人は「ただ乗り」をめざすものの成功しない

なぜ成功しないのかというと,相手がただ乗りさせてくれないから.つまり,公共財作りに参加した人は,自己が一番得をするようには努力せず、損をしてまで相手の足を引っ張る(出る杭はうたれる?).

 これを経験してしまうと,後で参加せざるをえなくなる(日本の社会ではみんなで仲良く協力してコトにあたっているのではなく,協力しないと後が怖い)

(引用:大阪大学社会経済研究所 第3回行動経済学センターシンポジウム「経済学は実験できるか」西條辰義 大阪大学サステイナビリティサイエンス研究機構

 おもしろい実験結果だが、日本人が古来持ち合わせている性格なのだろうか、それともここ最近になって如実に示される傾向なのだろうか。

 しかし、結果をもとに考えれば、コロナ渦や今ある様々なことが説明できるのかもしれない。真っ当に聞こえそうな意見も危ういものが多いのかもしれない。

 拡大する新型コロナではどうなのだろうか。この学説に従っていないと信じたい。様々な意見に惑わされ、まさか、こんな時に自分の身を犠牲にしてまで、他人の足を引っ張ろうとなんて心のどこかで考えたりはしていないだろう。点検だけはしたほうが良いかもしれない。 

 

出口に近づく国々と置いてけぼりになりそうな国

 

 ジョンソン英首相が10日、イングランドでのロックダウンを17日から、さらに緩和すると発表したという。そのイングランドでは、新型コロナの死者がゼロになったそうだ。スコットランド北アイルランドでも死者数がゼロになり、英国全体の死者数は10日、4人になったという。

www.bbc.com

 BBCによれば、英国では今年1月に新型ウイルス警報が最大のレベル5となり、全国的なロックダウンに入った。また国民保健サービス(NHS)も崩壊の危機にあったという。

 危機的状況から4か月余り、英国のワクチン接種率はおおよそ3割まで進み、それ以外の3分の2も1回目の接種が終わっているという。

 

 

 米国では独立記念日の7月4日までに、国内成人の7割に最低1回の新型コロナウイルスワクチン接種を行い、1億6000万人のワクチン接種完了を目指す。

 ロイターによれば、ワクチンの接種ペース加速に向け、配車サービスのウーバーやリフトと連携し、ワクチン接種に向かう人の乗車料金を支援するとホワイトハウスが発表したという。ウーバーは料金を負担すると明らかにし、リフトは全額ではないものの、片道15ドルを負担するそうだ。

jp.reuters.com

 いち早くワクチン接種を始めたイスラエルでは、接種を終えた人の割合は6割弱。当初ほど接種が進まなくなり、頭打ちになったように見える。

 マーケティングのイノベーター理論では、イノベーションを受け入れない人が16%あまり存在し、懐疑派がおおよそ36%存在するといわれる。それを参考にして考えれば、接種率50%を超えるとその伸びが鈍化して当然なのかもしれない。米国であの手この手、お金を払ってまで、何とか接種率を向上させようと試みるのもわかる気がする。

 

 

 WHO世界保健機関の専門家は、ワクチンによって集団免疫を達成する方法として、60~70%の接種率を挙げているそうだ。

 こうした欧米の状況を知れば知るほど、苛立ちを感じたりしそうだ。

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 共同通信によれば、河野太郎行政改革担当相が昨夜12日夜のテレビ番組で、ワクチンの高齢者接種予約に殺到している事態について、「効率性より住民の平等性を重んじる自治体が多かった。これは完全に僕の失敗だ」と陳謝したという。

this.kiji.is

 一方、全国の自治体の85.6%が7月末までに接種を終える見込みになったと確認できたという。首相の発言が鶴の一声になったのだろうか。尻に火がつけば、否応なしに動かざるを得ない。それで火事場の大力が発揮されるかもしれない。もしかしたら今まではお尻の火に気づいていなかったのかもしれない。政府が掲げた7月末までに65歳以上の高齢者向け接種を終えるという目標も目標なんだからと等閑視していたのだろうか。

 そろそろ産業界も協力できるところでは積極的に協力しなければならないときが来ているのではなかろうか。いつまでも医療従事者や自治体だけに負担を求めるべきではなかろう。

www.businessinsider.jp

 出口に近づいている国々があるようだ。置いてけぼりになってはならないはずだ。

 

「参考文書」

jp.reuters.com

jp.reuters.com

【理不尽な仮想社会】サイバー空間で攻撃する人、される人

 

 メールソフトOutlookで障害が発生し、本文が表示されないという。セールスフォースのシステムを利用した新型コロナワクチン接種予約システムで障害が起こっているという。セールスフォースが復旧作業を続けているという。原因は何であろうか。

 米国では、パイプライン最大手のコロニアル・パイプラインがハッカー集団「ダークサイド」によるサイバー攻撃を受けて操業を停止した。米国内の一部ではガソリン供給が逼迫し、価格高騰への懸念が高まっているという。ノースカロライナ州バージニア州では緊急事態を宣言したそうだ。米エネルギー省が数日中に全面再開するとの見通しを示したという。

jp.reuters.com

 現実の社会で起きる問題なら対処のしようもあろうが、サイバー空間ではいつ何時問題に巻き込まれるかわからない。常に自衛することが求められるが、理不尽さを感じずにはいられない。仮想社会にはモラルや良識がないのだろうか。

 

 

 米軍制服組トップの統合参謀本部議長が示した「中国の台頭や、AI人工知能やロボット工学などの新たな破壊的技術により、世界は不安定な時代に入りつつある」との見方がより現実味を増す。

地政学的変化は、ロボット工学や極超音速兵器、人工知能などの技術革新を伴っていると指摘。「これらの技術は非常に破壊的であり、戦争を行う上でも、決定的なものになる恐れがある」と述べた。 (出所:ロイター) 

jp.reuters.com

 日常生活でも有益な技術のはずが、使い方を間違えれば、生活を脅かすことになる。サイバー空間では政府規制なども何ら意味をなさないかもしれない。

 

 

 JAXA宇宙航空研究開発機構や国内約200の企業や研究機関が狙われたサイバー攻撃される事件があった。中国共産党員の男が書類送検され、「一連の攻撃がTick(ティック)と呼ばれる集団によって実行された」と警視庁は説明した。

サイバー攻撃に関わった国家や組織を突き止め、公表したところで、相手の国は認めない」と日本経済新聞は指摘する。実際、この件で中国は反発した。ただこうした行為が無意味かというとそうではないという。捜査の手の内や証拠を明かすことなく、こちらの防御能力を示し、警告できるという。

「ネーム・アンド・シェイム」(名指しし、恥をかかせる)による抑止効果を期待できる場合もあり、制裁を科す根拠にもなる。 (出所:日本経済新聞

www.nikkei.com

 日本経済新聞によれば、米国ではサイバー空間の捜査で、相手側のパソコンをウイルスに感染させて乗っ取るといった手法も用いるという。だが日本ではこうした行為はできないそうだ。その一方で、サイバー攻撃の脅威は高まるばかりである。

 法令の整備や捜査ツールの開発など、時代に即した見直しが急務ではないかと日本経済新聞はいう。

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 リアルな世界ではごく普通に振舞うが、サイバー空間ではモラルを外れて他者の財産を傷つけることが平然と行われる。規制を設けたところで、完全な対策などないのかもしれない。

 ネットの世界もこれと同じなのかもしれない。誹謗中傷が横行し、いつになっても収まる気配がない。ままならぬ状況が続けば、苛立ちは募る。フラストレーションがたまれば、はけ口でそうした行為になったりすることもあるのかもしれない。

 失われゆくモラルに、少しばかり不安を感じたりする。良識はどう身につけていけばいいのだろうか。街中がSDGsに溢れることに矛盾を感じたりする。

 

【小さな正義と大きな正義】誰も解決できないコロナ渦、混迷、混沌とするコロナ対策

 

 国の借金が膨れ上がり1216兆円に達したという。三度にわたり編成された新型コロナ対策の補正予算の影響があるという。

www.jiji.com

 それに反して、累計の新規感染者は増え続け、優に60万人を超えた。そんな単純なことではないであろうが、質素倹約に徹すれば、よかったのではないかと言いたくなるくらいの結果なのだろう。

 当然のように内閣支持率は下落する。それでも、野党は内閣不信任決議を提出できないという。首相が口にした「大義」が理由のようだ。不謹慎だが、滑稽と感じるばかりである。

 

 

 全国知事会では、緊急事態宣言を全国に拡大し、都道府県境を越えた人の移動を抑えるなど、より強い対策に踏み込むべきだとの意見が相次いだという。

this.kiji.is

 一方で、ワクチン接種が遅いといわれているという。

日本国内に到着した新型コロナウイルスワクチンは2800万回分に達したが、接種が完了したのは15%程度の400万回超で、約2400万回分が「(接種を担当する)人手や手配上のボトルネック」によって使われないまま残っており、接種ペースは「遅いままだ」などと批判的に報じた。 (出所:毎日新聞) 

mainichi.jp

 毎日新聞によれば、河野担当相は7日の記者会見で「できるだけクレームはお控えいただければと思う」と話したという。

 接種が進む自治体がある一方で、遅々として進まない自治体もあるようだ。

 感染対策を進める政府に協力する方が合理性があるように思うが、なかなかそうならないから混迷し、混沌とするのだろう。

 

 

この時期におけるオリンピック開催可否の議論の合理的判断はどこにあるのだろうか。

 小さな正義と大きな正義

 昭和恐慌のきっかけは枢密院が台湾銀行への公的資金投入を拒否したことであった。放漫経営の台湾銀行へ国民の血税を投じることを阻止することは小さな正義に適う。だが、それが結局、日本全体を恐慌に導く引き金を引いたことを考えると、小さな局面で小さな正義を通したからといって、大きな正義に合うかどうかは一概に言えない。 (引用:中坊公平の闘い 藤井良広) 

 7月末に感染は収束しないとの仮説を信じれば、それは合理的な判断なのだろうが、その仮説は正しいのだろうか。その予見を信じてしまえば、現状をよくしていこうということよりは、感染は収まらないとの諦めが先行したりしないだろうか。

 Wikipedia社会学の合理的選択理論の中に、こんな説明がある。

個人の予言が集積すると、実現してしまうことがある(予言の自己成就)。

例えば、仮に冗談で、ある銀行がつぶれるらしいと言い、その情報を多くが信じて一斉に預金を引き落とすと、取り付け騒ぎとなり銀行が倒産することがある。 (出所:Wikipedia

 五輪に反対すればするほど、感染収束が遠退いていくように感じたりする。

 

 

 コロナに効くか「行動経済学」との記事を日本経済新聞が出す。

www.nikkei.com

「大多数の人びとは外出を控えている」とのメッセージやこれを裏付ける情報を積極的に発信する一方で、規制に従わない事例を不要に目立たせないことが大事だという。(中略)

たとえば不要不急の外出をする人びとに対して当局や専門家が否定的にコメントするといった手はある。望ましくない行為に「負の烙印(らくいん)」を押し、やんわりと制裁を与えることで、ルールの順守を促すわけだ。 (出所:日本経済新聞

 これと真逆の報道が多くないだろうか。「判官びいき」と言っていいのかもしれないが、冷静に理非曲直を正そうとしないで、同情を寄せるような報道をする。それをジャーナリズムというのだろうか。

 政府を擁護する気はさらさらない。今ある苦境の根本は新型コロナウイルス感染症であって、政府そのものではなかろう。政策の良し悪しの批判はあってもいいのだろうが、専門家でもない、知識人どもが利に放りて発言していては混迷を増すばかりだ。そこに合理性はあるのだろうか。そんな議論をよそに感染症は今もまた人から人へ感染しているのだろう。今、感染症を収束させようとしているのは一体誰なのだろうか。

 

【カーボンフットプリント】CO2排出を簡便に計算できるLCAツールをオープンソース化するオールバーズの理由

 

 米サンフランシスコ生まれのサステナブルブランド「Allbirds(オールバーズ)」が、カーボンフットプリントを算出できる「ライフサイクルアセスメント(LCA)ツール(英語版)」をウェブで公開した。

www.allbirds.com

 2020年4月から、製造過程から廃棄に至るまで排出されるカーボンフットプリントをすべてのアイテムに表示することをオールバーズは始めた。その算出に使用する「LCAツール」を公開、この取り組みをファッション業界に拡げたいという。

 

 

Don’t hide your pollution. Label it.

We know that sharing proprietary information might not make the most business sense. But the global climate crisis is bigger than business.

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(画像:オールバーズ)

 説明責任を私たちだけで流行させることはできないとオールバーズはいう。

 そして、世界最大のファッションブランドに、カーボンフットプリントツールの使用を勧めるメールを書き、送り、協力を要請した。そのメール送付先には、ユニクロZARA、ノースフェイス、ラルフローレン、NIKE、リーバイスH&Mの他、ルイヴィトン、グッチ、エルメスプラダ等々の名前があがる。

 

 

 「三方よし」や「ステークホルダー資本主義」が叫ばれるようになり、従来型の資本主義が変曲点を迎えるているのかもしれない。秘密主義から「オープンソース」、業界で共有すべきことは積極的に開示、協力していく。従来の単なる利益競争は企業間のコラボを遠ざけていた。オールバーズの行動は気候危機のような社会課題解決には必要不可避なものになっているのだろう。そして、その上で、社会とも協調する。

 そんな形に資本主義が再構築されれば、気候危機などの喫緊の課題も解決に向かっていくのかもしれない。

 Forbesによれば、気候変動や格差拡大の解消に向けて動いているのは、まだ企業の2~3割だという。企業が喫緊の問題だけでなく、公的問題にも取り組むためには大きな変革が必要であり、リスクが付きものだとその理由を指摘する。

forbesjapan.com

 オールバーズが提唱するように、簡便にカーボンフットプリントが算出でき、業界みなが共通の指標で結果を公開し、それが新たな競争のネタになれば、地球の浄化が進んでいくのかもしれない。日本から参加する企業があればいいのだろう。

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(画像:オールバーズ)

 

 環境省も「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」を公開、LCA排出量算定に活用できる算定支援ツール(Excelファイル)を公開している。

 

サプライチェーン排出量算定の考え方 (環境省)

 

www.env.go.jp

 

 この他、国際的な取り組みとしては、SBT(Science Based Targets)があり、このSBTでは、パリ協定が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標のことで、世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの。国内では多くの大企業が参加している。

sciencebasedtargets.org

 

 身近なファッション業界で共通指標のカーボンフットプリントの公開が始まればいいのかもしれない。

 

「参考文書」

prtimes.jp