Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

解消されていない政治不信、見直されるGX推進戦略、エネルギー基本計画

 これだけ世界各地で異常気象が頻発しても、気候変動対策で国際社会が一致することが難しいのでしょうか。

世界の熱波、今月50億人に影響 気候変動で発生確率3倍―米研究機関:時事ドットコム

 さらに今年は選挙イヤーでその影響も受けることが想定されます。欧州議会選挙では右派勢力が伸長し、環境会派が大きく議席を減らしました。11月には米国で大統領選挙となります。その結果次第では米国の温暖化対策への影響は免れないといわれます。欧米での環境重視の結束が揺らいでいるといいます。

 

 

 地球温暖化抑止のために、世界全体でカーボンニュートラルを目指していくはずなのに、今ではこれが激しい貿易戦争の引き金になってしまったようです。各国が手段を選ばず競争を繰り広げるようになり、日本もその渦中に引きずり込まれているようです。

 日本政府は「GX グリーントランスフォーメーション推進戦略」を見直すそうです。AIが急速に普及し、想定よりも電力需要が増加するためだといいます。

政府が恐れる「デジタル敗戦」 脱炭素電源の不足に懸念 - 日本経済新聞

脱炭素電源の制約とそれに起因する『デジタル敗戦』は、産業基盤を根こそぎ毀損する危険性をはらんでいる。(出所:日本経済新聞

 低廉で安定的なエネルギー供給を産業界は求めます。それが経済の基盤だからなのでしょう。そして、原発再稼働を当然のように求めます。

原発

 原子力規制委員会青森県六ヶ所村に再処理工場の耐震性などを確認するため現地調査を行ったそうです。

 この再処理工場は1993年から建設をはじめ、いまだに完成していません。技術的なトラブルや審査書類の不備などからこれまで26回にわたり延期されてきたといいます。

31年たっても“建設中″ 六ヶ所村の「核燃料再処理工場」原子力規制委が耐震性など現地調査|日テレNEWS NNN

 核燃料再処理工場、日本の原子力政策、核燃料サイクルの要といいます。この施設が完成すれば年間最大800トン、原発約40基分の使用済み核燃料を処理できるそうです。しかし、完成しなければ、再稼働した原発から出た使用済み核燃料の貯蔵場所が問題となることは確実といわれています。再処理工場の稼働なしに再稼働がさらに進めば、その行き場確保がさらに大きな問題となるそうです。

 喫緊の課題の解決を求めて原発を推進しようとすれば、次の課題にぶち当たるようです。その上原発推進には住民理解が欠かせません。福島第一原発事故のトラウマは早々解消できるものではありません。まして大きな地震が起きるたびに原発で不手際が露呈すればなおさらです。そんな中、原発を推進しようとすれば必ず反発が生まれます。国と電力各社が態度を改め、謙虚にならない限り、反発が沈静化することはないのでしょう。

 

 

 不確実性が高まり、エネルギー政策におけるリスクは以前とは比べられないほど多岐にわたるようになっているといいます。何をゴールにどの道をたどっていけば、山積する問題がスムーズに解決されていくのでしょうか。様々なリスクや課題が制約条件となって、複雑性が増し、それに加えて業界の利害やしがらみが絡んできます。

 政府による強い誘導を求める声があるようです。政府は既得権益の調整を理路整然にすることはできるのでしょうか。

 一方で、政府はPB プライマリーバランス 国と地方の基礎的財政収支を2025年度に黒字化する目標を閣議決定した骨太の方針「経済財政運営と改革の基本方針」に盛り込んでいます。この目標をないがしろにするようなことになれば、国の信用にかかわることになるといいます。このため野放図な財政支出はもう許されないといいます。

歳出改革、一貫性欠く 骨太の方針(日本経済新聞)

 しかし、不人気な首相は物価高対策として電気・ガス代の補助や年金世帯への給付金支給を表明しました。それは歳出改革を進めるという姿勢と矛盾し、一貫性を欠くとの指摘があります。

 

 

 そもそも堅実な政策が練られていれば、物価高や円安に苦しんだり、エネルギーの供給不安も避けることができていたのかもしれません。

 エネルギー基本計画の議論が始まっています。堅実で現実的な計画を作ることはできるのでしょうか。裏金事件を端にして、政治不信が続いています。不信を払しょくするような計画が求められいるはずです。

 

 

「参考文書」

アメリカでヒートドーム猛威 暑さ過去最高、50年死者6万人も - 日本経済新聞

大量の電力を消費する「AI」で世界はエネルギー危機に | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

エネルギー政策で世界から取り残される日本の産業界に未来はあるか? | クーリエ・ジャポン

分断下でも進む脱炭素 シェルが読む国家競争の現実 本社コメンテーター 松尾博文 - 日本経済新聞

日本の基礎的財政収支、来年度の目標未達の見通し=ムーディーズ | ロイター

 

AIに不可欠な再生可能エネルギー、顕在化しかねない石炭火力に頼るリスク

 第7次エネルギー基本計画の議論が始まったようです。

 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会が開催され、会議の冒頭、齋藤経産相は「化石燃料の輸入金額は22年に34兆円にまで上昇しており、輸出で得られた国富を全て化石燃料で失っている」と指摘したといいます。

第7次エネルギー基本計画の議論開始 国際物流では環境負荷を削減:日経ビジネス電子版

 世界的に利用が進む人工知能(AI)による電力需要の増加も挙げ「脱炭素エネルギーを安定的に供給できるかが国力を大きく左右する」との見方を示したそうです。

 

 

 日本の生き残りをかけたエネルギー政策の議論になるといいます。再生可能エネルギーの活用に向け議論が深まるのでしょうか。

「脱炭素」には再生可能エネルギーは不可欠であることはいうまでもありません。この再生エネを巡って国内の争奪戦が始まり、安価で安定的に調達できるかが、企業の競争力を左右する時代になってきたといいます。

[新連載]ラピダス・TSMC、巨大工場立地の真相 再エネ争奪の前哨戦:日経ビジネス電子版

 国の支援を受け次世代半導体の生産をめざすラピダスは、工場を北海道で建設中です。

「再生エネを積極的に使い、グリーンな技術を生かした工場を実現する」、大量に風力や太陽光などの再生エネ由来の電力を調達できる土地して北海道を選択したようです。

 再生エネ適地のひとつにあげられる北海道、ラピダスの後を追うように北海道で拠点設置を決める企業は増えているそうです。ソフトバンク苫小牧市に国内最大級のデータセンターを建設すると発表し、電力の多くを再生エネで賄うことを目指しているといいます。今後、ラピダスに部品を供給する周辺産業の進出も相次ぐといいます。

 

 

「日本の工場は稼働開始時から全消費電力が再生エネだ」、熊本県菊陽町に進出した半導体受託生産の世界最大手 TSMC台湾積体電路製造もまた再エネ調達を積極的に進める企業のひとつです。 九州もまた再エネ適地といわれています。

再生エネがあるところに、巨大産業が立地する──。(出所:日経ビジネス

そんな時代が到来したようだといいます。足元では再生エネは使い切れないほどあるため、「今後も余る」と高をくくる企業がある一方で、一歩先行く企業は、PPA(電力購入契約)を締結したり、設置が計画される再生エネ発電所にアプローチする動きも活発化させています。

 

 

再生エネの獲得競争は今後激化しそうだ。電力中央研究所は、50年の電力消費が21年比で最大37%拡大すると予測。主な増加要因が生成AI(人工知能)の普及拡大で、世界的に化石燃料依存を減らす中、一段と再生エネを求める動きが強まる。(出所:日経ビジネス

 再生エネ争奪戦が始まりつつある日本、「30年以降になれば、再生エネなどクリーンエネルギーの争奪戦が本格化する」、経産省幹部はそう見ているといいます。「2~3年前には再生エネが取り合いになるとは予想しづらかったが、電力需要の大幅増を招く生成AIの登場で競争に拍車がかかっている」とも語ったといいます。先見性がないことを自ら証明しているようなものです。

 

 

 米アップルにアマゾン、グーグル、グローバルにビジネスを展開するビッグテックは、世界のどの土地においても再生エネ調達を積極的に進め、進出した地で再エネ以外の電力を使うという前提はないようです。日本の再生エネ比率が向上しないと、これからは日本への投資を敬遠する、新たなジャパン・パッシング(素通り)になりかねないといいます。 

 昨年の国連気候変動枠組条約第28回締約国会議で、アンモニアを推奨して、不名誉にも「化石賞」を頂いたことが思い出されます。 さて、いまだに7割以上を化石燃料に依存する電源構成が今回のエネルギー基本計画で、今度こそ見直されることはあるのでしょうか。

 

 

「参考文書」

AI、電力も富も爆食 「シン双子の赤字」が招く円安ループ 円の警告・国富を考える(4) - 日本経済新聞

なぜ必要? 今さら聞けない、再エネ調達の基礎知識:日経ビジネス電子版

「化石賞」日本が推すアンモニア発電は愚策か、石炭依存国の希望か | 日経クロステック(xTECH)

 

【Copilot+PC】ネット環境不要で駆動する生成AI、「AIパソコン」新たなHW端末登場

 米OpenAIが新製品GPT-4oをリリースし、その性能のスゴさから大盛り上がりになりました。どんな未来がやってくるのかとワクワクする一方で、脅威を感じる人もあるのでしょうか。

 それにしてもAI覇権をがっちり抑えられてしまったとの感が否めません。従来型の日本企業にこの先、勝ち筋はあるのだろうかと不安がよぎったりします。

 

 

 かつて強かったハードウエアも衰退の一途のようです。シャープは大型液晶事業の国内生産を終了させるといいます。グローバルに勝負できるモノが徐々に少なくなっていくようです。かといってソフトに強みがあるかといえば、そうとは言えそうにもなく、デジタル敗戦、デジタル後進国との言葉で表されるようにハードウエアどころではない悲惨さです。

 一方で、世界を席巻する巨大テクノロジー企業と言えば、今ではソフト、ハードどちらも強みになっていそうな気がします。もうソフトだのハードだのという時代ではなく、両輪揃えて新たなバリューチェーン、エコシステムを構築することが求められていそうです。

 米グーグルの自社製スマートフォンピクセル」の最新低価格機種「8a」の販売が始まったそうです。日本での販売価格は7万2600円。最新の独自半導体テンソルG3」を搭載し、AI人工知能を使って利便性を高めているといいます。なかなかの評判のようです。

 米アップルはタブレット型端末「iPad」の最上位機種「プロ」の最新モデルをはじめてそうです。価格は16万8800円から。独自開発の半導体「M4」を搭載し、AI 人工知能の活用など性能と電力効率を高めているといいます。

(写真:アップル)

 マイクロソフトは、AIの実行に適した新たなPCカテゴリ「Copilot+ PC」を新設し、これに対応した新型PC「Surface Pro」「Surface Laptop」を発表しました。この新しいAIパソコンは、インターネットにつながなくても生成AI機能を簡単に使えるといいます。

AIパソコンは2025年に「かなり一般的」になる-マイケル・デル氏 - Bloomberg

 AIなどの新しいサービスには、それを支える半導体などのテクノロジーと、それを普及させるためのハードウエアとモノづくりが必須になっていると感じます。

 

 

 中国では、スマホからスマート家電まで手がけるシャオミ(小米/Xiaomi)が、EV電気自動車に進出、最初のモデル「SU7」を発売しました。販売開始からわずか27分で5万台を超える予約注文があったといいます。

「iPhoneより安くて速いスマホ」の中国企業が、「テスラより安くて速いEV」を発売…自動車業界を揺るがす大衝撃 だからトヨタも「中国のIT企業」と手を組んだ | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 多彩な商品をもち、熱烈なファンにささえられた一大経済圏ができあがっているようです。

シャオミは、EVというハードのみで収益化を目指しているわけではないのだ。ヒト(スマートフォン)、クルマ(EV)、ホーム(スマート家電)を通じてユーザーにサービスを提供し、そこから得られるビッグデータを収集・解析することでさらなるユーザーエクスペリエンスの向上を目指し、そのエコシステム全体で収益を上げていこうとしている。(出所:東洋経済オンライン)

 そうなのかもしれません。新しいサービスを楽しむにしても、それを駆動させる最新のハードが欠かせなくなっています。またモノは人々の物欲を満たし、アプリはさらに利便性を向上させます。結局、どちらに一方に偏ることなく、両輪そろってビジネスチャンスが大きく膨らみ、マネタイズポイントも増えそうです。世界を席巻しリードする巨大なグローバル企業を見れば、疑いの余地はなさそうです。

 ハードを軽んじソフトばかりを重視する、その偏重した考えが多くの日本企業をダメにしたのかもしれません。この遅れを挽回するには長い時間がかかりそうですが、チャレンジする価値はあるのかもしれません。

 

 

「参考文書」

新スマホ「ピクセル8a」発売 14日から、7万2600円―米グーグル:時事ドットコム

新iPadプロ、15日発売 半導体「M4」、16万8800円から―米アップル:時事ドットコム

Apple、M4チップを搭載した美しく新しいiPad ProとApple Pencil Proを発表 - Apple (日本)

PC各社、AIチップとArm搭載「Copilot+ PC」を一斉発表 新Surfaceは「M3 MacBook Airより高速」 - ITmedia AI+

 

 

「Crush!」炎上したアップルの動画、AIがクリエイティブを押しつぶしていくという日常

 アップルのM4チップを搭載した新しいiPad Proのプロモーション動画が炎上し、早速、アップルは「映像は的外れだった。申し訳ありません」と謝罪したといいます。動画では、楽器やカメラなどがプレス機で破壊される様子を映していました。

Apple、iPad Pro発表会の映像で謝罪 SNSで炎上 - 日本経済新聞

 既存の楽器や彫刻がプレス機に押しつぶされることで新機種の薄さを強調したかったようだといいます。「クリエーターの気持ちを踏みにじっている」などの批判があったそうです。

 

 

アップルのマーケティングコミュニケーションズ担当バイスプレジデントのトア・ミレン氏が「創造性はアップルのDNAの中にあり、世界中のクリエーターに力を与える製品を設計することは我々にとって非常に重要だ」と説明。「我々の目標は、ユーザーがiPadを通じて自分自身を表現して、アイデアを実現する無数の方法を祝うことだ」と続けた。(出所:日本経済新聞

youtu.be

 アップルには何か別のメッセージがあったということはないのでしょうか。生成AIが跋扈する今日この頃、何でもAIで代替されそうな勢いでクリエイティブの危機ともいえそうです。そんな傾向にアップルがアップルなりに警鐘を鳴らし、クリエイターの味方はアップル、そのクリエイティブを支えるのが新しいiPad Proといいたかったということはないでしょうか。考えすぎかもしれませんが。

「Crush」、押し潰すとかぐしゃぐしゃにすると意味する言葉ですが、転じて「ぞっこんになる」「夢中になる」といった意味もあるそうです。

 もしてかしてこの先、AIというプレス機が日常の何から何まで押しつぶし変えていくことになるのかもしれません。それでもアップルはそれに飲み込まれず、つぶされず、そこに存在し、クリエイティブのために働きますよとのメッセージかなと思えなくもありません。生成AIで出遅れているからでしょうか。ついついそんな風に考えてしまいました。

 

 

 ネットが当たり前になり、誰もが気軽に情報を発信できるようになりました。YouTubeTikTokの動画サービスも当たり前になり、一方で、既存のメディアが衰退するようになっているようです。日本のテレビ番組も、YouTubeTikTokのダイジェストとなって、衝撃映像や面白動画の垂れ流し番組増えているとの指摘もあります。

ドラマ「SHOGUN 将軍」を手掛けたFX責任者が語る「テレビ業界は品質で戦うべき」という言葉の重み|徳力基彦(tokuriki)

 創造性が軽んじられるようになってはいないかと危惧します。

YouTubeで提供されるコンテンツとは量で戦えないからこそ、テレビ業界は品質で戦うべきだ。消費者が望んでいることを把握し、価値があると思ってもらえる番組を作るために時間とこだわりを投資することが大切なのではないか。

(引用:ドラマ「SHOGUN 将軍」を手掛けたFX責任者が語る「テレビ業界は品質で戦うべき」という言葉の重み|徳力基彦)

「長い目で見ると、自分達ならでのコンテンツの質をこだわらないと本当に危ない気がします」.......

 もしかしてアップルが動画のあのプレス機で押しつぶしたかったのは、こんな風潮ということはないでしょうか。VUCAの時代といわれます。こんな時代だからこそクリエイティブが求められていそうな気がします。

 

「参考文書」

プレス機で破壊される楽器や撮影機材。「酷すぎる」Appleの新型iPad Proのプロモーション映像に批判の声 | ハフポスト NEWS

 

著名投資家 ウォーレン・バフェットはなぜ日本の総合商社を評価するのか

 著名投資家のウォーレン・バフェット氏が、食品からエネルギーまで幅広い事業を手掛ける日本の総合商社への投資について、「非常に満足している」と改めて評価したといいます。

商社投資「非常に満足」 アップル株は追加売却―バフェット氏:時事ドットコム

 そのバフェット氏の評価通りなのか、5大総合商社の業績は好調で、株価は上昇傾向で、上場来高値を更新しているといいます。   

 

 商社が躍進を続ける理由には、身銭を切った「血の情報」による事業投資があるそうです。「ブラッディインフォメーション(血の情報)」、業界の商流にどっぷりつかることで得られる生々しい情報のことをいうそうです。

三井物産は利益1兆円超え 商社パーソンに学ぶ地球規模の「稼ぎ方」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 商社マンと定期的に交流していたことを思い出します。彼らがもつ業界情報を得るため、また新たなソースや実のある商流提案も求めたものでした。

「スケール感ある商い精神」「商社パーソンはスーパーゼネラリスト」「地球上のフットワーク」、これらが商社マンに求められる力、スキルだそうです。

 戦前三井物産の社長を務め、戦後国鉄総裁になった石田禮助も「日本の人口問題、食糧問題解決のためには外貨がいる」「商社の仕事は口銭だけではだめ、スペキュレイション(投機)も含め、新しく創り出すものが加わって大きな稼ぎができる」と語っていることからして(参考:「粗にして野がだが卑ではない」)、そうなのかもしれません。

 石田は、シアトル、ボンベイ、大連、カルカッタ、ニューヨークの支店長を歴任し、大連では大豆の取引で巨利を得て、また、ニューヨーク支店長時代には、錫の取引でも成功したといいます。さすがに社長まで上り詰めるだけにを半端ない大きな商いを行っていたようです。

 

 

モラルあってのソロバンである。正々堂々と働き、正々堂々と生きよ。(引用:「粗にして野がだが卑ではない」)

 成長を続ける総合商社の姿勢を、ぜひ見倣って欲しい.......、それが小粒終わるスタートアップ、積極拡大を目指さない中小企業との歴然とした差だ、Forbesはそう指摘しています。

 生成AI「ChatGPT」が大流行りです。しかし、商社が扱うような「血の情報」はAIで見つけることはできないだろうといいます。最高の収益機会を求め、日本中、世界中を駆け回り、人と会ってこそ得られるものがあるそうです。円安に苦しみ今の日本にあって求められていることがここにあるのではないかといいます。そうなのかもしれませんし、そうできるよう心掛けべきなのかもしれません。

 一方の石田禮助三井物産退職後、国鉄総裁に転身し、経営合理化を積極推進、様々な業績上げたそうです。「公職は奉仕すべきもの、したがって総裁報酬は返上する」と宣言し、国民の支持を得たそうです。鶴見事故が発生すると、当初は月10万円だけ貰って報酬を受け取らずに、1年あたり洋酒1本に変えたそうです。

 また、国会質疑でも数々のエピソードを残し、初登院した国会では経営に苦しむ国鉄について、議員たちに向かって「今日の様な状態になったのは、諸君たちにも責任がある」と痛烈かつ率直に発言し、議員たちを驚かせたようです。議員に向かって「諸君」といったことも相当に怒りを買ったようですが。

 裏金事件が起き、企業献金が問題視され、政財界の癒着も未だにあるのではないかと疑われます。現代の国会も石田存命当時のようなものに変わっていけば、日本が抱える様々な問題も解決に向かって行くような気もします。

 

「参考文書」

総合商社、資本効率改善を加速-バフェットら投資家の目意識 - Bloomberg

 

 

 

AI時代に、未だ石炭火力発電の議論、爆増する電力需要は乗り越えるられるか

 G7の気候・エネルギー・環境相会合で、二酸化炭素の排出削減対策がなされていない石炭火力発電を2035年までに段階的に廃止することで合意したといいます。

石炭火力廃止へ「埋まる外堀」 狭まる抜け道、G7で孤立する日本 [気候変動を考える]:朝日新聞デジタル

 解釈の余地を残した玉虫色とも言える合意内容になっているそうです。ただ廃止への圧力は強まる一方で、日本政府は強気の姿勢を崩さないが、G7の中では孤立しつつあるといいます。

今回の会合の閉幕後、経済産業省の担当者は、石炭とアンモニアを混焼し、排出削減を目指す技術や、発電効率を高めて排出を減らす「高効率石炭火力」などが「対策済み」にあたると改めて強調した。(出所:朝日新聞

 

 

 どうしてこんな発言が飛び出してくるのでしょうか。円安がとまらなくなっています。輸入に頼らなければならない化石燃料を早々に見切りをつければ、電気料金が高止まりしかねません。昨今の地政学リスクからしても安定供給の面からしても疑問が残ります。まして、これからはAIの時代といわれ、膨大な電力が必要になるといわれます。

今後、AIが引き起こす「電力戦争」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

AIは電力を消費する。それも、想像以上に大量に消費する。世界はすぐに電力不足に陥るかもしれない。(出所:Forbes)

 データセンターなどが急増し爆発的な需要の中、米国は電力不足のリスクに直面しているそうです。この先、AIの時代は、より多くの電力が必要とし、誰もが信頼性が高く、手頃な価格の電力を求めるようになるといいます。

 無尽蔵な自然エネルギーの利用を拒む理由はないはずです。まして基本二酸化炭素を排出せず、一部企業を除けば、多くの企業が必要としているのですから。

 既得権益を守ろうとする日本政府の姿勢が脱炭素だけでなく、何においてもガラパゴス化を促進し、高コストで時代遅れなものを生み出しているのかなと思います。

 

 

蒸気船からジェット機への移行のようなものだ。適応しなければ、企業は急速に衰退する。都市や国も同様だ。過去50年間で世界がどれほど変化したかを考えてほしい。中国は生まれ変わった。東南アジアは好景気に沸いた。インド、中東、南米、そして今ではサハラ以南のアフリカの一部も同様だ。コミュニケーションはほとんどの人にとって即時かつ手頃な価格のものになった。資本は完璧ではないが、驚くほど上手くチャンスへと集まっている。さて、この50年間の変化が10年か20年に圧縮されたらどうだろう。これが今、私たちが足を踏み入れている世界だ。(出所:Forbes)

 政治改革をまともに、そしてスピード感をもって進めることができない日本政府に求めることがまちがいなのかもしれません。しかし、その巻添いを食らって社会の進歩が止まるようなことになれば一大事です。ピボットしていくためにも、もしかしたら政府を変えないといけないのかなと思います。意識も変わらずにこのままでは、世界からますます置いてけぼりになっていくだけのような気もします。

 

「参考文書」

日本は再エネ供給不足、企業ニーズ満たさずとアマゾン-化石燃料依存 - Bloomberg

「スジの悪い人間関係」の断捨離|山口周

 

出荷停止続くプッチンプリン、根深い基幹システムの障害、なぜ日本のDXは進まない

 江崎グリコの基幹システムで大規模な障害が発生し、「プッチンプリン」などがお店から消え話題になりました。江崎グリコは、5月中旬の出荷再開を目指し改修を進めているそうです。

稼働が1年超遅れたグリコの基幹システム刷新、投資額は当初比1.6倍の342億円に | 日経クロステック(xTECH)

 様々な業界で次から次へと問題がおこります。銀行をはじめあらゆる業界でシステム障害をおきて、生活にも影響するようになってきています。

 

 

 江崎グリコは2019年12月、基幹システムの刷新に着手したそうです。しかし、このプロジェクトは目論見通りには進まず、予定の2022年12月に刷新が完了せず、ようやく今年4月に新システムへ切り替えたといいます。そして、今回のシステム障害が発生したといいます。

 新たな基幹システムには、独SAPの「SAP S/4HANA」が採用され、主幹ベンダーはデロイト トーマツ コンサルティングだったという報道もあります。

新システムでは、こうした社内のレガシーを統一し、プロセスをシステム上でつなげ、人による調整を減らすこと。顧客から研究開発、調達までデータと業務を紐付けること、全社レベルでデータを可視化し、課題の発見や経営判断のスピードを上げるといった狙いがあった。(出所:東洋経済オンライン)

 新しい基幹システムは、江崎グリコをデータ志向の企業に変革するためには欠かすことのできないものだったようです。デジタル戦略を打ち立て、デジタル人材育成にも取り組んできたといいます。しかし、費用は膨張し、このプロジェクトの投資額は342億円にもなり、当初予算より約130億円も増えたといいます。それなりに周到に準備されていたように見えますが、なぜにこれほどの難産になったのでしょうか。

2025年の崖

 経済産業省が指摘した「2025年の崖」のことが思い出されます。まさにその危惧が的中したということなのでしょうか。ITエンジニアの不足、それに質の問題もありそうです。

コンサルを毛嫌いするSIer、顧客のIT部門と共に滅ぶべし:日経ビジネス電子版

ある大企業のCIO(最高情報責任者)があきれ顔でこんな話をしていた。「他社のDX戦略なるものを読んでいると、幾つかにグルーピングできる。A社とB社は○○コンサルティングの客、C社、D社、E社は××コンサルティングの客といった具合にね」。どういう意味かというと、同じコンサルティング会社の支援を受けた企業のDX戦略は、どれもこれも恐ろしいほどよく似ているそうだ。このCIOは他社の安易なDX戦略にあきれていたのだが、コンサルティング会社も随分安直な仕事をしているわけだ。(出所:日経ビジネス

 信じ難いことですが、しかし、これが、わが国の「DX:デジタルトランスフォーメーション」の実態なのでしょうか。

 

 

 一方でDXの好事例もあるようです。ファーストリテイリングのDXは順調だったといっても過言ではないのかなと思います。

柳井正氏「僕はコンサルを信用しない」 アクセンチュア社長と対談:日経ビジネス電子版

その取り組みの始まりは25年前に遡るそうです。そしてそれを支えたのがアクセンチュアだったといいます。また、アクセンチュアファーストリテイリング同様急成長を遂げることになったようです。アクセンチュアはこの8年間で、売上高が4倍、社員数も4倍と大きく成長したといいます。

日本でナンバーワンというより、(IT導入を)やらないと日本でナンバーワンだけで終わると。当時フリースブームでうちの売上高が1000億から4000億円になったでしょう。このままではいけないなという。上場するときからそういうふうに考えていたんですよ。小売業界や繊維業界は、一番遅れている産業でしたから。マイクロソフトやグーグル、アップルのような米ハイテク企業のように成長できないかなと。そういう視野で仕事をされていたから選んだんです。(出所:日経ビジネス

 成功するにはそれなりの理由があるのでしょう。最新のテクノロジーをいかに活用できるかにかかっているのではないでしょうか。ベストプラクティスをまね、それを独自なものに昇華させていく、結果、それが生産性向上につながった否かで、成功か失敗の違いを分けているだけのことのように見えます。

 

 

 それにしても、アクセンチュア1強、独り勝ちの状況のようです。アクセンチュアはこの7年で、コカ・コーラボトラーズジャパン資生堂住友化学など大企業とIT子会社を設立、DXを積極的に推進しているといいます。

アクセンチュアの出資受け入れ、ユーザー企業のメリットとデメリット - アクセンチュアが出資する新型IT子会社:日経クロステック Active

 またデジタルマーケティング市場でその存在感が増しているといいます。デジタルシフトを迫られている顧客企業に対し、戦略策定やIT(情報技術)コンサルティングからマーケティングまで一気通貫で支援できることが強みになっているといいます。

伊藤忠商事のデジタル事業 目指すは「打倒アクセンチュア」 - 日本経済新聞

 競合コンサルや広告代理店など焦りを募らせているのでしょうか。結構、多くの業界が古いままの体質を引きずっているのかもしれません。アクセンチュア躍進にそれを見るような気がします。

 

「参考文書」

グリコ「17種類出荷停止」巨大プロジェクトで誤算 40年ぶり社長交代で"データ志向"を目指したが | 食品 | 東洋経済オンライン

【独自】プッチンプリン出荷停止の「主犯」はデロイト!グリコのシステム刷新で1年遅延の末に障害発生“ボロボロ案件”の実態 | コンサル大解剖 | ダイヤモンド・オンライン

ミドリ安全のシステム障害、発生から約7カ月経過するも完全復旧に至らず | 日経クロステック(xTECH)

ファーストリテイリングとアクセンチュア、デジタル時代の革新的な消費者サービス開発に向けて協業