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ポイント経済圏、苛烈な競争、ドコモとアマゾン提携、楽天の苦境続く

 NTTドコモが、アマゾンジャパンと決済やポイント事業で提携すると発表しました。アマゾンが、ネット通販で支払い方法を問わず、他社のポイントをためたり使ったりできるのは初めてのことだといいます。

ドコモ、Amazonと決済・ポイント連携 経済圏拡大へ - 日本経済新聞

「dポイント」がアマゾンでのショッピングでもたまり、利用もできるようになるそうです。ただポイント還元率を高めるにはドコモの回線契約が必要になるとのことです。

 

 

 ドコモ経済圏に国内最大のネット通販を組み込み、利用者の囲い込みにつなげる狙いがあるそうです。ポイント経済圏で、楽天が先行し、ソフトバンクスマホ決済「PayPay」を軸に猛追、KDDIはローソンをグループに引き入れテコ入れを急いでいるといいます。

 少子化、人口減でこの先、携帯電話の契約者増は見込めず、ポイントを軸にした経済圏の拡大競争がますます激しくなっているようです。

「非通信」事業での成長が各社共通の課題になっているといいます。

 KDDIは約5000億円を投じ、ローソンへのTOB 株式公開買い付けをはじめました。

KDDI髙橋社長が激白「ローソンTOBは垂直統合戦略上の必然」:日経ビジネス電子版

「グローバルリアル×テックコンビニエンス」という戦略をローソンは掲げて、技術をフル活用して「リアルテックローソン」の実現を目指すそうです。竹増社長は、「テックカンパニーになりたい」といって、本気で「GAFA“L“」を目指すと公言します。

 世界のITプラットフォーマーに成長したアマゾンは、「グローバルな物流体制」「情報通信技術」、「商品計画」など競争力を磨き、常に新たなビジネスの開拓に勤しみ、そのための開発にも惜しみなく投資を続けています。

 「GAFA“L“」を本気で目指すローソンをKDDIが支援するのはありなのかもしれません。これもまた新規事業ということでしょうか。

 

 

 ドコモは、来たる「6G」通信を見据え、技術開発に余念がないようです。人間の感覚をネットワークで拡張可能にする人間拡張基盤の開発を進め、モノに触れた時の触覚を共有する技術「FEEL TECH™」を公表しました。

 この他にもゴルフ場のサブスクサービスを始めたり、「非通信」事業を強化しようとします。


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 一方、楽天は携帯事業の赤字に苦しんでいます。構造改革の途上のようです。血で血を洗うレッドオーシャンに後発で参入したからでしょうか。

楽天Gのドル債、発行額3000億円規模に増額-高利回りで需要強く

 ポイント経済圏の強みもこの市場では活かすことができないようです。勝者総取りでスケール争いに勝つという論理が通用しないのはなぜなのでしょうか。摩訶不思議です。

 

 

 楽天がキャッシュで苦しむ一方、米アマゾンのキャッシュが積み上がり、昨年のフリーキャッシュフローは過去最高の320億ドル(約4兆8500億円)を記録し、2024年はその2倍近くになるという予測もあるそうです。

アマゾンの膨らむキャッシュ、株主還元に期待の声-株は最高値に接近 - Bloomberg

 創業以来30年間、キャッシュを事業に投入してきたといいます。同業他社が自社株買いする中、それより投資を優先させてきたそうです。

AI関連のデジタルサービスに対する爆発的な需要を見込んで、今後15年間でデータセンターに1500億ドル近くを投じる計画だ。(出所:ブルームバーグ

 アマゾンはなお成長の途上にあり、そのためには支出を続ける必要があるそうです。

AmazonのCEO、生成AIがクラウド以来の最大の技術革新になる可能性を指摘 - ZDNET Japan

 同じような事業を営むプラットフォーマーでありながら、アマゾンと楽天は似て非なるもののようです。

 

 

「参考文書」

ドコモがAmazonと“dポイント”で提携の背景 楽天やPayPayとの違いはどこにある?:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ) - ITmedia Mobile

「日本版アマゾン」が誕生?KDDI×ローソン×三菱商事TOBの“真の狙い”を考える | 今週のキーワード 真壁昭夫 | ダイヤモンド・オンライン

綾瀬はるかさんが世界初の技術「フィールテック™️」を初体験!NTTドコモ 新CM 「あなたと世界を変えていく。」 フィールテック篇 | 株式会社NTTドコモのプレスリリース

NTTドコモ、ゴルフ場30カ所のサブスク 月8778円から - 日本経済新聞

楽天モバイル、黒字化できるか 参入4年、800万回線達成カギ―ニュースQ&A:時事ドットコム

(写真:NTTドコモ