米国の宇宙開発企業のスペースXの衛星通信サービス「スターリンク」事業が好調のようです。世界のより多くの地域で「スターリンク」が利用できるようになるため、来年には打ち上げ事業の売上高を上回る見込みだといいます。
マスク氏のスペースX、24年売上高2.3兆円の見通し-スターリンク好調 - Bloomberg
そうなれば、スターリンクはスペースXの売上高の大部分を占めることになるそうです。スペースXは今年、売上高約90億ドル(約1兆3500億円)を計上する見通しで、来年2024年には、約150億ドル(約2兆2500億円)に売上高が増加すると予想されているといいます。
米アマゾンが、「スターリンク」が先行する衛星通信サービス分野に新規参入するそうです。10月6日に試験衛星2基を打ち上げ、2024年末までにサービス提供を始めるといいます。
アマゾンの「Project Kuiper」、衛星の初回打ち上げに成功--「Starlink」対抗 - CNET Japan
この新しい分野に参入が相次いでいるといいます。中国企業も例外ではないようです。こうした成長分野に日本企業が名が出てこなくなりました。寂しいことです。日本企業は、こうした海外で立ち上げる新たなサービスを利用するだけになってしまったのでしょうか。「スターリンク」もいくつかの企業を介して国内でも利用することは可能になっています。
利用広がる低軌道衛星
KDDIが、スペースXと業務提携し、2024年内に衛星とスマートフォンの直接通信サービスを提供するといいます。 ライバル楽天に先んじ展開するそうです。
KDDIがスペースXと2024年内に「衛星とスマホの直接通信」、楽天に先んじて展開狙う | Business Insider Japan
一方、楽天は米ASTスペースモバイルと協業し、低軌道衛星と市販スマホの直接通信試験に成功したと発表しているそうですが、まだサービス開始時期は未発表のままのようです。
普段使っているスマホで人工衛星経由の通信ができるようになれば、山間部や離島など、地上の基地局ではカバーできない場所でも使用できるようになるそうです。こうした衛星通信は国家を支える重要インフラともいわれ、有事を想定すれば、なおさらのことだといいます。
国はしきりに経済安全保障を口にします。海外サービスへの過度な依存は安全保障上のリスクになることはないのでしょうか。また、こうした状態が円の流出を招き、円安を助長しているともいわれます。
携帯各社は顧客の囲い込み争いばかりに興じ、少子化が進む国内でのポイント経済圏の拡大には熱中している場合なのでしょうか。
スターリンクは海外展開を進め、売上を伸ばし、IPO新規株式公開を検討しているといわれます。生産性向上といってDXだの生成AIの活用のレベルでとどまっているようであれば、ますますその背中が遠退いていきそうです。
「参考文書」
先行するスペースXをAmazonが追う、地球上どこでも低軌道衛星が大容量通信を実現 | 日経クロステック(xTECH)
Amazon、Starlink競合の「Project Kuiper」初衛星を10月6日に打ち上げ - ITmedia NEWS
衛星通信で独走 スターリンクへの依存が招く安全保障リスク:日経ビジネス電子版
楽天モバイルも採用する「衛星ブロードバンド」企業ASTの実力 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
マスク氏のスペースX、スターリンクの2024年IPO検討-関係者 - Bloomberg