「円安は日本にとっても良いわけがない」とファーストリテイリングの柳井社長が決算説明会でそう語ったそうです。さらに「世界の中の日本を考えると円安になることを喜ぶような人はおかしいのではと思うし、あってはならないと考えている」と述べていました。
ファーストリテイリングの柳井正氏、円安「日本にとって良いわけがない」 - 日本経済新聞
世界中でインフレが進んでいる。給料を改善しないと成長しないのは当然だ。インターネットやスマートフォン、生成AIが登場した『超情報化社会』では世界中で情報がすぐに伝わり、人もすぐに移動する。小売業の問題は人海戦術であることだ。もっと人を大事にして、小売業こそ少数精鋭でやらないとならない。(出所:日本経済新聞)
業績は相変わらず好調のようです。好業績と相まって柳井社長の言葉の説得力がさらに増します。
歴史的な円安
円安が進んでいます。155円もありそうだといいます。イランの報復が始まり中東情勢がさらに深刻化しそうです。影響があるのでしょうか。
材料を輸入に頼っていてはますます苦しくなりそうです。つぶれる会社が増えそうです。色々意識を変えていかなければならないのでしょう。
訪日客「旅費も食費もフィリピンより安い」 円安加速で34年ぶり153円突破 米国産ステーキ店“仕入価格が約10年で3倍”|FNNプライムオンライン
「安いニッポン」、柳井社長のいわんとすることがよくわかります。円安効果を活かすことができれば、やがて円高に転じるのが経済の摂理ですが、そうならないのは従うべき摂理を無視しておかしなことをするからなのでしょうか。
過度な円安、こうしたピンチのときこそ、機会にすべきなのでしょう。「ピンチはチャンス」といいます。
進む二極化
会社の業績も二極化しているといいます。円安効果もあって絶好調な会社がある一方で、不調にあえぐ会社も多いといいます。ユニクロなど好調な会社の戦略を完全模倣できれば、苦境から脱すこともできそうですが、そうできない理由はあるのでしょうか。
「超情報化社会」、インターネットに生成AI、正解がどこにでもゴロゴロしていそうですが、それすら活かすことができていないようです。
世の中が変わり、様々なことが激しく変化する時代といわれます。これまでと同じ意識、思考ではもうだめなのかもしれません。
過剰に「正解」が供給される時代に何が価値になるのか?|山口周
ありていの正解を模倣するのではなく、問題の本質を見抜き、選ばれる正解に対して、価値を与える作業が必要になっていそうです。タイパにコスパ、過度に効率性を求めてはいては難しいことなのかもしれません。今ある風潮が弊害といってよさそうです。
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「ピンチがチャンス」、歴史的な円安の今、このピンチをチャンスにすべきなのでしょう。実は溢れるほどに機会があるのかもしれません。
「参考文書」
楠木建氏が解説 アイリスオーヤマの『いかなる時代環境でも利益を出す仕組み』 | 日経BOOKプラス